杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

EMだんごを投下する前に考えて欲しい事

2010年12月03日 | EM

 

(「はてなブログ」に引っ越しました。該当エントリーはこちらです。)

 

EMだんごによる環境浄化運動について以前このようなエントリーを挙げたのですが、今も相変わらずあちこちでEMだんご作りは行われているようです(→例えばこれなど)。
こういう子供を巻き込んだ環境運動というのは、そもそもそれを子供に教える大人の存在というものがある訳ですが、それを考えた時、私はいつもこういう疑問を抱くのです。
ここの学校では、いったいどのような環境学習が行われているのだろう、と。

EMだんごについては、COP10で配布された〔株式会社EM生活〕発行の資料(pdf)の中のp.20に以下のような説明がなされています。
 

【EM団子が川底に沈み、水の中でゆっくりと崩れてゆくと、団子の中のEMが水の中に飛び出し、微生物環境のバランスを整えながら安定した浄化作用を発揮します。

浄化活動を行っている人達は多分ほとんどの人がこの説明を鵜呑みにし、そしてその効果を期待し、或いは信じてEMだんごを作り川に投下し、その模様をホームページなどで報告していきます(一例)。
そしてこのようなサイトを見た人がまた、自分達も試してみるという様にして広まっていく訳です。

この活動の一番の問題は、EM効果を信じた人がそれを「善い事」であるとし、それが周囲も巻き込んで地域一帯の活動に拡大していくという事です。
勿論この活動がちゃんと実証されたデータに基づいて行われているのならまだいいのですが、活動の多くは、他の地域を参考にした単なる伝聞情報に基づいているだけというのが実情です。
そもそも当人達は、果たしてどこまで環境や微生物について学習しているのでしょうか?

とある実例を紹介します。
これは平成21年度、仙台市立大野田小学校の5年生が行った「笊(ざる)川クリーン大作戦」という環境学習の中の、【有用微生物群大実験】のレポートです。
生徒達は笊川を綺麗にしようと、インターネットを使ってその方法を調べます。そしてそこで「有用微生物群」と出会いました。
これを撒けば川が綺麗になるのでは?と彼らは考え、早速それを作ってみる事にしました。
これはヨーグルトなどから自分達で作るというもので、これは多分製品のEMではなく「えひめAI-2(マイエンザ)」ではないかと思われます。
そしてこの「有用微生物群」は無事完成します。
それから彼らはどうしたのでしょうか? 
他の学校の例に習い、それを川に投下したのでしょうか?

彼らの記録をじっくりとご覧下さい。

【有用微生物群実験隊】(←クリック!)


彼らはこの実験で、多くのことを学びました。そしてこれこそ、本来子供に教えるべき当の大人達が学んでいなければならない事だったのではないでしょうか。
ここでもう一度、彼らの「学び」を紹介しましょう。
この赤字部分を、今現在EMだんご活動をしているすべての人にぜひとも読んでいただきたい、そしてだんごを投げ入れる前にこの事をもう一度考えていただきたい、私は切にそう願うのです。


  
  


※この大野田小学校の「笊川クリーン大作戦」は、「第17回マイタウンマップ・コンクール時事通信社賞」と、「2009年度東北・水すまし賞」を受賞しています(→こちら)。



24 コメント

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頂けないようですね。 (たもん)
2013-05-28 17:18:23
どうも水質浄化能力のあるEMだんご作りに自信のある方はいないようですね。
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どなたか効果のあるEMだんごを (たもん)
2013-01-08 11:20:12
どなたか河川の水質浄化能力のあるEMだんごを頂けませんか。
いただいたEMだんごで汚染水がどの程度浄化されるか水槽やバケツで試験してみますのでよろしく、お願いします。
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EMの問題点は人? (たもん)
2013-01-06 11:24:26
OSATOさん

