明日はすべてのホースマンにとっての夢舞台、東京優駿「日本ダービー」。18頭の選ばれし優駿たちが各々のすべての力をもって大舞台に挑みます。
世間はディープインパクト一色、サンスポをはじめとしたスポーツ紙の過剰なまでの持ち上げかたや、主催者JRAの目と耳を疑いたくなるようなキャンペーン(これとかこれとか)には少々疑問をおぼえますが、そんなこととは関係なく、その馬や人々にとっての最高の瞬間は刻一刻と近づいています。
さて、予想ですがダービーを予想するにあたって、ひとつ大事な心構え、それは、ダービーはすべての3歳馬にとっての目標レースな訳ですから、それまでの戦いの中ですでに実力関係というのははっきりしており、また展開も読みやすい。故に、これを当てるということはすなわちその世代のことを理解しているということになると思います。つまりこれまでのレースをしっかり見ている人ならば、きちんと当てないといけないレースということです。それはいわゆる伏兵馬といわれる馬が馬券に絡んだ時も同様で、その伏兵馬もダービーに出走している時点で力があることは間違いないので、馬券に絡むのにはそれなりの理由が存在するのです。ですから、これを外すというのははっきり言って競馬を見続けている人にとってはちょっと反省すべき事態なのです。そこのところをよく考えて予想したいとおもいます。
まずは、世間的大本命のディープインパクト、この馬がこれだけ注目される理由は何なのか?それは圧倒的とも言えるパフォーマンス、無敗の4連勝で皐月賞を制したというまさに怪物じみた実力によるところが大きいわけです。ただ、ディープインパクトを本命にしている人のいったいどれだけが、具体的に「ディープインパクトがダービーでどのような競馬をして、どのように勝つのか?」というところまで考えを巡らせているのでしょうか?圧倒的に強いし、鞍上も武豊だし全く不安がない。そういってしまうのは簡単ですが、実際には武豊が目をつむったまま馬にのって勝てるはずもなく、そこには関係者の努力と、騎手の判断、馬の実力と体調、といったさまざまな要素で条件を満たしつつ、なおかつ勝つべくしたレース運びをして初めて勝利することができるのです。そこにたどり着くまでにクリアすべき障害はいくつもあり、それをひとつひとつ飛び越えていかなければいかにディープインパクトといえどもダービー馬になることはできないでしょう。
ただ、ここまで書いておいてこういうのも何ですが、僕の本命もディープインパクトです。
なぜかって?それは他馬と比較の実力差があまりにもありすぎるからです。通常では考えられないことです、本来いかに強い馬といえども同世代の頂点の馬が集まるダービーで能力差というのはそこまで開くことは通常ありえません。しかし、実際にこれまでのレースぶりや刻んだラップ、直線での手応えや余裕、負かした相手といったものを総合して考えると、お世辞抜きでその他の馬とは実力差がありすぎるという表現が正しいのではないでしょうか。ディープインパクトに対して穿った見方をする穴党の方は必死にあら探しをしていますが、どんな馬でも完璧なものなど存在するはずもなく、やはりディープインパクトにもアラは探せばでてくるはずです。しかしそれがちっともハンデにならないぐらい力の差があれば問題ないでしょう。仮につまずいて出遅れても、道中で激しく揉まれても、直線で不利を受けても、勝ちきるだけの余力があるはずです。だから本命にします。
