「Boot Camp 1.1.1でWindows Vista RC1をセットアップするには(前編) 」からの続きです。前編の手順を行ってから、こちらの後編の手順にお進みください。
■キーボードドライバのインストール
Boot Camp 1.1.1にはキーボードドライバと常駐ソフトウェアが収録されています。fnキーが有効になることでdelキーをはじめPageUp、PageDown、Home、Endの各キーが使えるようになっています。
1 左下のスタートボタンをクリックし、「ドキュメント」をクリック
2 「program files」-「Macintosh Drivers for Windows XP」-「Apple Keyboard」の順に開く
3 「Setup」をダブルクリックして起動
4 「ユーザーアカウント制御」ダイアログが表示されたら「許可」をクリック
5 ウィザードに従って、ドライバをインストールする
6 ダイアログが表示されたら「このドライバソフトウェアをインストールします」をクリック
7 インストール完了時に表示される画面で「Yes, I want to restart my computer now.」をクリックし、「Finish」ボタンをクリック
再起動後にfnキーが有効になり、以下のキー入力や操作ができるようになります。
・fn + delete(delキー)
・fn + ↑(PageUpキー)
・fn + ↓(PageDownキー)
・fn + ←(Homeキー)
・fn + →(Endキー)
・fn + F1(輝度を下げる)※Brightness.exeを起動していれば有効
・fn + F2(輝度を上げる)※Brightness.exeを起動していれば有効
・fn + F6(numlockキーを“光らせる”)
・fn + ▲(CD排出)
残念ながら、MacBookのnumlockキーは光るだけで正しく動作しませんでした。おそらく、フルキーボードのnumlockキーとして動作しているのではないかと推測されます。
■使えないキーをマッピングし直す
現時点のBoot Camp 1.1.1では、¥、バックスラッシュ、かな、英数の各キーがマッピングされていません。また、半角全角キーもありませんので、これらのキーをそれぞれ使用頻度の低いキーにマッピングし直しましょう。
1 以下のURLにアクセスし、Change Keyをダウンロードする
・Change Key(Satoshi様 作、フリーウェア)
http://www.forest.impress.co.jp/lib/sys/hardcust/keyboard/changekey.html2 ダウンロードしたChgKey14.lzhをデスクトップに解凍する
※LHA形式のファイルを解凍するには、別途ソフトウェアが必要です。私はLhaplus(Schezo様 作、フリーウェア)を使っています。
5 解凍した「ChgKey14」フォルダを以下のフォルダにコピーする
C:¥Program Files
6 そのまま「ChgKey14」フォルダを開き、「ChgKey.exe」を選択し、「整理」-「プロパティ」をクリック
7 プロパティの画面の「互換性」タブをクリックし、「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを付け「OK」ボタンをクリック
8 「ChgKey.exe」をダブルクリックして起動する※起動時に「brightness.exe」の起動を確認する画面が表示されますが、正常な動作です。
9 表示されたキーボードの画面上の、別のキーを割り当てたいキーをクリックし、変更したいキーをクリックして、新しいキーマップを設定
※どのように変更するかは個々人の好みですが、私は以下のように設定しました。
「F12」キーに「¥(|)」キー(¥と|が入力できるようになります)
「Num Enter」キーに「半角全角」キー(IMEのオンオフが切り替えられるようになります)
「右Shift」キーに「バックスラッシュ(_)」キー(¥と_が入力できるようになります)10 メニューから「登録」-「現在の設定内容で登録します」をクリックして、設定を保存する
11 再起動を促す画面で「はい」ボタンをクリック
■マウス右クリックソフトウェアのインストール
Boot Camp 1.1.1にも右クリックソフトウェアは付属していますが、キーコンビネーションが右コマンドキー(右Windowsキー)に固定されているため、MacBook(Pro)では機能しません。下記の1ボタンマウスソフトウェアをお使いください。
・ProMouseEnabler (iMappie様 作、フリーウェア)
http://www.eonet.ne.jp/~imappie/Software/PE.html (解説)
http://www.vector.co.jp/soft/win95/util/se256849.html (ダウンロード)
