まあもちろんだけど、色々とここアズバインバカラの人たちがそう思った理由はほかにも色々とある。ただ単に続けざまにアズバインバカラの住民が殺されたから……ってだけじゃない。
殺されたのは結構評判がいい人たちみたいな? そこそこ顔が広くて、ご近所ではいい人という評判の人たちだったらしい。そうなるとそんな評判のいい人をアズバインバカラの人が殺してしまうか? ってことになる。
もしもここでも全然評判最悪で、普段から消えてくれないかな? ――と思われてたような奴らがもしも外の人に殺されてもむしろ「よくやった」とか思われたかもしれない。
まあけどそんな悪名が知れ渡ってる奴らならそいつらから絡んでいって返り討ちに会った……とかも考えられるだろう。でも殺されたのはいい人なのだ。だから彼らから絡んでいくなんて事は考えづらくて、いい人を続けざまに殺されたらからヘイトも高まってる。
それに実際、その現場にはアズバインバカラの人たちはしないようなアクセサリーがあった。やっぱり町ごとに違う特産品? みたいなそんなのはあるようで、それが落ちてたのだ。
けど不思議なことにそれが何なのか……実は誰も知らない。具体的な話はないからだ。そういう噂が広まったんだ。普通は噂はどこかでとまったりするだろう。
でも今回はすさまじい速さで広がっていって、この通りだ。あまりにもそのスピードがはやかったし、うまく外から来た人たちには伝わってなかった。
「まあ色々と都合がいいんだよね」
はっきり言って、今回のこの事件色々とおかしい。一般人の人たちはただの不和による殺人みたいに思ってるだろうが、そうじゃないって上層部は見てる。
「ジゼロワン様! 私たちは脅かされてます! ようやく安心して暮らせるようになりました。だから私たちは受け入れようとした! ですが裏切ったのは彼らなのです!!」
アズバインバカラの壮年風の人がそんな風に言ってくる。それに続くようにして、アズバインバカラの人たちが「そうだ! そうだ!」とわめている。
でもそれに反論するように、外から来た人たちもいうよ。
「俺たちだってここしかないんだよ! それなのにあんたたちに迷惑をかけるような事するか!? ちょっとは考えてくれ! こんなの絶対におかしい。俺たちは今の状況を理不尽だって思ってる!!」
再び外からきた側からも「そうだそうだ!」の合唱が続く。言いたいことは双方にあるのはわかる。けどそもそもが間違ってるのだ。はっきり言って、今回のこの騒動はどっちも悪くない。いや、いうなれば対処が遅れた私達が悪いかもしれない。
肉体的にぶつかれないから言葉をぶつけ合う双方だが、私であるG-01が間にいるからどうしたって殴り合うなんてことができない。まあ言葉だけでなら言いたいことは言えばいい。
せっかくの機会だしね。双方で殺し合いに発展しないのなら、私はそれを邪魔する気はない。そもそも私はしゃべれない設定だからね。まあでもここはわたしが来たから楽だけど……ほかのところは実際は結構大変そうだ。なのでさっさと下手人を捕まえてすべてを詳らかにした方がいいだろう。
大丈夫、あと五分……いや、三分くらいでその役目をおった人が来るだろう。それまで私はドローンを介してほかの妖しい奴らに目星をつけておくよ。
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