呆老冷水録-Don’t be silly Grand'pa

80すぎたら横と後ろだけ見て過ごそうか!

ティファニーのブローチ

2010年06月07日 | 遠近旅録-外国

近所のご婦人(over 60)とムーンリバー(音楽)の原詩が難解だという話をしていてヘップバーンの映画「ティファニーで朝食を」を連想し、そういえば昔ガラにもなくティファニーで場違いな買い物した事があったな~と古い記憶がよみがえりました。
あれは1978年の夏だったが休日の朝ホテルで新聞を見ていた同行者が突然「ティファニーへ一緒に行きませんか」といったのでビックリ!
ヘップバーンの映画で庶民には縁遠い高級宝石店であることはワタシも知っていたので「一体どうしたんですか?」とその新聞を覗くと同店の広告があり、当日は特売日で「ハート型のペンダントに鎖がついたデザインのネックレス」が150ドルあまり・・とあり、それを奥さんへのお土産にしたいと殊勝なことをいうのです。
そこで、一人では彼も心細かろう・・と店はホテルからソウ遠くないところだったので男二人!連れ立って行って見ました。

静かな店内に入ると、私の前に立った上品な白髪の女性店員が何かお探しかと聞くのでワタシャただの付き添いだと断ってから、因みにコレはいかほどか?と適当に目の前の商品を指差すと、彼女はニッコリ笑って「係りに訊いてみましょう」と言ったのです!
一瞬 エッ!値段がわからんほど高価なの?!!と驚いたがソウではなく、商品の値段は全て地階の担当者に訊かないと分からないのだという。咄嗟にはその意味が理解できなかったが、つまり値札がついていないためここの店員は商品のグループごとに概略の価格帯を知らされているだけで、個々の値段はわからないというのです。(セキュリティの問題でしょうか??)
そしてその値段の調べ方がまた実に面白かったですね~・・・
子供の頃新聞社で記者が原稿を送るための似たような装置を見たことがあるが、店内の壁や天井に直径15センチほどのパイプが縦横に配管されていて、客の求めに応じて店員が商品を円筒型の革ケース(シャトル)に詰めてそのパイプの中に入れるとシャトルは中が真空になっているパイプに吸い込まれてあっという間に地階に送られ、地階の係員が値段を記入した紙をシャトルに入れて売り場にまた送り返してくるという仕組みなのです。

結局その装置が面白くて、いくつか値段を聞いているうちに同行者もハートのペンダントだけでは済まなくなり、ついでにワタシまで600ドル近いブローチを買う羽目になってしまいました。
1ドルが240~250円だった時代、邦貨で10数万円の買い物は30代の私にとっては随分高額だったが出張で2ヶ月も女房に留守番をさせていたし、モウこんな店で買い物することなんて一生なかろうと一大決心をしたのです。
金の木の葉の上に小さなダイヤが雫のようにあしらわれたそのブローチはなかなかシックな出来。

 

 




ウチのwifeに似合うだろうか?と無理な質問をしたら、女房に会ったこともないその女性店員が「・・・sure! and OK for any age」と自分の襟元にかざし、これなら私の歳なっても十分使えるワ!と笑って見せてくれたのを今でも覚えています。

そして月日は流れ、わが女房もあの時の店員と同年代になってしまったがウレシイことに今でもケッコウ気に入って大事に使ってくれてますわ。
(2010年6月記:冒頭のヘップバーンの写真はwebから拝借)

PS.
帰りがけに「スミマセン!」とワタシを呼び止めた二人連れの日本人女性の一人から「私いま買おうとしたんですがアノ人(別の女性店員を指差して)その品物を後ろへしまっちゃったんです。どうしたのかしら?」と訊かれたので、内心よくぞ聞いてくださった・・と早速例の値段確認の仕組みについて説明してやったらすごく喜んでお礼を言われたことも思い出したが、流石のティファニーも今はモウあんな装置使っていないでしょうね~??



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