オヤジ自覚日誌

最近オヤジを自覚する36歳サラリーマンの徒然なるままの日誌。
汗は臭くなったが、若者にはまだまだ負けんぞ!!!

「ダイエーの蹉跌」を読んで思う事

2005年05月10日 08時18分11秒 | Weblog
今回図書館から借りた5冊の本は読みごたえがあって返却期限を延長して読んでいる。
(他の利用者の方、すいません)

先般読み終わった大沢在昌の「ニッポン泥棒」はストーリー自体が非現実的で無理があり、僕的にはイマイチ。

今、読んでいるのは
「ダイエーの蹉跌・企業参謀の告白」
という本。
ダイエー再建で当時の高木社長が強く請うて引っ張ってきた平山副社長(営業統括)の参謀が著者。
未だ3分の2位しか読んでいないが中々興味深い。
一連のダイエー再建のニュースを見ていたら、あの高木社長ってのは必死に再建に奮闘してるのかなと漠然と思っていたが内幕はそうでもなかったのね。
まぁ社長一人の責任でなく関連会社を含めたダイエーグループが根の深い病巣に何等手を打てなかったのがダイエーの今日に至っている。

この本を僕なりに解釈するとダイエーの病巣は
1.縦割り横割りの複雑な組織編制と硬直化
2.グループ会社のもたれ合い構造
の2点に集約されるのかな。
1に関してはお店という現場から本社のトップまでに様々な職制を通過する為、現場の実情が正確に伝わるケースが皆無との事。
また、本社サイドの商品部のバイヤーが仕入先とのリベートをプールしておき、バイヤーは店側に対しそのプールした利益をいくら供給するかの裁量権を持ち店側に対し非常に大きな影響力を持っていた。
現場を知らない本社サイドのバイヤーが店側より強く、店側の売れる商品の供給が疎外されていたという事。
例としては北海道の様な寒冷地は夏場でも長袖衣類の需要が有るのに画一的な商品展開で半袖しか置いておらず機会損失を招いている。
こんなナンセンスな事がずっとまかり通っていたのだと。

その原因でもあるのが2のグループ会社のもたれ合い構造。
グループ会社には商品仕入・物流・店舗改装新築・オンラインシステム等様々な分野にはびこって既得権益を離さないのだと。
商品仕入も関連会社の縛りがありコストオン、物流も関連会社経由でコストオン、店舗改装も市中より2~3割高等、スーパー業界の肝の部分を全てグループ会社に握られ身動きがとれない。
だからダイエーは品数は多いが欲しい物は無い、食料品は高いが新鮮じゃない等の評判が覆せない。

改革を図ろうとするとそれを阻害・阻止する勢力がそこらじゅうに溢れ出しなし崩しになってしまうのがダイエー再建の数年間であったそうだ。
本の中にもあったが、田中真紀子氏が外相時代に
「やれやれと言うからやったのに、その人がスカートを踏んで前に進まない」
という状況だったそうだ。
結局、この再建の為に呼ばれた二人は読んだ本人からその任を解かれダイエーを去ったのだ。
その後のダイエーは周知の通り。
最終的に1番悲惨なのは再建の為に奮闘した一般社員。
受け皿がどこになるかとかすっかり受け身。
雇用維持も不安な状況。

ダイエーって日本の官僚組織にも似ている。
ダイエーは経営破綻したから強制的に改革が進むだろうが、国は戦争に負けたり革命が起きない限りダメなんだろうね。
はぁ~。

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