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Paraiso Bookshelf

友だちに、こんな本がよかったよとお知らせできるようにブログを始めましたが、途中で普通の日常報告&旅メモと化しています。

アンドロイドは2019年に生まれるか

2015年01月14日 | 本棚(ぶんがく)
なつかしシリーズ、「ギャツビー」に続いてかりてあったのが
久しぶりに見ようと思った
「ブレードランナー」だった。

ちょっと前に、バックトゥーザフューチャーの舞台設定が2015年だった、というニュースのマクラコトバを聞いて印象に残っていたが
ブレードランナーの冒頭は

2019
Los Angeles

もうすぐやないかー。

オリンピックより近いやないかー。

あーびっくりした。

昔見た映画の近未来を軽々と超えていく。

そんなことが文学的な気がして悦にいった映画でした。


銀座のカラス

2015年01月12日 | 本棚(ぶんがく)
正月休みに実家から掘り出してきて
椎名誠の『哀愁の町に霧が降るのだ』『新橋烏森口純情編』『銀座のカラス』三部作を読んで
「わはは」と笑ったりしている。



銀座のカラス〈上〉 (新潮文庫)

1991年に発売された私小説(あくまでフィクションということである)で、
今読むと、携帯電話がないのがなかなかもどかしくも潔くて
特に新雑誌を企画して手作りカンプを徹夜で作る、なんてところがサワヤカで良い。
この三部作、解説によると「本の雑誌社」を作るところまで予定していたらしけど
結局続きは出なかったのだろうか。

「本の雑誌社」での椎名さんたちの様子は群ようこさんの『別人群ようこができるまで』で読むことができる。


別人「群ようこ」のできるまで (文春文庫)

これも、若者の仕事への必死さが伝わって若い頃共感して読んでいた本。
今も若さを忘れないために(?)とってある。


ついでに懐かしいシリーズ

宇宙カジノ略奪作戦 (ハヤカワ文庫 JA 160 高飛びレイク・シリーズ 1)

高飛びレイク!もー「ミッションインポッシブル」なそのままハリウッド映画にできそうな世界が
読んでいて懐かしかった。
実家では、母の本『白蓮れんれん』(林真理子)と『影法師』(百田尚樹)を読みました。




華麗なるギャツビーを見て

2015年01月12日 | 本棚(ぶんがく)
TSUTAYAのDISCUSに登録していて、借りてあった
『華麗なるギャツビー』(2014年発売のレオ&トビー版)を見たところ
期待以上によかった。



映画を見て、改めて文学的な良さに気づいたというか……
触発されて家にあるアメリカ文学を拾い読みし、もちろんギャツビーもひっぱり出して読み直す。



グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)
スコット・フィッツジェラルド/村上春樹訳




華麗なるギャツビー (角川文庫)
フィッツジェラルド/大貫三郎訳

角川文庫版は、確か大学生のときに買ったんだと思う。(なので、もちろん表紙が違う)
ジョン・アーヴィングの『ホテル・ニューハンプシャー』でリリーが愛した小説だったからだったと思う。
正直、どちらを読んだときも「なるほどな、こういうのがアメリカで偉大な文学なのか…」というぐらいで
それほど感動を覚えなかったのだと思う。
しかし、映画を見て、メイキングで出演者やスタッフがこの小説への尊敬を表すのを見た後では
小説も違って見えた。

映画では描けない行間が多いからだろうか、
それだからこそ文学がわかるっていうことはあるものだなあと思い、とても得した感のある映画だった。


ホテル・ニューハンプシャー〈上〉 (新潮文庫)

『ホテルニューハンプシャー』で、主人公の妹リリーは
この小説の終りより良い終りは書けないと嘆き、「パパはギャッツビーよ」と泣く。

行ってきました、柴田元幸書店

2014年12月30日 | 本棚(ぶんがく)
ジュンク堂の柴田元幸書店、行ってきました。


買いたくなる本はいっぱいありましたが、
今日はジャックロンドンの『火を熾す』を買うと決めていたので(たまたまAmazonで品切れ風だった)
目的の『火を熾す』と
「野生の呼び声」の柴田先生訳が読めるというMONKEY4号を買う。

