松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆共感の単位(本郷台)

2012-07-03 | 1.研究活動
 神奈川県市町村研修センターにおける共同研究が始まった。
 空き家問題を考え、その対策を立案するのがミッションである。
 研究のはじめに、法(条例)の法たる由縁について話をした。一般には条例はその強要性が中核のように説明され、多くの市民も条例に強要性を期待するが、実務では(特に市町村では)、これはさほど、大きな意味を持っていない。なぜなのか。
 それは市町村というのが、自治の基本単位であるからである。自治とは、簡単に言うと、難題に対して、みんなで力を合わせて立ち向かうことなので、そこで重要なのは、思いを共通にする「共感」が大事になる。その共感を維持するために、時には、強制力を使う場合があるが、これはあくまでも例外である。強制力で維持する自治組織は、力が出ないし、秩序維持に汲々とする組織は、早晩、崩壊してしまうからである。
 私は、条例の意義は、強要性ではなく、納得感だと思っている。簡単な話、市役所で26年間仕事をしてきたが、罰則を一度も適用したことがなく、条例の納得感を武器に仕事をしてきたからである。
 フランスで、フランス革命によって国民国家ができ、ナポレオン率いるフランス軍の強さに驚いた各国は、国民国家づくりを急ぐことになった。なぜならば、国民国家は戦争に強いからである。その強さの秘密は、自分たちの国を守るをいう共感があるからである。
 国家の場合は、フランス人が、共感の単位であるが、地域では、「私たちのまち」というのが、共感の単位である。この強みを基本に考えると、勧告、取り壊しだけでない、空き家対策条例が出来上がるような気がする。
 この日は、スタートに躓いてしまい、ご迷惑をかけることになった。あわてた私は、髭もそらずに、息子の運転で、本郷台にある市町村研修センターまで、送ってもらった。こんな時、役立つのが、私のバックである。旅が多いので、必要なものが過不足なく入っている。これをひょいとつかんで飛び出れば、何とかなる。どんなものが入っているかは、業務上の秘密なので、お知らせできないが、車の中で、髭がゆっくりと剃れたことだけは、お知らせしておこう。
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