おすすめ設定は、左Shift+左Ctrlキーのコンビネーションです。このキーコンビネーションはMac版リモートデスクトップやParallels Desktopでも採用されていますので、Macユーザーには比較的馴染みがあるでしょう。
■トラックパッドドライバのインストール
トラックパッド用ドライバを適用することで正しくスリープに移行するようになります。WindowsではMac OS Xでの動作時よりもバッテリー消費が早いということもあり、このドライバを適用することで稼働時間に幾分か貢献が見込めます。提供されているセットアップ情報ファイル(infファイル)は、そのままでは適用できないため、修正が必要です。
1 左下のスタートボタンをクリックし、「ドキュメント」をクリック
2 「program files」-「Macintosh Drivers for Windows XP」-「aapltctp」の順に開く
3 「aapltctp.inf」をダブルクリックして開く※標準では拡張子が表示されないため「aapltctp」とだけ表示されています。「aapltctp.sys」ではありませんので、ご注意ください。
4 記述中「PID_0217」を「PID_0219」に修正
5 「aapltctp.inf」を上書き保存して、閉じる
6 左下のスタートボタンをクリックし、「コントロールパネル」をクリック
7 「ハードウェアとサウンド」をクリックし、「デバイスマネージャ」をクリック
8 「マウスとそのほかのポインティングデバイス」を開く
9 「HID準拠マウス」をダブルクリック
10 「詳細」タブをクリックし、「ハードウェアID」の値に「PID_0219」と表示されていることを確認する
11 「ドライバ」タブをクリックし、「ドライバの更新」ボタンをクリック
12 「コンピュータでドライバソフトウェアを参照します」をクリック
13 「参照」ボタンをクリックして、「(ユーザー名)」-「ドキュメント」-「program files」-「Macintosh Drivers for Windows XP」を選択し、「OK」ボタンをクリック
14 ダイアログが表示されたら「このドライバソフトウェアをインストールします」をクリック
15 「ドライバソフトウェアが正常に更新されました」と表示されたら「閉じる」ボタンをクリック
これで、マウスを動かさずにいると、設定された時間に正しくスリープに移行するようになります。
■輝度調節ソフトウェア(brightness.exe)をインストール
輝度調節ソフトウェアは単体で起動するシンプルなソフトウェアです。WindowsのSystem32フォルダにコピーして、管理者権限で動作するように設定するだけで使えるようになります。
1 左下のスタートボタンをクリックし、「ドキュメント」をクリック
2 「system32」を開き、「brightness.exe」を以下のフォルダにコピーするC:¥Windows¥System32
3 コピーした「brightness.exe」を選択し、「整理」-「プロパティ」をクリック
4 プロパティの画面の「互換性」タブをクリックし、「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを付け「OK」ボタンをクリック
5 「brightness.exe」を右クリックして、「ショートカットの作成」をクリック
6 デスクトップにショートカットを作成する旨のメッセージで「はい」ボタンをクリック
7 デスクトップ作成されたショートカットをダブルクリックして起動すると、タスクトレイに常駐する※起動時に「brightness.exe」の起動を確認する画面が表示されますが、正常な動作です。
起動するとタスクトレイにApple Studio Displayのようなアイコンで常駐し、最大輝度から消灯までをスライダーで調節できます。また、本記事の「■キーボードドライバのインストール」でキーボードドライバを適用することで、「fn+F1:輝度減」「fn+F2:輝度増」のショートカットキーも使えるようになります。
本来なら起動項目に登録して、ログオン時に起動するようにしたいところです。しかし、Windows Vista RC1から管理者権限の昇格が必要なプログラムは自動起動できない仕様になってしまったため、ショートカットを毎回起動するしかありません。
■時刻修正ソフトウェア(appletime.exe)のインストール
Mac OS XとWindowsをBoot Campでデュアルブートしていると、日付と時刻が異なって表示されることがあります。Boot Camp 1.1.1に用意されている、時刻を修正するためのソフトウェアをインストールして対応しましょう。
1 左下のスタートボタンをクリックし、「ドキュメント」をクリック
2 「system32」を開き、「appletime.exe」を以下のフォルダにコピーする
C:¥Windows¥System32
3 コピーした「appletime.exe」を選択して「整理」-「プロパティ」をクリック