『不思議の国のアリス』も読んだことないなと思って買う。
金子國義先生挿画の新潮文庫版。

「野生の呼び声」も、(あれ「荒野の呼び声」だったっけな)読んだことなかったなと思って、家に着いて読み始めたら、止まりません。

バック!!
素敵すぎる。
犬も猫も好きだけど、飼うなら、できるなら犬がいいと思う「犬派」の私には
犬の素敵さにときめく小説でした。

しかし『火を熾す』は、同じく犬が出てくるらしいけど、人間を追い詰める話のようなので
読み始めるのに少し覚悟が必要で
まだ読み始めていない。

若い同僚へのおすすめの本

2014年12月27日 | 本棚(ぶんがく)
ジュンク堂書店で、柴田元幸書店が行われているという。
行こう行こうと思いながら4ヶ月ぐらい経ってしまった。
教えてくれたのは若き同僚で、彼女も柴田元幸ファンでありながらまだ行ってないらしい(笑)

私は、明後日には行こう、と心に決めている。

そこで、彼女が「おすすめの本を教えてください!」と言ってくれたので
日記に書いてみました。

まずは、きっかけとなった柴田元幸先生翻訳の本から。

『マーティン・ドレスラーの夢』
スティーブン・ミルハウザー/柴田元幸訳
白水uブックス



読んでいるとアメリカの映画を見ているような、情景が浮かぶ小説です。


『死んでいるかしら』
柴田元幸
新書館



ハードカバーは絶版らしいですが、文庫化されているところが嬉しい。
新書館のエッセイシリーズの中でも、一番気にいっていて、声に出して笑った本です。


『高慢と偏見』
J.オースティン/阿部知二訳
河出文庫



有名な小説だからいくつか翻訳が出ているのですが、やや古めかしい阿部訳が最も味わい深い。
オースティンはイギリスの文学少女の愛読書の定番だそうで、何度か映画化されていて
さすがの面白さです。


『生きるコント』
大宮エリー
文春文庫



電通(たしか)出身で、映画監督で、小説も出している方で、全部は読んでいないけど
このエッセイは文句なくおもしろい!笑える! 人の才能の可能性を感じさせてくれる本です。


『父の詫び状』
向田邦子
文春文庫



これは、アラフィフあたりの文学少女の定番かなあ……
国語の教科書にも載っている正統派のエッセイですが、仕事が好きな女性にとってはじんとくる一冊じゃないかなと思う。


『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』
村上春樹
新潮文庫



村上春樹はあまり合わないかも……とのことでしたが、私が最もよく読み返した本として挙げました。


『ひとがた流し』
北村薫
新潮文庫



北村薫さんは、ミステリー作家と言われることが多いのかなと思いますが
小さな事件を密やかに描く物語が多く、文学的なミステリーとも言われています。素敵な日本語が読めます。
もうひとつ、『覆面作家は二人いる』シリーズも、コメディーで読みやすく、でもやはり趣深くておすすめです。


『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
ジョナサン・サフラン・フォア/近藤隆文訳
NHK出版



これはすごく映画がよくて、映画を見た後で読みました。
本も幼い子供の必死さがつたわって、切迫感があってよかった!でもどちらかというと映画がおすすめかも。


『レンタル』
姫野カオルコ
角川書店



好きな女性作家というと一番に思い浮かぶのが姫野さんです。私はやや変人のヒロインに共感しまくりで
こんな作家はほかにいない、と大ファンですが、他の人にはどうだろう……と一瞬の躊躇が(笑)
でももし読んでみるならこの本が一番おすすめです。


『丸元淑生のシステム料理学』
丸元淑生
ちくま文庫



からだにいい食事について色々考えることができる、そして実践できなくても
「日本の食」に関するエッセイとして読み応えがある料理本。


『デイヴィッド・オグルヴィ 広告を変えた男』
ケネス・ローマン/山内あゆ子訳
海と月社



広告に関する本は仕事と思って読んでいますが、広告に関する仕事をしている人なら
ミーハーに、伝記として楽しめるんじゃないかなと思います。これもまた映画のような本です。


『ひとりでは生きられないのも芸のうち』
内田樹



哲学の先生で文学にも詳しく、時事評論もおもしろく、評論は人それぞれに好みがあると思いますが
柴田先生との対談もしていたりする方なので、フィットするのではと思い選んでみました。
かなりたくさんエッセイがありますが、この本と『こんな日本でよかったね』が特に好きです。


『本の本』
斎藤美奈子
筑摩書房



書評家の中で一番(というほど書評は読んでないのですが)好きな評論家です。
読んでいて「ははっ」と笑えるところが随所にあって、いろいろな本を読んでいます。
どれから読んでもいいけれど、一番分厚い、いろいろな本の批評が載っている本書を挙げました。


あと、昔はよく翻訳ミステリを読んでいたし
よく読み返す本は「ハリーポッター」シリーズだったりします……。

それでは良いお年を!


