ラ・メゾン・デュ・ショコラのランクス氏と話をした。
ショコラにすべてをかけた人の言葉は哲学的だった。
何年か前にインタビュをしたことがある。ランクスさんは
そのことをよく覚えていてくれた。
「同じ仕事を続けていくということがいかに難しいことか。
今日あなたに再び会えたことは、私もあなたも同じことを
続けていられたからです。このことはとても大切なことです。」
「私の人生は、人から愛されること、そして人を愛すること
これがすべてです。ショコラを楽しむということは、技術そして
素材を見る力、味覚すべてが必要です。そして何より自分ひとり
でこれをつくりだすことは出来ません、周りの人たちの
共同作業によって成り立っています。ここに愛がなければ、
おいしいショコラは存在できないのです。」
たった一粒のショコラにこんな想いを語れるひとに初めて
出会った気がした。