松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆思いを紡ぐ、思いをつなぐ(相模女子大学)

2012-08-19 | 1.研究活動
 「思いを紡ぐ、思いをつなぐ」シンポジュームが終わった。いい会だった。
 大震災を契機に、私たちの社会を考えてみようという試みで、昨年に引き続く会となった。
 今年は、市民サイドから、さまざまな実践活動を通して、私たちの未来を考えるものとした。詳細については、きちんとまとめるので、別の機会としたいが、市民一人ひとり(特に自立・自律)の大切さとそれを束ねて大きな力にすることの重要さがあらためて分かったと思う。今回は、そのコツまで踏み込んだ話とした。
 印象的な話を紹介しておこう。
 ①ボランティアとして、やってきて「私に何ができますか?」。知らない同士なので、そういわれても困ってしまった。「私は、これとこれができます」といってほしかった。
 ②キーワードとしてのカジュアル。訳が難しいが、肩ひじ張らずにといったところだろう。
 ③お金の心配はしなかった。こうした気軽さはいい。最近の私たちは、すっかり石橋をたたいて渡るようになったが、たたきすぎて石橋まで壊してしまっているように思える。
 ④行政だけがやるという社会ではなく、市民も公共を担うという社会が、大震災を契機に、一挙に進んだ、それを実感できるとのこと。そうだと思う。
 そのほか、たくさんあった。これを整理したら、いい提言になると思う。
 私たちの社会は、ひとり一人に価値があると言う前提でできている(憲法13条)。勉強できる人は勉強で、優しい人は優しさで、それぞれが対等で価値があると考える社会である。ところが知らぬ間に、たとえば勉強ができることが、最もすぐれた価値とされ、それができなければ、価値がないと思われるようになった。全員が勉強をできるわけではないので、その基準から外れた人は、劣等感にさいなまれる。自分は社会から必要とされていないとさえ思ってしまうのである。
 これは実にもったいない話である。右肩上がりで成長していた時代ならば、それでも何とかなったが、もはやそんな排除をしている余裕はない。それぞれに価値があると考えて、それぞれに存分に力を出してもらった方がいいし、それでしか私たちの社会は生き残れないだろう。持続可能な社会とよく言うが、こうした根本的なところから積み上げていかないといけないだろう。大震災は、こうした私たちの社会の組み立てを再確認し、再度、その基本を組み立てなおす機会となったのではないか。そんなことを考えるシンポジュームとなった。
 きっと人が集まらないだろうと考えて、講演や研修をしたことがあるところにメールを送った。見知った人が、たくさん参加してくれた。感謝である。
 ゼミの我が娘たちも、大いに活躍した。成長のよい機会となったと思う。
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