松下啓一 自治・政策・まちづくり

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◇いまやるべきこと、あとできちんとやるべきこと

2020-05-03 | 5.同行二人
 今話題の9月入学では、珍しく夫婦の意見があった。

 9月入学への変更は、避けられないが、今決める問題ではない。これは、多くの人もそう思うだろう。今やるべきことに注力してほしい。9月入学は、入学だけの問題ではなく、学校に入る前、卒業して就職することとも連動する。それに伴う膨大な仕組みの変更が必要だからである。

 こういう時しか、できないという意見は、最もであるが、その意味は、こういう時に持った問題意識を忘れずに、落ち着いた後に、きちんとやるという意味である。

 9月入学以外に、今回の騒動が落ち着いたらやるべきことはたくさんある。
(1)東京の一極集中の問題 今回は、危機を脱したようであるが、もし東京がダウンしたら、日本全体のシステムが止まる。この前の荒川の氾濫も危なかった。これまで、想定していなかったことが、実際に起こる。一極集中を改め、多極化は、急務だろう。これは地方自治体ではできない。

(2)緊急事態の法整備 空気で強制することの限界性が見えてきた。今のコロナウイルスの2倍の強力なものが出てきたら、もはや空気では律することができない。ルールの議論を始めるべきである。曖昧のまま過ぎたいという気持ちも分かるが、「こういう時」しかできない。

(3)余力にない仕組み 目いっぱいの効率性を追求したことから、ちょっと流れが悪くなると、途端に困ることになる。マスク騒動が最たるものであるが、少々高くてもよいが、余裕を持つ社会への転換である。

 ちなみに、我が家では、アルコール消毒液が困った(マスクは、家の中を捜したら、出てきた。出かけないから必要もない)。連れ合いが、2万円もする大容量の消毒液を買いそうになったが、「商売するわけではないので」といって、ようやく押しとどめて、市販の詰めえ用をアマゾンで買った。普通は、200円くらいなのだろうが、900円もした。連れ合いは、「200円のものを900円で買うのは、もったいない」と言うが、2万円のものを平気で買おうとする神経とのミスマッチがおかしい。

(4)国と地方の役割分担 国ができること、あるいは国の能力が明らかになった。国はもっと身軽になり、地方に任せるべきは任せるのだろう。都道府県の役割も、重要であるが、都道府県の再編成もあっていい。

(5)官僚の質と量 役人を悪者にする風潮で、官僚の質が下がった。安倍さんの長期政権と菅さんの手法で、やる気のある官僚は弾かれ、すぐに書類を廃棄するイエスマンばかりが、リードするようになった。国民自らが招いたことではあるが、次の難局には、対応できない。

 それ以外にも、たくさんあるだろう。こういう時だからこそ、こうした課題を基本から、組み立て直すのだと思う。「みんなで考えよう」と、国民的大議論を始めたら、おもしろいと思う。国民全員が、どこかの部会に入って、意見を出し、議論する。その場合は、私は、連れ合いとは別の部会を希望したい。
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