松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆市役所職場の今(三浦半島)

2013-04-10 | 1.研究活動
 市役所職場といえば、みんなで助け合うというものではないのか

 こんな記事があった。

「大阪市は9日、2011年~今年1月、約20日間マイカーで通勤していた環境局の女性職員(50)を、停職10日間の懲戒処分にしたと発表した。処分は3月28日付。
 市によると、12年12月、「職員がマイカー通勤をしている」との情報提供を受け、別の職員が職場近くの駐車場で張り込みをし、確認した。市の調べに対し、女性職員は「マイカー通勤はいけないことだと知っていたが、体の具合が悪いときにしていた」と話しているという」(2013年4月10日12時28分 読売新聞)

 新聞記事であるが、本当にこんなことがあったのだろうか。
 率直な印象として、たしかに原則は電車通勤だが、急に、車で行かなければいけない事情の時もあるだろう。家族がいて、生身の人間ならば、すべて予定通りはあり得ないのではないか。
 不思議なのは、「職員がマイカー通勤をしている」との情報提供である。どうして職員だと分かるのか。また、別の職員が張り込みをしたという。すごいことで、そうしなければいけない特別な事情があるのだろうか。
 これを報道するのも、すごい。私が読者なら、朝から、こんなどうでもいい記事を読みたくもない。もっと大事なことを報道して欲しい。

 私は管理職が長かったので、いろいろなことがあった。ただ、そうしたことは、人に言うものでもないし、聞いたほうだって、困るだけである。
 横浜市に入って、上司から、口を酸っぱくして教わったのは、「法を乗り越えろ」である。法律の通りやっていたら、地域の実情に合わず、市民の幸せを実現できないからである。その成果の一つが、公害立法がある。法律の通りにやっていたら、市民の健康はとても守れないと悩んだ横浜や川崎といった自治体が、法を乗り越える条例や政策をつくることで、今日の公害立法ができてきた。それが、自治体の仕事であると教わってきた。自治体職員の矜恃でもある。
 だから、職場の仲間は、もちろんいろいろあるが、最後は文字通り仲間であって、行き過ぎがあったら注意するが、「張り込む」などということは、想像もつかない。

 私は、相模女子大へ通うのに定期券を持っていない。正式の通勤ルートは、京浜急行-横浜駅から相鉄ー大和乗り換え小田急・相模大野のようであるが、通勤ルートは、その時の体調や仕事の状況、季節によって変える。
 授業準備が遅れた時は、電車のなかが研究室になる。この場合、上大岡で市営地下鉄に乗り換え、湘南台から小田急・相模大野ルートである。時間と値段は、多少かかるが、ずっと座って行けるからである。逆に、準備が万端でしかも花の季節は、横浜まででる。黄金町・日の出町間の大岡川の桜を見るためである。

 もし大阪市のルールで行くと、私の場合は、停職30日くらいになるのだろうか。もし、30日間休みになったら、学生たちは休講で喜ぶのだろうか。おそらく、一番喜ぶのは、毎日、私と散歩に行ける犬のマロンだろう。
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