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Paraiso Bookshelf

友だちに、こんな本がよかったよとお知らせできるようにブログを始めましたが、途中で普通の日常報告&旅メモと化しています。

感傷旅行

2009年03月01日 | 本棚(ぶんがく)
『感傷旅行』
田辺聖子
ポプラ文庫
★★★

最近、田辺聖子の恋愛小説が気に入っているのと
この「ポプラ文庫」は再編ものだけど、装丁がなかなかかわいくて
田辺聖子シリーズをそろえて読んでしまった。

「感傷旅行」は芥川賞を受賞した作品だそう。
甥に恋される叔母とか、冴えない旦那さんと母を養う(?)歯科医の先生とか、かっこいいヒロインも多いし
まさに小説らしい設定も多いんだけど、そこがスカッと楽しい。




『おそすぎますか?』
『百合と腹巻』
田辺聖子
ポプラ文庫
★★★

「大阪のおっさん」との恋愛やアバンチュール(旅先での)が多く描かれるのも田辺聖子の小説の楽しいところ。
あまり小説には現れないけれど、現実にこういう人たちが普通に恋愛してるんだろうし(あたりまえか)、
なのに現実っぽくないところが楽しい。
しかし、女の人はチャキチャキ働いてて、キレイっぽいし、ちょっとかっこよすぎるか?と思う、そこがまた楽しい。
カラッと乾いていて、一日でパラッと読めて、息抜きに気に入っている。






柳生忍法帖

2009年02月01日 | 本棚(ぶんがく)
『柳生忍法帖』
山田風太郎
講談社文庫
★★★

やぱり柳生十兵衛はかっこいい。
山田風太郎は、柳生三部作としてあとひとつ「柳生十兵衛死す」を書いているそうで
この忍法帖を読み終わって、やっぱり読もう、と思った。
他の人が書いた柳生十兵衛も読みたい。
どれがいいんだろうなあ…。
時代小説にはあまり詳しくなくてよくわからない。




『謀将 直江兼続』
南原幹雄
角川文庫
★★★

たまたま一回目の大河ドラマ「天地人」を少し見たので興味を持ち、
書店の「直江兼続」本コーナーから選んだのがこれ。
だいたい、この小説は50代頃を中心に書いているのに
どうも直江さんが妻夫木くんの姿で思い浮かんで困った。
それにしても、ドラマでも主人公が直江兼続さんなだけあって、
この本でも米沢藩主の景勝さんは、全く存在感がない。




『夢のように日は過ぎて』
田辺聖子
新潮文庫
★★★
うーん、さわやかすぎるっ!
35歳で、20歳ぐらいにも見えて、潔くて、結婚とか何とか全く気にせず、数多のボーイフレンド。
しかも20年ぐらい前の小説でしょ、これ。
電話が家にあったりと、道具立ては古くとも、
美容にも気をつかって、自家製化粧水など作ったりしていて、なかなか「進んだ女」なのである。
潔すぎて、「こんな奴はおらん!」と思ってしまうのも確か。
そのぶん、マンガのヒロインのように思えて、たいへん楽しく読める。


魔界転生

2009年01月11日 | 本棚(ぶんがく)
『魔界転生』
『くノ一忍法帖』
山田風太郎
講談社文庫
★★★

『魔界転生』は、柳生十兵衛がかっこいい。
柳生十人衆や、武家の娘たちなど、ヒーローを慕う人がくっついてきていて
そこだけはほのぼのとした気分…。

「魔界」「くノ一」とも、
仰天の筋立てと、歴史的事実と、フィクションかもしれないが時代小説で定説とされているエピソードが
意外なところで混じり合って、「マジかよ」と呟いてしまうところ、多数。
この構築力が人気の秘密か。

忍法帖はここでいったんやめて、明治ものを読んでみたいぞ。


『甲賀忍法帖』

2009年01月03日 | 本棚(ぶんがく)
『甲賀忍法帖』
山田風太郎
講談社文庫
★★★

1958年に上梓するや大ブームを引き起こしたという「忍法帖」シリーズ。
昔見た薬師丸ひろこ主演の映画「里美八犬伝」を思い起こすような、
妖怪と人の間にある妖術(忍術というよりは妖術)を中心に、エロとグロが混じり合うファンタジー。
面白かったものの、正直、一冊読めばもういいか、って気もしたけど、
『百年の誤読』書評によると、『魔界転生』が傑作らしいのでそこまで読んでみようかと。


文字の都市

2008年12月30日 | 本棚(ぶんがく)
『文字の都市 世界の文学・文化の現在10講』
柴田元幸 編著
東京大学出版会
★★★

久しぶりにアカデミックな気分に。
いいなあ、文学部って…。
開くまで知らなかったが、大学時代に講義を受けたこともある藤原先生も登場している。
かなり積ん読してあったので、ひとまず
最初の章と、藤原先生の章と、柴田先生の章だけ読みました。

文学と東京「もじのとし」 マイケル・エメリック
『源氏物語』と『クレーブの奥方』のロマネスク 藤原克己
二十一世紀アメリカ小説と「家族」 柴田元幸

ああ、やっぱりいいなあ源氏物語って…。

よおく考えると2800円の本で三章しか読んでないってもったいないので
やっぱりまた読もう。反省。


『ナイフ投げ師』

2008年12月14日 | 本棚(ぶんがく)
『ナイフ投げ師』
スティーブン・ミルハウザー/柴田元幸 訳

うーん、これは読むのがちょっとしんどい短編集だった。
何年か前に柴田先生の朗読会に行って、サインをお願いしつつ
「背が高いですね、うらやましい」
「ありがとうございます」
「あなたは何が好きでですか?」
「ミルハウザーが好きです」
「ああ、ミルハウザーね、また久しぶりに一冊出しますよ」
という会話を交わしたことがある。
これはその一冊かもしれないのである!