そうですね。EMの問題点をもっと追求するのは必要でしょうね。
曖昧なことがあまりにも多すぎるように思います。
どうも、これまでのEMの経過をみると商品としてのEMは危険なものではなさそうですが、それを推し進めている開発者や信奉者の言動に問題の根がありそうです。
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参考にして下さい (OSATO)
2013-01-05 00:11:05
>たもんさん

ご紹介のウィキはもちろん私も存じていますが、ここはEMの問題点をうまくまとめてありますのでぜひじっくり読んでいただきたいと思います。
正直、このウィキを作ったのがどなたかは分からないのですが、中では私のブログ記事も多数引用されており、私と同様にEMを疑問視していたのだろうと思っています。
私としましてはこれからも側面から支援するつもりで、EMの問題を追及していこうと思っています。
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ここにまとめてありました (たもん)
2013-01-04 23:46:31
OSATOさんご返事いただきありがとうございます。
ここにEMのまとめがありました。
http://w.livedoor.jp/em_matome/
よくまとめられているので感心しています。
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改善事例をよく見れば… (OSATO)
2012-12-25 23:57:05
いらっしゃいませたもんさん、初めまして。

>池やドブ川の水質改善の情報はないものでしょうか。

「EMだんご 沼」などで検索してみれば結構見つかりますよ。
ただその中で、改善されたと言っているのはEM信奉者の人が多いですから、その報告をそのまま鵜呑みにするのはお薦めしません。
たとえば以下の事例など。↓
http://www.emkanto.net/mijika/suisitujyoka/100428/100428.html
一見EMだんごで改善されたかの様に見えますが、最後の「まとめ」をよく読んでみると、
 >湧水の復活との相乗効果で
などとさらっと書かれています。
こういう所が実は大事なのですが、どうしてもEMの効果だけを強調する報告ばかりになってしまうのが問題ですね。
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EMだんご (たもん)
2012-12-25 14:26:43
EMだんごで河川や海の水質改善が可能なら、より水量の少ない池ではその効果は大きいと思っているが池やドブ川の水質改善の情報はないものでしょうか。また放射能の軽減が可能なら立ち入り禁止区域がもっと早く減少してもよさそうに思う。少し前には牛の口蹄病にも効果があるように比嘉さんは言っていなかった?アトピーにも癌にも効く万能微生物EMがなぜノーベル賞を貰えないのか?不思議に思う。もしかしたら近々ノロウィルス撲滅効果を言い出すかもしれないな。まあ比嘉さんはEM教の教祖だから何を言っても信者には有難いお言葉なんでしょうね。だれかEMだんごを一つ分けてくれませんか、熱帯魚水槽の水質改善に効果があると思うのでよろしく。
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困ったものです (OSATO)
2011-05-16 22:12:08
いらっしゃいませ北九州島田さん。
高津川のEM活動についてはこちらで紹介されてますね。↓
http://www.pref.shimane.lg.jp/masuda_kendo/tsuwano_doboku/heartful-shimane/chiiki_volunteer_katsudou_shoukai.html
ここを見る限り、北九州島田さんが仰るとおり高津川は「清流」ですよね。別にEMだんごを投入する必然性が何もありません。
婦人会の方々は〔環境活動=EMだんご〕という単純な固定観念に取り付かれているようです。小学校の環境学習も、一体何を教えているんでしょう?
こういう思考の固定化というのがEM信仰の怖いところなんですね。
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高津川のEM騒動 (北九州島田)
2011-05-16 13:34:37
島根県高津川は日本一きれいな川と認定されています。この日本一を守るため柿木村と婦人会が昨年川にEMを投入したのです、その結果川の苔が飛び鮎のエサがなくなり鮎がいなくなりました。今年もまた投入の計画があるので私が反対しています、わたしは単に釣りバカですがこのホントのバカどもにはまいります。そもそも清流日本一の川になんでEM団子や、EM信者恐ろしいです。
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迷われる方がいらっしゃるといけませんので・・・ (さいしんじょうほう)
2011-01-06 04:29:38
Unknown (さぬき)2010-12-20 16:34:56さん、の思いはわかりましたが、