対抗はマイネルレコルト。なぜマイネルレコルトか?それはこの馬がこれまで示した競馬こそが間違いなくディープインパクトを除いて、この世代で最もタフで強いパフォーマンスであったからです。もちろんGI朝日杯のことですが、あのハイペースでハードな流れを好位から直線で堂々と抜け出しそのまま突き放す内容はまさにパーフェクト、それでレコードタイムなのだからもうこれは潜在能力が高くなくてはとてもできないこと。ただし、あれはマイル。実際その後の距離が伸びた弥生賞、皐月賞では健闘するも掲示板止まり。ただし、ダービーを前にして陣営の仕上げが変わってきた。皐月賞では+10キロで実が入り、ボリュームのある馬体へと成長、中間の追い切りではこれまでかかり気味に気負いながら走っていた馬が全身と首を巧く使って実に息づかいのいいフットワークを披露。完全に以前のレコルトとは別馬になりつつある、本来チーフベアハート産駒というのは非常に成長力がありこの馬もここにきて体重が増えているのは成長の証と見るべきで気性も馬体もマイラーからの脱却が伺える。後藤も今回はディープを潰しに行く競馬ではなく自分の競馬に徹するとのコメント、新潟2歳Sの内容から速い上がりの長い直線は歓迎とみる。マイネル軍団に新時代をもたらすのはこの馬なのかもしれない。
▲はインティライミ。最後までレコルトと対抗を悩みましたがインティはまだ本当に強いメンバーとの対戦をしておらず、いきなりのGIがダービーということで少し割り引きました。しかしながら前走京都新聞杯の内容は秀逸。キャリアの少ない馬で、スタートで後手を踏んだロスを挽回しようと大外回って3コーナーからまくり気味に進出しロングスパート、大胆な佐藤哲三騎手らしい乗り方だが馬もその期待に応えてきっちり内で伸びたコメディアデラルテを差しきった。まだまだ成長途上ながら現時点での能力は相当高く、調教でもコースでの動き抜群。特に後脚の跳ね返りが強烈で跳びの大きい伸びのあるフットワーク、もともとスペシャルウィークの産駒は東京向きだと思っていたが先週のシーザリオが後押ししてくれた。ただ不安なのは、鞍上が「2着狙い」の競馬をしない人だということ。真っ向勝負でディープインパクトを負かしにいくので実力的には2着候補でも展開的に直線半ばで燃え尽きてしまう可能性も高い。その辺もふまえてレコルトのほうを上にしました。
そのほかでは、不器用でいつもレースが終わってから突っ込んでくるアドマイヤフジ。坂路での動きはまさに重戦車といった感じで重心の低いフットワークでパワフルに坂路を駆け上がる姿を見るたびに「東京なら」と思っていた馬。長い東京の直線なら推進力にモノをいわせて上位浮上も可能、それを可能にする器も備えている。また、おなじ馬主のアドマイヤジャパンは本来ならレコルト等と同列評価の馬ですが、今回は直前の追い切りで仕掛けられてからふらふらしていた点が気になったのもさることながら、直前で横山典弘騎手が騎乗停止となり幸騎手に乗り替わりというのは非常にマイナス。幸騎手が下手というわけではないですが、ダービーというレースの重みを考えたら代打騎乗で下手は打てません。つまりどうしても萎縮した乗り方になってしまいそのような心構えの騎乗ではいくら馬が能力があっても上位食い込みは難しいのではないでしょうか。幸騎手の性格からいってサプライズはないとみます。さらにもう一頭あげるなら、おそらく今回注目度が下がりますがペールギュント。この馬はこれまでも上位と差のない競馬を繰り返してきた馬で、体型からいってもとてもマイラーとは思えず、サンデーサイレンス産駒ということもあり穴ならこれかなとおもいます。
その他のトライアル組はレース自体のレベルが低く、勝負になるとは思えません。唯一青葉賞組ではブレイヴハートが芝の経験が浅いながらも権利をとり、鞍上をデザーモにしてきたことで期待値もあがり注目です。が、やはりこの馬も芝のキャリアそのものがちょっと足りない気もします。素質はあるのでいずれは重賞を勝つ馬だとは思いますが。
◎ディープインパクト
○マイネルレコルト
▲インティライミ
△アドマイヤフジ
△アドマイヤジャパン
△ペールギュント
さてさて、どんな結末になるのやら。
「競馬に絶対はない」だからこそ、どんな強い馬のレースでもドキドキするんでしょうね。
それぞれの馬がどんな可能性を見せてくれるのか楽しみです。
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