丸く車座になって,黙々と焚火にあたる熊さんたち。時折,のそりと立ち上がって,焚木を補充する彼ら。その間にちょこんと座る母親。
主人公と甥が彼らの方へと歩み寄ると,熊さんたちは拒むでもなく身をよせあって場所をあけてくれる。
まるで,昔の囲炉裏端のようだ。 . . . 本文を読む
前からタイトルの異様さに興味があった作品である。収録されているのは奇想コレクションのスタージョン第二弾の「輝く断片」だが,かなりのハイテンション揃いの各作の中でも,妙にいびつな雰囲気を漂わせる作品だ。
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創元SF文庫のホラーSF傑作選「影が行く」のタイトルナンバーである。
ジョン・カーペンター監督の名作「遊星からの物体X」は,原作に忠実だったんだねえ。
ともかくも,オールタイムベスト級の傑作。1938年の作品だそうだが,今でも十分通用する。南極探検隊と恐るべき擬態能力の異星人との息詰まる戦いをスリルとサスペンスたっぷり(なんとも紋切り調!)に描く。一体誰が乗っ取られているのだろうか?異様な緊 . . . 本文を読む
今年のペナントレースのようなタイトルであるが,いわずと知れたJ.G.バラードの作品である。
このお方の作品には,”濃縮小説”など訳わからないものが多いが,この作品は,浜辺に漂着した巨人の死体が解体され次第に人々の記憶からも消し去られていく様を,実に淡々と描いたもので,読むのに苦労する作品では全くない。
でもねえ,何を言わんとしているのかを考えてしまうんだなあ。
この巨人は一体何者なの . . . 本文を読む
海外SF短編を読むのが好きな私であるが,よく理解できない作品も多い。難解さや訳わからなさが売りの作品もあるだろうが,素直そうな作品で,解説に,「SFファンの心をくすぐる見事なセンス・オブ・ワンダーを味わっていただきたい」などと記されているときは,所詮SF門外漢か…という疎外感にへこむこともある。翻訳者はわかって翻訳されているわけだから,一概に翻訳のせいにはできない。ここは虚勢を張らずに,わからん . . . 本文を読む