さぬきさんの指摘?部分で、迷われる方がいらっしゃるといけませんので、私の知っている範囲と意見を記載します。

◇私もEM活動を見学させてもらいましたし、市に資料を頂いたりしました。>EM活動を見学しただけで、EMを理解できる方がいらっしゃるのですね。
EMは、EMを培養し、使って、様々な現場のボラ活動などをして、わかることも多いと思います。

◇市に資料を頂きました。>http://www.ecopure.info/topics/topics_059.htmlで使われた資料でしょうか?
EMの活動は、EMの事例集に掲載されている活動は一部です。各自治体主催の環境イベントでも、環境資材としてEMを取り入れた発表は多くあります。
生徒に限らず、まちづくり活動の一つとして、EMでの環境浄化なども行政と協働で行われています。EM1は環境改善資材として広く普及しています。安全で安価で、効果がはっきりしているからこそ、環境改善資材として選択されるのだと思います。

◇比嘉氏の本も何冊か読ませて頂きました。>実際に、EMを培養し、使ってみないとわからない部分が多いと思います。活動したからこそ、紐解けるように書いてあると思います。

◇「波動」研究の船井幸雄氏>偶然、某県にいらしていた船井氏に声をかけていただいたことがあります。
船井さんは、オレンジと黄色の中間ぐらいの光を放って、心が開いている(全開)方だと感じました。
私は、化学物質に過敏(薬は飲まない。合成洗剤波使わない。汚れた食材は食べないなど)なこともあり、私に、安全なものを探しながら生活している中で、EMに出会いました。

EMには、確かに波動があります。それぞれに発する波形があり、触った時にその波形を感じています。

糸にEMが練り込まれて織られた布もありますが、身につけると、肩こりが無くなったり、頭に巻いたら、頭痛が無くなります。
※私がこれで下着や衣類を作り使用しています。また、寝具にすると、体の緊張が取れて熟睡できます。私は、この布を、がん患者の会の方にプレゼントしています。※私の体に危険なものを避けるために波動を利用しています。

◇世界救世教、マルチ商法の島津氏>比嘉教授は、求めに応じ、どなたにでも等しくEMを伝えているのだと思います。

◇厚生省から薬事法違反の指摘を受けていること>わかりやすいHPがありましたので、下記をご覧ください。
EMーXはガンのスカベンジャー!http://www.naotta.com/contents/issues/WEB@Naotta/0106/index26-27.html
◆厚生省の答えは、 『医師が自らの責任において使用することは別にかまわない』ということでした。ですから、堂々とEM‐Xでガンが治ると言っても問題ないのです」

EM飲料の情報は、『EM医学』、『EM医療』、『EMXGOLD』に病名などの入力で、多くの事例を知ることができます。

◇萬寿のしずくとEMXGOLDの既得権益の争い等>?EMXは、EMXとしての販売契約が終わり、その商品名が使えなくなり、万寿のしずくとして販売することにしたのでしょう。

※萬寿のしずくにとっては、EMXGOLDが進化したことが問題ではあるかもしれません。
私は、付き添いの時に、EMXGOLDを利用し、現代医学ではあり得ない、様々な改善をみていますので、EMXGOLDには、感謝しています。

◇宗教においても憲法20条に信教の自由が認められているので悪いとは思いませんが、20条は同時に3項で政教分離を規定しているし、89条にも触れる気がします。>EMが、宗教団体であったことはなく、EMを学びたい方には、宗教、人種にかかわらず、等しく、技術を、お伝えしているだけでしょう。

◆「新潮45」発行前に、日本土壌肥料学会の説を真に受けた筆者である中村知空氏より、< 1 >の質問を頂き、その質問に対し、比嘉教授から、< 2 > のように回答しています。その中に、宗教についての質問もあり、15年10月8日に回答し、それが、公開されています。
http://www.emro.co.jp/information/031008.html