4 プロパティの画面の「互換性」タブをクリックし、「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを付けて、「OK」ボタンをクリック
5 「appletime.exe」を右クリックして、「ショートカットの作成」をクリック
6 デスクトップにショートカットを作成する旨のメッセージで「はい」ボタンをクリック
7 デスクトップ作成されたショートカットをダブルクリックして起動すると、時刻が修正される※起動時に「appletime.exe」の起動を確認する画面が表示されますが、正常な動作です。
このソフトウェアはNTPサーバーとも通信しませんので、ネットワーク接続していなくても時刻が修正されます。また、時刻を修正するには、インターネットに接続できている必要があります。このソフトウェアを使ってWindows側の時刻調整をしておけばMac OS X側の時刻は維持されるため、時刻修正はWindows側だけ行えば良いことになります。また、Windows側を使い続けている限りは、再起動後も時刻設定は維持されます。
【06/09/27訂正】あらためて検証したところ、ネットワーク接続されていない場合に時刻が更新されないケースがありましたので、該当する記述を削除しました。
【06/10/02訂正】ご指摘により、Mac OS X側でもNTPサーバーとの通信で時刻が修正されていたことが判明しましたので、該当する記述を削除しました。重ねてお詫び申し上げます。
こちらも輝度調節ソフトウェア同様、起動項目に登録したいところですが、同じ理由の(管理者権限の昇格が必要なプログラムは自動起動できない)ため、ショートカットを時間が狂っていると思ったら起動するようにしてください。
■Bluetoothドライバのインストール
Bluetoothは若干通常のドライバインストールと挙動が異なりますが、指定さえ間違わなければ問題なくインストールできます。
1 左下のスタートボタンをクリックし、「コントロールパネル」をクリック
2 「ハードウェアとサウンド」をクリックし、「デバイスマネージャ」をクリック
3 メニューの「表示」-「デバイス(接続別)」をクリック
4 「ACPI x86ベースPC」-「Microsoft ACPI-Compliant System」-「PCIバス」-「Intel(R) 82801G(ICH7 Family) USB2 Enhanced Host Controller - 27CB」-「USBルートハブ」の順に開く
※MacBook以外ではUSB Host Controllerの4桁の番号が異なる可能性もあります。下記の「USB複合デバイス」のPIDを確認する方法を参考に、正しいデバイスを開いてください。
5 「USB複合デバイス」をダブルクリック
6 「詳細」タブをクリックし、「ハードウェアID」の値に「PID_1000」と表示されていることを確認する
7 「ドライバ」タブをクリックし、「ドライバの更新」ボタンをクリック
8 「コンピュータでドライバソフトウェアを参照します」をクリック
9 「参照」ボタンをクリックして、「(ユーザー名)」-「ドキュメント」-「program files」-「Macintosh Drivers for Windows XP」を選択し、「OK」ボタンをクリック
10 ダイアログが表示されたら「このドライバソフトウェアをインストールします」をクリック
11 「ドライバソフトウェアが正常に更新されました」と表示されたら「閉じる」ボタンをクリック
12 「新しいハードウェアが見つかりました」と表示されたら「ドライバソフトウェアを検索してインストールします」をクリック
13 ユーザーアカウント制御のダイアログが表示されたら「続行」ボタンをクリック
14 「コンピュータを参照してドライバソフトウェアを検索します」をクリックし、参照先が手順9と同じパスであることを確認して「次へ」ボタンをクリック
15 「ドライバソフトウェアが正常に更新されました」と表示されたら「閉じる」ボタンをクリック※ドライバが適用されると同時に、Bluetoothで利用できる通信機能などのインストールが行われますので、しばらく待ちます。
Boot Camp 1.1.1で提供されているソフトウェアは、Windows標準のBluetooth機能へ橋渡しをしているに過ぎません。そのため、Windows標準で実装されていない、ハンズフリー通話(HFP)やヘッドセット(HSP)、ヘッドフォン(A2DP)といった音声関係の機能は使用できません。
以上でWindows Vista RC1のセットアップは完了です。前編のさわりにも書きましたが、残念ながらiSightはRC1で利用できなくなりました。次回のドライバアップデートに期待したいところです。
何か不明な点がありましたらコメントにどうぞ。
それでは、また。
ひとつ質問させてください。
キーマップの変更のところで、チェンジキーV1.40を立ち上げると以下のようなエラーが出てしまいます。どのように対処すればよいかおわかりになりますか?
