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こんな本を読んできた、ほか少々

これまでに読んできた本やマンガについて、好き勝手に書てみることにした。記憶のままに書いているので、間違い等はご容赦を。

ロード・ダンセイニ「時と神々の物語」ほか

2013-05-07 22:17:54 | ファンタジー・ホラー
いつこの作家の名前を知ったのか忘れてしまった。多分、SFの解説だと思う。怪奇小説作家のラブクラフトやSF作家のアーサー・クラークなどに影響を与えたとか何とか書いてあったと記憶している。
幻想作家で、に、人間の善悪や倫理観を超越した神々
描いた短篇集が有名とのこと。一度読んでみたいと思っていたところ、数年前、河出文庫から短編集が4冊(結構厚い)出ていたのを見つけ、速攻で購入した。

「世界の涯の物語」「夢見る人の物語」「時と神々の物語」「最後の夢の物語」
このうち、神々に関する短編は、「時と神々の物語」に納められている。

短編の核になっているのは、夢の世界などの異世界。それはこの世界と全く関係ないこともあるし、隣り合っていることもあるし、入り込んでいることもある。異世界や異教の神々の描写には、アラビアを感じさせるものが多い。

この世界は偉大な神の夢の中の世界。そこに様々な神々が生まれ、人間が作られる。神々にとっては人間などはとるに足りないちっぽけなもの。神々の気まぐれ人間は翻弄され、あるいは神々をおろそかにした報いをうける。

ほかにも、夢の国を旅する男の話や、不思議な石像の話など。

文章は正直いって読みにくいところがあるが、それがまた独特の雰囲気を醸し出している。不思議でエキゾチックで、少し不気味な夢の世界に誘ってくれるような物語集である。