明治大正、歴史の巻

2014年07月10日 | 本棚(ぶんがく)

「『坊ちゃん』の時代」
関川 夏央, 谷口 ジロー
双葉文庫
☆☆

何度か読み返すとだんだんよく読めてくる、谷口ジローさんの漫画はそんなところがある。
買ったのは初めて。しばらく熟成させてみよう。



『吉原花魁日記』
森光子
朝日文庫

確かHONZで見て、Amazonで中古探して、買った。足抜けして白蓮さんのところに飛び込んだというからどんなひとなんだろう、と。
意外なことに、すごく読みやすい。
いろんな修行を積んだんだろうな。
興味本位の読書だったけど、解説が斎藤美奈子さんだったので得した気持ち。




『仕事に効く 教養としての「世界史」』
出口 治明
翔泳社

ビジネスパーソンが学びたい教養は日本史と世界史だそうで、
まさにそのニーズを切り取った、
というか、鋭く切り取られた私でした。
教養っぽいこと読むのって楽しいじゃないですか。
通勤中に、何サイクルか読んでます。

※どの本も文学じゃないのですが、なんとなく文学にまとめました。



読書メモ(ぶんがく)

2012年07月08日 | 本棚(ぶんがく)
『学問』
山田詠美
新潮社

書き手によって、子ども時代の話はとてもスリリングになる。
読んでいて、姫野カオルコさんの「ツイラク」を思い出した。




『ダブル・ファンタジー』
村山由佳
文藝春秋

『四十路越え!』でおすすめされていたので。
もう、表紙通りに性愛がテーマなんだけど…
なかなか苦しいものであるなあ、という感想。




『トム・ソーヤーの冒険』
マーク・トウェイン/柴田元幸 訳
新潮文庫

読んだことがなかったし、柴田先生の訳だし、迷わず買いました。
ペンキ塗りの話が有名だけに、全体にもっとのどかな話かと思っていたけど
意外におおごとが多くまさに「冒険」だった。
次はハックルベリーですね。



やっぱり読まずには…

2012年04月09日 | 本棚(ぶんがく)
『1Q84 BOOK1』前編・後編
村上春樹
新潮文庫

待ちに待った、&もう3年ぐらい経っちゃったかー、の
村上春樹長編。
村上春樹の本は、お風呂に持って入ったりして何度も読み返すので
単行本で買わずに文庫で持つ方が私は好きだ。

BOOK1は、さてストーリーらしいストーリーがあったかな、とも思うぐらい
まだ序章に過ぎない感バリバリ。
しかし、何度も読み返してしまうのは
キャラクターたちの会話や行動を追うことを
楽しめる本だからでしょうね。
ただ、サスペンスの匂いというか
とてつもなく恐ろしいことが起きそうで、怖いんですが。

ともかく、BOOK3まで三ヶ月、楽しめます。



『あの川のほとりで』上・下
ジョン・アーヴィング/小竹由美子訳
新潮社

私にとって、読まずにはいられない第二弾、ジョン・アーヴィング。
ただ、いつもかなーり時間をかけて読みます。
いつ文庫になるかわからないので(とはいえ、ちゃんとなるんだけど)、単行本で買う。

帯にもあるのでネタバレしてもいいと思うので書くが
比較的最初の方で少年が熊と間違えて、父の愛人を殴りころす!!
この、ありえない、暴力と愛の癒着(?)がいかにもアーヴィングらしく
「あー、そう来たかー」としばし瞑目。
(私は帯を読まずに読んだのだ。有隣堂さんは、カバーをくるんでくれるので)

正直、あまり大きな興奮はなかったのだけど
最後までアーヴィングらしい世界だった。




ぶんがくが何でもいいってわけじゃない

2011年09月05日 | 本棚(ぶんがく)
『ロビンソン漂流記』
デフォー/吉田健一訳
新潮文庫
★★

ロビンソン・クルーソー、有名な話だけど読んだことなかったのと
吉田健一の訳した本を探したら、これだった。
ロビンソン、なかなか我がままな人物ですな。
しかし、無人島に一人になってからの精神力はすごい。
あきらめない精神は、どこから来ているのか…謎。
同時に、島に猛獣が住んでいたら、生き延びることは不可能なわけで
人間って弱いものだよなあ…と思ったりもする。
しかし、これ、訳すのも精神力がいりそうだ。
全編ほとんど、「私が」どうしたこうした、という説明だから
(なんせ、他の人がいないんだから!)
なかなか読み続けるのも苦しかった。

“我々は罪を犯すことは恥じないが、それを後悔することを恥ずかしく思うのである。”




