いつも恐羅漢スキー・スノーボードスクールをご利用いただきありがとうございます。
大変遅くなってしまいましたが、2月12日(日)に実施しましたクラウン・テクニカルプライズテストの講評をさせていただきます。
今回受検された皆様には、スムーズな検定会の運営にご協力をいただきありがとうございました。
そして、クラウンプライズに合格された伊藤桂一さん、おめでとうございます。
当日は、最高のバーンコンディションで検定会を行うことができました。また、積雪の多さによって斜度も多少緩くなっている状態で、プライズテストとしてはやさしいバーン設定になったと思います。(不整地以外は。)
このようなバーン設定ですので、「コースマネジメント」や「滑走スピード」がプライズとして評価できるものであるかどうかが評価の基礎になります。
今回は、大回り種目でターン弧が小さくなってしまい、結果スピードにのれないケースやスピードを抑えて滑ってしまっているケースなど、もう少し積極的な滑りが求められる方が多かったようです。
また、技術的な評価のポイントとしては、『的確なポジショニング(身体とスキーの位置関係)と重心の移動によって雪面(斜度や雪質等)に適した角づけがつくられ、効率的にスキーに重みが伝えられ、スキーがターン弧を描きながら落下しているかどうか』が評価のポイントになります。
そのために最も大切な要素のひとつが、「長い体幹(体軸)」でスキーに対してきちっと重みが伝わっているかどうかです。スキーの向きと身体(腰)の向き、位置がうまくマッチしていないケースが多く、スキーに重みが伝わりにくい状態になっているケースが多いようです。
また、このことがスキーに働きかけるタイミングを狂わせ、フォールラインを通過してからやっとスキーに重みが伝わっている方がほとんどで、結果、山まわりが強いターンになってしまいます。
不整地小回りは、今年もかやばたゲレンデで実施しました。かなり深くえぐられたコブで厳しいバーン設定になりました。
コブでもっとも大切で基本的な要素は、「左右」と「前後」のバランス(ポジショニング)です。コブ斜面の場合、常に「左右」「前後」にスキーに対してのポジションを動かしつづけなければなりません。今回の検定では、スキーに対して前後のポジションが一定のため、スキーがコブの底から抜け出しにくくなり、スキーが止まってしまうケースが多かったようです。
今回クラウンプライズに合格された伊藤桂一さんの滑りは、的確な重心移動によって、スキーに重みがうまく伝わっています。結果として斜面、スピードにマッチした内傾角がうみ出され、そして、スキーの走りや抜けも表現された滑りでした。本当におめでとうございます。
今後のますますのご活躍をお祈りしております。
検定後、テクニカルを受検された方(Hさん)が、「どうしても恐羅漢のかやばたのコブを滑って、テクニカルを獲りたいんです。」とおしゃっておられました。
「かやばたのコブ」が大きな目標になっていました。これこそが「自然が相手」「自分との戦い」のスキー検定会の魅力なのかもしれません。検定員として身の引き締まる一言でした。
今シーズンもいよいよ終盤になりましたが、まだまだ恐羅漢はいいコンディションです。いいイメージでシーズンをしめくくるために、ぜひ、恐羅漢スキー&スノーボードスクールをご利用ください。
スタッフ一同お待ちしております。
主任検定員 副校長 二 見 重 幸
クラウンおめでとう!! 伊藤桂一さん