◇私はこのような事を何も調べず公費で補助している行政に意見しようと、「自身の頭で考え」て行動しているだけです。>市長も出席しているわけですから、EMを使った活動の効果は、認められていることの指標にもなると思います。

つづく
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Unknown (さぬき)
2010-12-20 16:34:56
さいしんじょうほうさん、ご助言ありがとうございます。

>活動されている所に参加し、現状を知って、自身の頭で考えて、意見書の提出をなさったらよろしいように思います。

もちろん、私もEM活動を見学させてもらいましたし、市に資料を頂いたりしました。

また、比嘉氏の本も何冊か読ませて頂きました。

比嘉氏の周りに、「波動」研究の船井幸雄氏や世界救世教、マルチ商法の島津氏などとの交際があることも調べました。

EMXについても、以前に厚生省から薬事法違反の指摘を受けていること、萬寿のしずくとEMXGOLDの既得権益の争い等を調べました。


その上で、私はEM菌を批判しているわけではないし、宗教においても憲法20条に信教の自由が認められているので悪いとは思いませんが、20条は同時に3項で政教分離を規定しているし、89条にも触れる気がします。

私はこのような事を何も調べず公費で補助している行政に意見しようと、「自身の頭で考え」て行動しているだけです。
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Unknown (さいしんじょうほう)
2010-12-19 08:14:54
(さぬき)2010-12-17 17:01:41さん、
はじめまして、横レス申し訳ございません。

今後はOSATOさんの助言も参考に資料をまとめ、行政へ意見書を提出させてもらおうと思ってます。>はじめに、現在、活動されている所に参加し、現状を知って、自身の頭で考えて、意見書の提出をなさったらよろしいように思います。



お母様が求められた、EMXGOLDについて、
“病名”と“EM医学”や“EM医療”で検索すると、その効果などが、医師により発表されていますのでお確かめて見るのもいいかもしれません。






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ありがとうございます (さぬき)
2010-12-17 17:01:41
遅くなり申し訳ないですが、コメントありがとうございました。

このように丁寧なコメントを返して貰えるとは思わず感激いたしました。

ご教授いただいた情報やリンクを活用させて頂きます。


私の近況ですが、その後、調べていますとどうも我が地域は早くからEMに関する活動が活発なようで、四国4県でも持ち回りでEMフェスタなるものを開催しているようで地元市長等も参加しておりました…。

このようなサイトにも掲載されてしまってます。

http://www.ecopure.info/topics/topics_059.html



今後はOSATOさんの助言も参考に資料をまとめ、行政へ意見書を提出させてもらおうと思ってます。
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ここが悩ましい所 (OSATO)
2010-12-09 00:21:29
いらっしゃいませさぬきさん、初めまして。

EMの一番の問題はこの「盲信」にあるのですね。
そしてその活動が、老人と子供達を巻き込んで広まっていくという姿が各地で見られる訳です。
ここでの問題は、そこに専門家の姿がないという事ですね。
婦人会の活動でも、多分評判を聞いてそれに習って始められた人が多いのではないでしょうか?
本当は、微生物や環境の専門家を呼んできちんとした講習を行うのがベストなのですが、専門家だと思ってEMインストラクターなどを呼んだら逆効果となってしまうので注意が必要です(こういうグループが多いのです)。
香川県には「環境アドバイザー」と呼ばれる人達がいらっしゃるようなので、こういう方達に相談されてみてはいかがでしょう。↓
http://www.pref.kagawa.lg.jp/kankyo/ecolife/advisor2/adobaiza.htm

EMXゴールドはまあ、一応発酵飲料ですから完全にインチキという物でもありませんが、それにしても高過ぎますよね。
同じ様な物でもっと安いのを紹介してみるというのもいいかもしれません。
「乳酸菌飲料」とか「発酵乳」などを探してみればたくさん見つかります。(一例↓)
http://www.calpis.co.jp/hakkounyu/biogenics/index.html
まあ私などは、スーパーなどで売っているこんなもので十分だと思っておりますが。