『マノン・レスコー』
アベ・プレヴォー/青柳瑞穂訳
新潮文庫
★★

椿姫などの下敷きともなっている恋愛小説だが
昔に一度読んだときはどう思ったのか思い出せず、
(実家の倉庫から発掘してきたので昔読んだはず)
今、この歳で読んだためか
何たるアホな若者だろうか、
しかし徹底してるなあと思いながら読んだ。
愛(というよりか欲情?)が暴走して監獄に入れられるので本物だ。
そうか、若者の愛の暴走の原型として価値の高い小説なのかもしれない。
オピタル・ジェネラルという、娼婦や不良少女を収監した監獄があったというのが
新たに得た知識。
読んでてもマノンは娼婦なのかただの不良なのか
よくわからなくて、どこが魅力的がわからない…。
そして、アベ・プレヴォーの一大巨編、「ある貴人の回想録」の合間の短編、
いわゆるスピンアウト作品が、一番有名な作品として残ったことも興味深い。


私が持ってるやつはもっと地味な装丁でした。


『聖なる予言』
ジェームズ・レッドフィールド/山川紘矢+山川亜希子訳
角川文庫
★★

友達との読書会の中で話題になって、読んだ本。
…だけど、今の自分にはあまりピンと来ない小説だったみたい。
アマゾンで、そういう評を見かけたんですよね~
自分が常に考えていることにフィットすると
すごくノレるけど、時期によっては感じにくい、と。
人とのつながりや、つながることによる喜びはわかるものの
私は、まだ「スピリチュアル」な領域からは少し遠いようだ。




『新バイブル・ストーリーズ』
ロジャー・パルバース/柴田元幸訳
集英社
★★★

再読メモ。
「聖おにいさん」を読んでると、聖書の知識がちょっと必要になるじゃないですか。
(いや、必要はないか)
で、この本を読んでいたので、だいぶわかって嬉しかったんですよね。
(バベルの塔の話とか)
西洋の本を読んでいると、しょっちゅう聖書の話が出て来るわけで
再び、読みたくなってきて読んだ。
普通のハードカバーとして売られているけど
小学生向けに作ってもいいんじゃないでしょうかね。
そして、ブッダの弟子たちのエピソードを
同じように、わかりやすく教えてくれる本があれば読みたいなあ。



なぜ芸能人の本を読むか

2011年08月28日 | 本棚(ぶんがく)
『京大少年』
菅広文
講談社
★★★

以前、友人にかりて『京大芸人』は読んでた。
久しぶりにブックオフに行ったら、「芸人」「少年」並んで105円で売っていた!
先週ロザンのライブを見た余韻を味わおうと、即購入。
芸人には詳しくないけど、コントや漫才を見るのは好き。
この本全体がネタなんですね~。
一気に読んでしまった!相方の偏屈ぶりをいじる筆致に共感。
著者もかなり偏屈なはずなんですけどね。

相方がかしこいのは(テストで100点とれるのは)
「人の話は目を見てじっと聞け」と躾けられて
先生の話を、先生の目を見てじっと聞いたから、ってのが
すごい説得力!

オチなし。




『パパはマイナス50点』
小山明子
集英社文庫
★★★

制作をお手伝いしている『介護のことがよくわかる本』という雑誌に
小山さんのインタビュー記事が載ったことがあり、編集の参考に購入、
夫である大島渚氏の介護についてのエッセイだ。
介護は誰にも関わる話だから、多くの方が共感したり
励まされたり、将来の参考になったり、本当に有用な本だろうと思う。
私は、小山さん、さすがいい女だなあ、と思いながら読んだ。

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つらくて、悲しくて、胸がはりさけそうなとき「にもかかわらず」笑う。

「私だって一生懸命やってるのよ、いい加減にして!」と怒鳴り返したいところをグッとこらえて深呼吸し、「にもかかわらず、にもかかわらず、にもかかわらず」と心の中で三度唱えてから、こう言ってみた。
「昨日のパパは100点だったけど、今日はマイナス50点よ」
 夫は一瞬きょとん。それからクスリと笑い、放り投げようとアタマの横まで振り上げていた本を、テーブルに戻した。

自分の中のユーモアセンスを必死で総動員して、さらりと受け流す。すると、高ぶっていた夫の気持ち一気にクールダウンする。
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こういう切り返しができる人って、本当に「おもろい」人なんだと思う。
しかも、「にもかかわらず」という状況の中で。
そして、大島渚氏の人格の素晴らしさが伝わってくるところもいい。
不謹慎だけど、いわゆるそんな「モテ本」として読めた。