久しぶりの更新なのに、小ネタですみません。
朝日新聞からの引用です。例によって、新聞記事は、すぐに消えますから、全文引用いたします。
ただし、容疑者の個人名がずっと公開され続けることには、賛否がありますので、仮名にします。
奈良公園の「矢シカ」事件、2被告に有罪判決 奈良市の奈良公園で3月、国の天然記念物のシカが肉の販売目的でボーガン(洋弓銃)で撃たれた文化財保護法違反事件で、奈良地裁は18日、ラーメン店経営A被告(40)=津市=に懲役6カ月(求刑懲役10カ月)、元飲食店店員B被告(37)=三重県亀山市=に懲役6カ月執行猶予3年(同6カ月)を言い渡した。
畑口泰成裁判官は判決理由で「A被告は事業資金を稼ぐ目的で、B被告は分け前ほしさにえさをまいておびき寄せた。奈良の象徴のシカを傷つけ、地域に驚きと不安を与えた犯行は悪質」と述べた。
判決によると、2人は3月12日午後11時から13日午前0時の間、ボーガンで鉄製の矢(長さ52センチ、直径7ミリ)を放ち、奈良公園の雌シカ1頭を傷つけた。シカは保護されたが、15日朝に死んでいるのが確認された。
最初にこの記事を見た瞬間の感想としては、「なんで、シカ一頭で懲役刑?」でした。
普通に、ペットとして飼われている動物を射殺しても、刑法上の器物破損罪ですから、よっぽどのことがない限り罰金刑+損害賠償で済むはずです。まして、野生のシカですので、鳥獣保護法違反が該当して、一応法典上は、懲役刑もありえますが、普通は、罰金刑で済むでしょう。
今回は、天然記念物だから、文化財保護法違反が問われたわけですが、やっぱり、おかしいと思います。
もちろん、天然記念物の生態系に再生困難なほどの影響を与えるようなことをしでかしましたら、懲役刑に値します。例えば、皆殺しにするような毒を撒いたり、口蹄疫を故意に流行らせたりしたら、さすがにダメでしょう。
でも、野生にたくさん生息している生き物は、当然、自然淘汰されていまして、いつも、それなりの頻度で生まれて、死んでいて、一定の生息数を維持しているのですから、一頭殺しても別の一頭が生き残るだけですから、人為的に一頭殺しても、天然記念物としての生態系への影響は、ほとんどありません。「国宝」みたいに、その一個だけが失われたら、取り返しがつかないようなものとは、違うのです。
例えば、ニホンカモシカなんて、「国指定特別天然記念物」ですから、日本中、どこででも保護されています。私は、一時期、鈴鹿山脈を毎週のようにオートバイで走っていましたから、知っているのですけれども、その保護のための柵とか、ゲートとか、いろいろありました。それでも、たまには出くわしちゃうことがありまして、見かけたら、キルスイッチでエンジンを停止しながら即座に停車して(そのくらいのテクは持ち合わせています)、見送っていたものです。そんな状況で、変な気をおこすやつが、一頭だけ密猟しても、見つかれば、検挙されるでしょうけれども、余罪がなければ、たぶん、起訴猶予処分で済むのではないでしょうか。
絶滅危惧種でもなんでもない、ただ、昔から大切にされているという、文化的な背景から天然記念物になっているだけの「奈良のシカ」を一頭殺して、もちろん罪は罪ですけれども、懲役六月は、絶対に重過ぎると感じます。
この背景には、観光客の人目について、マスコミが騒ぎ立てたから、という配慮が見受けられます。
司法を職とするものは、法のほうを向いていればいいので、マスコミなんて、無視しているべきです。そうでなければ、マスコミなんていう、無能な者に、一部とはいえ、三権をゆだねて、この国がどんどんダメになっていく傾向が感じられます。もう、いっそうのこと、裁判官だけは、一切のマスコミから遮蔽して、官報と判例だけを情報源として、元々の意味での司法判断をしていただきたいと、いうようにも思います。