とはいえ、最近、改めて『マーティン・ドレスラーの夢』という名作を読み直していて
それと比較すると、やや入り込みづらい。
アマゾンの柴田先生の訳本の中でもいまひとつ評価が低いのね。

でも、タイトルの「ナイフ投げ師」はやっぱりミルハウザーらしくて良かったな。


『新バイブル・ストーリーズ』

2008年11月30日 | 本棚(ぶんがく)
『新バイブル・ストーリーズ』
ロジャー・パルパース/柴田元幸 訳
集英社

柴田先生の本、何冊か積んである(汗)
今日は、気になっていたバイブル・ストーリーズを読めました。
ロジャーさんは、日本に住むオーストラリア人で、著書リストを見ても、かなりの日本通。
聖書という、誰もが知っているけど日本人はおそらくあまり読んでない(と思うのだが)、しかし一度は読んでみたい本は、書きがいがあったことだろうと思う。
(世界一のベストセラーだ、という冗談もあったな)

一気に読み終わって、柴田先生が解説に書いている「キリスト教またはユダヤ教の聖典」ではなく、「ユダヤ教の神についてすらまったく知らなかった民衆が語り継いだ」「みんなの物語」という意味がわかった。
(いつも訳者の解説を先に読んでます)

「サムソンとデリラ」や「良きサマリア人」など、一般教養をもう一度知り直すにも良い。


『私たちがやったこと』
R.ブラウン/柴田元幸 訳
新潮文庫

風呂で読むには、不適切な本だったかも…
短編集だが、「あなた」をはじめとする登場人物が像を結ぶまでのもの静かな時間は、共通しているよう。



『パレオマニア』

2008年10月14日 | 本棚(ぶんがく)
『パレオマニア 大英博物館からの13の旅』
池澤夏樹
集英社文庫

池澤さんの「物語」が好きで、熱烈なファンというわけじゃないのだが、読むと必ず「いいなあ」と思う。
今回のは変わった物語だった。
偏屈で、自由がある男が大英博物館を起点に世界を旅する。
池澤氏の分身らしい。

『闇の子供たち』
梁石日
幻冬舎文庫

変換するかなあ、と思いながら変換したヤン・ソギル。
ということは、私は梁石日氏の小説を読むのが初めてらしい。
映画を見たという友人の言葉を思い出しながら買い、読み出すと止まらなかった。
文明が進むほど、恐ろしい目に合う子供たちは増えるのだろうか。

『犬身』

2008年08月24日 | 本棚(ぶんがく)
『犬身』
松浦理英子
朝日新聞社

かなり前に初版で買ってあったのを、やっと読んだ。
だってハードカバーでやや厚みがあって、出張にも通勤にも持って行きにくいんですもの…。
しかし、読みたい本はハードカバーが多くて不便である。

「親指P」などに比べると、「新たなセクシュアリティ」というほどにはセクシュアリティ満タンではなかった。
梓と梓の家族は、財力があるからか、不幸ながらもゆったりと暮らしている。
毎日のあくせくした仕事にふらふらしている身としては、優雅な物語にすら思えた。
しかし、優雅な病とはいえ、犬になった主人公が一番幸福なのは間違いなく。
つまり、ハッピーエンドなわけです。

「天璋院篤姫」

2008年08月17日 | 本棚(ぶんがく)
『天璋院篤姫』
宮尾富美子
講談社文庫

なぜか急に読みたくなっての「篤姫」である。
読んでる間は楽しかったが、江戸幕府の事情があまりわからないのが少し欲求不満。
でも、大奥から見たら、まさしくそんな感じなんだろうな。
幕末の歴史に通じた人が裏側の話として読んだら面白いだろう、と思った。


『ハリー・ポッターと死の秘宝』
J.K.ローリング/松岡佑子訳
静山社

ついに来た、最新刊。Amazoneで予約して、発売当日に手に入れて、クソ重いけどAmazone特製のカバーをつけて、通勤中に読みましたよ。読む時間なくて(泣)。
もっといいファンタジーはほかにもあるとか、あの結末はヒドいとか、ハリーのひがみっぽいいらだち描写が耐えられないとか(あ、そこまでは言ってないのか)、いろいろ言われてはいるけど、この最終巻が出るまでの楽しみはやっぱり他の本にはないものだったと思う。
またしばらく経ったら読み返そう。

続きを待つといえば、今日はフロストの最新刊を見つけたのだった。これまた、通勤の楽しみに取ってある。