レジストリ オープンエラー!
レジストリ情報の取得でエラーが発生しました。
処理を終了します。
6 そのまま「ChgKey14」フォルダを開き、「ChgKey.exe」を選択し、「整理」-「プロパティ」をクリック
7 プロパティの画面の「互換性」タブをクリックし、「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを付け「OK」ボタンをクリック
この2つの手順を確実に行われたかどうかをご確認ください。
MacOSX側の時刻は維持されるのでしょうか?
OSX起動時に時刻合わせをしているのでは?
iSight
・RC1-5728をクリーンインストール
・Messengerをインストール(iSight確認用)
・(Messengerで)iSightの動作を確認(黒い画面)
・デバイスドライバのiSightでデバイスドライバの更新
手動でDATA1.cabを展開したフォルダを指定しAppleのドライバを上書きインストール
・BootCamp1.1.1で作成したDriverCDでドライバをインストール(途中で終了)
・(Messengerで)iSightの動作を確認(カメラ画面表示)
やっと動くようになって嬉しかったので、コメントしてみました。
確かに、Mac OS X側でも時刻が修正されておりました。申し訳ございませんでした。
記事は後ほど修正させていただきます。
残念なことに、Build 5728は2006/10/02現在connect.microsoft.comからしかダウンロードできなくなっているようです。
どなたでもできることをポリシーとして記事を書いておりますため、本件の検証記事の掲載は見送らせていただきます。しかしながら、VistaでのiSight利用に光明を射す有益な情報に、この場を借りて御礼申し上げます。
今後ともよろしくお願いいたします。
本ブログの「Boot Camp 1.1.1でWindows Vista RC1をセットアップするには(前編) 」(http://blog.goo.ne.jp/pcqanda/e/ef9dfe8533f31ec385dd8367268b7185)で抽出したドライバを用い、「Windows Vista Beta 2でMacBookのiSightを使えるようにするには」(http://blog.goo.ne.jp/pcqanda/e/d29346799d917d22837925c4cd683a40)と同じ手順で使用可能です。
情報のご提供に改めて御礼申し上げます。>Makoto様
いまさらの、御礼になってしまいますが、わかりやすいまとめを作成していただいて、大変重宝しております。ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
また、RC2での情報もいただき、重ねて御礼申し上げます。
当方でもRC2リリースということでまとめ記事を準備していたのですが、早々にダウンロードサイトはクローズされてしまいました。残念ながら、CPP向けダウンロードは無作為に抽出されたテスター向け公開だったようですね。
まだ検証しきれていませんが、現時点で分かっていることとして、Boot Camp + RC2では以下のようなことが確認できています。
・iSightが動作する(Makoto様既報の通り)
・Apple Trackpadドライバは手動で適用する必要がある
・Windows Defenderでブロックされた起動項目(例:Brightness.exeやAppleTime.exe)が、手動で起動できるようになった
Windows Vista側は、RC2リリースでほぼ仕様はFIXと思われますので、あとはBoot Camp側でどれだけ対応できるかが注目されます。
今後ともよろしくお願いいたします、