自分の身体は、自分で守る。薬剤師・金丸の養生訓話

自分の身体は、自分で守る。薬剤師・金丸の養生訓話のパーソナリティで、くすりの麗明堂店主の金丸幸市のブログです。

肝臓を助ける救世主の話

2008年08月18日 | Weblog
毎日暑く、ビールのおいしい季節ですね!また、何かとお酒を飲む機会も多い季節ですね

でも、お酒の飲みすぎにはご用心
大量にお酒を飲むと、そのアルコールを分解するために、あなたの肝臓はフル回転しています。

皆さんは、二日酔いの時の原因となる物質…『アセトアルデヒド』をご存知でしょうか?
アセトアルデヒドとは、血液中のアルコールが肝臓のアルコール脱水素酵素によって分解された中間代謝産物です。毒性が強く、それによって引き起こされる症状が、いわゆる『二日酔い』なのです。
つまり、お酒を飲んで、顔が赤くなったり、心臓がドキドキするのはこの『アセトアルデヒド』のせいなのです。
さらに、二日酔いがひどくなると吐き気や頭痛などの悪酔いの症状まで引き起こしてしまいます

肝臓が健康で正常に働いている場合は、アセトアルデヒドがつくられても、すばやく酸化させて酢酸に変えることができ、さらに二酸化炭素と水に分解して体外に排出します。

そんな肝臓の負担を助けてくれるのが、『麗明宝』です。
古代からカキを含む貝類は、貴重な動物性タンパク質であるのと同時に、肝機能を助けるいろいろな栄養素を含む万能食でした。

カキは、貝の中でも特に栄養価が高く『海のミルク』とも呼ばれています。
カキに含まれる『タウリン』は、胆汁の分泌促進、肝機能改善など肝臓の解毒作用を強化して、体内で酵素の働きを助けることでアルコールの分解を助け、肝臓の負担を軽くしてくれます。
また、肝臓の機能を活発にする『グリコーゲン』やアルコール脱水素酵素の手助けをする『亜鉛』も豊富に含み、肝機能の負担を助けてくれる救世主です

肝臓は人体最大の臓器で、1日に流れ込んでくる血液(一升瓶1200本分)すべての栄養や毒の処理をしている所です。

肝腎要(かんじんかなめ)の言葉の通り、肝臓と腎臓をいたわってあげると長く元気に過ごせると言われます。ぜひ皆さんもお酒をほどほどにして肝臓を大事にして、毎日を健康にお過ごしくださいね。

鉄の大切さを考える

2008年08月04日 | Weblog
今回は、鉄についてお話していきましょう。
私たちの体の中で、鉄はどんな働きをしてくれているのでしょう…
鉄は、私たちの体の中では、ヘモグロビン、ミオグロビン、貯蔵鉄、血清鉄、酵素鉄など色々な名前で使われています。

貯蔵鉄と血清鉄は、貯蔵や移動の働きをしているのですが、体内の鉄のほとんどが酸素に関わった働きをしています。
ヘモグロビンは、全身に酸素を運ぶ働きをしています。
ミオグロビンは、筋肉内で酸素を運ぶ働きをしています。
酵素鉄は、運ばれてきた酸素を使いエネルギーを作っています。

私たちは、酸素がなければ生きていけませんですから、鉄は私たちの生命維持にはなくてはならないものなのです。

鉄が不足すると起こる症状として…

①めまい、頭がよく痛む
②動悸、息切れがしやすい
③体がだるい、疲れがとれない
④うつ、心のトラブル(神経過敏など)
⑤冷え、低体温
⑥薬物代謝が正常に働かない

などがあります。

では、鉄はどのような食べ物に含まれているのかをお話していきましょう。
食べ物に含まれている鉄は大きく分けてヘム鉄と非ヘム鉄があります。

①ヘム鉄…肉類、魚類などに含まれており、特に赤みの肉に多く含まれています。
(カツオ、マグロなど運動量が多い魚や牛、馬などの筋肉部分はヘム鉄を多く含む)腸管からの吸収率が高く利用性に優れているが、ヘム鉄は貯蔵されないので常に摂取しなければなりません。吸収率10~20%と良好です。

②非ヘム鉄(動物性)…非ヘム鉄のほとんどは、植物性ですが、例外としてレバーの中の鉄の多くは、非ヘム鉄です。

③非ヘム鉄(植物性)…野菜、豆類、穀物、海藻、貝類などに含まれています。
ヘム鉄に比べて体内への吸収率が低い。腸管からの吸収率は、わずか数パーセント。タンパク質とビタミンCと同時に取ると吸収率が高まります。
ヘム鉄と違って肝臓などに貯蔵できます。

私たちが体から失われる鉄の量は、1mg程度といわれています。
ただ、激しい運動をされる方や、女性の方はそれ以上に失われています。
1日に必要な鉄量は、成人で12mg、女性や運動される人は、15~20mgの摂取が望ましいです。

男性よりも毎月生理のある女性の方は、鉄分が血液と一緒に出ていきますので、毎日の食事のバランスを整えて健やかにお過ごしくださいね。
また、鉄分が気になる方、ヘモグロビン値が低い方、鉄剤を飲むと胃腸の調子が悪くなる方は、気軽にご相談下さい。