フェルベールさんのブースに行くと、必ず誰かショコラティエが。
JPE氏はずっとなにかを話しかけている。プラリュさんもいた。エルメ氏もいた。
どこか女王の風格のあるフェルベールさん。その人のそばにいて
ひときわ「妖しい光」を放つ人がヴェロさんだ。今回展示されている作品は、離れて
みているときれいでかわいい感じのするものが多い。添えられた詩も、日本語で
とても美しく表現されている。そして、絵に近づいていくにつれ、ボタンやビーズ、
刺繍や小さい布切れが見えてくる。とても繊細な表現だ。聞けば、下地は藍染のように
アルザスの草木で生地を染め、その上から絵の具で色をいれ、さらに装飾をしていくそうだ。
絵を見ながら、フランス語でその詩を読んでもらった。あまりにもきれいで、体中がぞくっと
してきた。周りの騒音が一瞬しんと静まりかえった。
「今日は私の誕生日なの」 ヴェロさんがニコっと微笑んで言った。