大河水産 かき BBS

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夜嗜好

2011年08月09日 | Weblog
夜の海で
テトラポットを降りて
海面と同じ高さに座ると
海に浸かっているかのように思える


音もなく、
重く黒い水面に皺のような縞模様ができて、寄せては返し広がってゆく…そのくり返し

水面スレスレで見ていると大きく黒いベルトコンベアーのようで、
このままヌルリと仰向けに乗っかったら、沈まずに運んでくれそうな気がした

目が覚めて
四国か異国かに到着…
やったらオモシロイやろなぁ(^-^)


そういえば小さい頃、
時間というのはベルトコンベアーみたいなもんだと思っていた

常に一定の速さで、一方方向に、無表情に流れてゆくものだ、と。
そしてそのベルトから落っこちたら死ぬのだ、と。


しかし10代になると
夜更かし徹夜を覚え、
地球の裏側は真昼なのだと知り、
今見えている星の光は何百年も前に発したものだと聞き、
やがてアインシュタインの特殊相対性理論をなんとなくわかるような気になった頃、
学生でも会社員でもない自分は、時間をベルトコンベアー的にとらえることはできなくなった

否、
時間の一方向的流れは変わらなくても、
ベルトコンベアーの幅がずいぶん広くなって、その上をテクテク縦横無尽好きなように歩き回っているような気分でいると、
流れそのものが気にならなくなってしまったのだなぁ…そしてそのまま今に至る(笑)


室内プールの監視のバイトをしていると、小学生男子に
「あれは何ですか?」

長針が秒を、
短針が分を表す競泳用の時計のことを尋ねられた

「一秒を争う競技やから、細かい時間がわかるようにしてあるんやろね」
と答えた

あらためてその時計を見ると、
形や右まわりの方向は普通の時計と同じやけれど、
なるほどせわしなく時を刻んでいる

以前、
梅田の地下街で通勤電車を降りて、一番先頭を急ぎ足でゆくサラリーマンと並んで歩いてみたことがあるのだが、あれと同じ速度だと思った
汗をぬぐう暇もないほど必死の一秒。


大きな時間と小さな時間。
同じ時間のはずが、どっちを体感するかで、ずいぶん見えてくるものが違うよ…
とゆーことを、
分刻みで寝てばかりいた高校生の私に言ってやりたいのですが、
時間は戻らない(>_<)

今こうして
波間を眺めながら思い出し笑いできる余裕がありがたい、と思うのが関の山やなぁ(笑)


日々は
積み重ねては流れゆく砂洲のようなもの…
あまり何も残りませんが、流れゆく様は、美しい


地震国日本の美意識は
そのへんから来てるんかもしれんなぁ

夏の夜の海は
そんなとりとめのない思考も溶かしてユラユラとどこかへ運んでゆきます…

午前4時には
チリメン漁の船が出航し始めます
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レイハラカミさん訃報

2011年08月01日 | Weblog

わたしの好きな音・・・

小さな雨だれ
遠くから呼ぶ声
ドリマトーンの「フルート16」にトレモロをかけはじめたときの揺れるレ音
あるいは「アルト8」にヴィブラートをかけたソ音
オーボエの音
パイプオルガンの和音
プール帰りの髪の塩素のにおい
夕方に吹いてくる風・・・

これらを全部あわせてキュッとパステル色にパッキングしたようなのが
レイハラカミさんの音の世界だと思う。

http://www.youtube.com/watch?v=xH6wEzLZ5S0


わたしが持ってるCDは
「opa*q」「red curb」
の2枚だけやけど
どれもとてもやさしく浮遊していて
何かを誇示したり傷つけたりすることのない時間が60分弱、続く作品ばかりで、
20代半ばのへこたれ気味の私にとって、
そこに入ると回復する、とゆー感じの、酸素カプセルみたいな音楽だった。

ちょうどひと月ほど前、
中古で「わすれもの」というCDを買って聴いたときも
基本的な世界観は変わっていなくて
退屈といえなくもないが
私は安堵したところだった。

ふやふやと目に見えないものたちが浮遊している間、
幼い日々と同じ時間の流れに戻れる。

そしてそこから、大きくたおやかな流れを汲んだ曲を作り出しているところだったのだと思う・・・