私がアドバイス出来るのはせいぜいこれぐらいのもので、EM問題を知れば知るほど自分の無力さを思い知ってしまいます。
本当に人々の目を覚まさせる良い方法があるならば、逆に私が教えてもらいたい位です。
この問題の根は、これほど深いのですね。
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はじめまして (さぬき)
2010-12-08 13:56:30
はじめまして香川県の者です。

私は今までEMに関しては興味がなかったですが、うちの地方でもEM関連の取組が活発になってきていまして、市役所が補助金を出すくらいです。

私自身はそんなことどうでも良かったのですが、最近になって母がEMXゴールドというペットボトル1本4000円の飲物を買って来たのをみて、これは怪しすぎだと思い、調べていたらこのサイトに辿り着きました。

このような詳しく説明しているサイトがあることにビックリしました。
とても参考になりました。

まわりでは、うちの母をはじめ婦人会の人達が大勢このEMを信じて疑わず、1本4000円のドリンクも、とある人がどこからか仕入れてきて大量に売れているようです。

どうにかこの人達(老人が多いです)に分かりやすく目を覚まさせる方法はないでしょうか・・・
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だんごはコミュニケーションツール (OSATO)
2010-12-07 22:20:37
いらっしゃいませうつみさん、初めまして。

各地の状況を見ていますと、EMだんごを作る段階からこれは、その手軽さからコミュニケーションツールとしての役割が与えられていると言ってもよいでしょう。
そしてそこで、皆で同じ目標に取り組んでいるという連帯感が生まれ、だんごを作って投下する事により自分も浄化活動に取り組んでいるという充実感を得る訳です。
でもこれって、厳しい言い方をさせてもらえるなら、単なる自己満足でしかないんですよね。
果たしてこれで、本当に自然は喜んでくれるのでしょうか。

この実験報告が、そんな事を初めから考え直してみる良いきっかけになればと願います。
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Unknown (うつみ)
2010-12-07 10:39:56
私の地域でも毎年地域の子供と大人によるEMだんご投棄が行われておりますが
 効果への疑問を投げかけても
その有る無しが問題ではなく
地域の交流やら大人と子供の接する機会やらが
大事なのだ等と取り付く暇もありませんでした。
それこそ本末転倒であり、ペットボトルの蓋や缶のタブ集めの類と同様の実に無責任で手段が目的化した環境破壊活動だと思います。
 実例のような素晴らしい活動が各地で起こる事を願わずにはいられません・・・
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忘れがちな事 (OSATO)
2010-12-06 23:27:37
>mimonさん
>きちんと下水処理や河川管理の専門家に相談したこと

仰るとおりですね。
これがEM浄化活動の中ではつい見過ごされている部分でもあります。
ちゃんと専門家に相談する事、これがひいては自分達の行動に責任を持たせる事にも繋がる訳ですね。

>そのようにご指導なさった先生もすばらしい人だと感じます。

こういう教師の人がたくさんいるならば日本の教育もまだまだ捨てたもんじゃないと思えるのですが、校長・教頭クラスの人でEMにハマっている人が多いのもまた事実なんですね。
ここの事例をもっと広く知ってもらいたいと私は願います。
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専門家の意見 (mimon)
2010-12-06 07:08:31
私がこの児童たちに感心する理由のひとつに、ネット情報や自分の実験結果ばかりにこだわらず、きちんと下水処理や河川管理の専門家に相談したことがあげられます。
そのようにご指導なさった先生もすばらしい人だと感じます。
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今年も続行中 (OSATO)
2010-12-05 23:30:15
いらっしゃいませ左思右想さん、mimonさん。

ここでは今年も6年生達が引き続き実験・観察を行っており、我々が考えるよりもさらに多くの方法を見つけています。↓
http://www.sendai-c.ed.jp/~oonoda/19nendo/22nendo/22%206nen/gyoumu.html
ここで最後の方に前年から引き続き鉄炭だんごの実験が行われていますが、生徒達はこういう大事な事に気付いたようです(一番最後の行)。
「何かを水に入れるという行為は,自然界でも実に慎重にしなければいけないと改めて感じました。」

