オランダから見た 大同染工 ―6-
製品仕立て
すべての品物が、正確に注文された通りの長さで供給されなければならない。
(通常40 ヤードであり、そのほかに20 ヤードがあり、特例として30 ヤードもある。)
二番目の選択として注文数量に対し 5 %上乗せしてプリントしている。ある注文に著しい間違い(不上がり)が生じて、殆どの商品が駄目になってしまった場合は、顧客に品物がつくれなかったことが報告される。一般的には 5%余分に(増しヤール)捺染することで対応出来るようだ。
(捺染の平均C反率5%以下なので対応できる)
「フエンツ」(はぎれ)についてはすべてが 1/2~ 6ヤードで記載されていた。綿ではフェンツ生産(屑をのぞいたC反)が2.5%、スパンレーヨン(スフ)では 1%以下であった。
クーポン(マーケッティングへの利用)としては 6 ヤードから輸出巾までのすべてが該当した。クーポンとして残ったものは(未出荷のもの)国内で 10 %輸出用価格からデイスカウントして売られていた。
(アフリカ用のプリントも? と手書き質問メモがある。)
標準の長さ(20、30、40ヤード)ではないもの『乱ヤール』のようなものも輸出されていた。20%が標準の長さより短くても良いという条件をつけて。
この工場の一般的な印象は、きちんとしていて効率的で、機械を回す時間が速く、無茶な労働条件がないということである。
機械に計測器がのっていないので正確な数値はわからないが、我々の工場よりも一般的に速いスピードで機械を動かしていた。
ただ、一言いっておかなければならないのは、大同プリントは『パレードの馬』のようなもので、他の30社の日本のプリント会社がここまで素晴らしいとは限らない可能性が高い 《 完 》
皆さん、いかがでしたか。実に細かいところまで観察していて、改めて 驚くやら、感心するやら。50有余年前の大同輸出全盛期を思い出して、感慨にふけるレポートでした。
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東山十条87
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大同マルタの大先輩吉岡 悠様からの他ブログから投稿を転載しました。
座敷童子(田中 頌)