素晴らしいです。
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鉄炭団子 (mimon)
2010-12-05 23:16:04
そんなものが流行っていると、初めて知りました。
たしかに、海水に対して使用する場合に限れば、限定的な効果があると思われます。
しかし、淡水に対しては、期待できないことがほとんどでしょう。
淡水は、多くの場合、海水に比べて、桁違いに多くの有機物を含んでいますから、三価の鉄が有機錯体として溶けていまして、鉄不足で藻類が育たないことは、まれです。
そうして、川の流れ込む湾内や瀬戸内海などでも、おおむね同様です。
それに対して、遠洋の貧栄養海水(例えば黒潮)などでは、鉄不足で藻類が育たないという仮説もあります。
例えば、武田 重信; “鉄による海洋一次生産の制御機構”, 日本水産学会誌, Vol. 73, pp.429-432 (2007) .をご覧ください。
http://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan/73/3/73_429/_article/-char/ja
もうひとつややこしいのは、鉄炭団子の原料が使用済み使い捨てカイロだということで、ほとんど二価の鉄ですから、ある程度水に溶けますが、普通に酸素の溶け込んでいる水中では、そのうち三価になってオキシ水酸化鉄水和物として沈殿しますから、遠洋までは届きません。
ですから、モス・ランディング海洋研究所のように、粉鉱石を海に撒くだけでは、効果が無いのではないかと思っています。
http://www.mlml.calstate.edu/announcements/news/4-15-2004-moss-landing-researchers-reveal-iron-key-climate-change
こういった複雑な、しかも研究段階の仮説を子どもたちに理解してもらうのは、難しそうですね。
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Unknown (左思右想)
2010-12-05 22:41:34
大野田小学校の生徒達の実験、素晴らしいですね。きちんと指導できる先生がいるのも頼もしいです。
こんどは、湖沼の生態系を学ぶ入り口に、ミジンコ浄化法とかもに挑戦したら良いと思います。
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大人の責任 (OSATO)
2010-12-05 13:29:53
いらっしゃいませみみずさん、初めまして。

EMによる「環境〔浄化〕活動」にはいつも考えさせられます。私には皆ただ投下すればそれでいいと思っているように感じられるのです。
EMだんごにしても、よくよく考えてみたらこれ、畑の土をドボドボ投下してるのと何ら変わりはないんですよね。それがあの形で皆誤魔化されている訳です。

今回紹介したような授業があちこちで行われているならいいのですが、問題はやはりそれを教える大人側にあるのは間違いありませんね。

今回紹介した事例を、多くの大人達にぜひ見て欲しいと思います。
返信する
私も (みみず)
2010-12-04 07:12:43
はじめまして。

我が家の近くの小学校でも、EM団子を使ったプールの浄水が行われています。
何の科学的根拠もないものを、子供たちにあたかもすばらしいものであるかのように教えることに、憤りを感じています。
しかし、EM(広義ではなく、比嘉さんの意味する)についての科学的な研究は農業分野で一部あるものの、環境分野ではほとんど見つかりません。
ちょっと生物をかじったものなら、富栄養状態下で一定の微生物相が形成された水に、多少のEMを投入したところで、大きくそれが変わるはずがないと思うのは当然です。
そんな研究を改めて行うのもばかげたこと、しかも相手は下手なことを言おうものなら訴訟を起こしかねない、二の足を踏むのも分かります。
公的機関がきちんと見識を示して欲しいところですが、立法、行政機関にもEM信者が多く、身動きが取れない状況もあります。
しかし、このままでは善意を装ったニセ科学が科学的思考を駆逐しそうな勢いです。
一体どうしたらいいのでしょうか・・・・・・・・・

だらだらと長文、失礼しました。
今後も有意義な記事を期待しています。
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