地元小豆島の三都半島で行われている小豆島アート・イン・レジテンスの滞在作家による作品展に行ってきました。
地元といえども三都半島は広くて遠いので、夏に行われたStory of Island展同様、役場のマイクロバスで回ることにしました。
今回は芸術家村の作家さんによる作品解説つきです。いぇーい。
前回乗ったときはガラガラだったマイクロバスですが、今回は岡山から来られたお客さんもいて、出発地点の
池田港ではまだ空席があったものの、途中からも人が乗ってきたので最後はほぼ満席になってました。
最初に向かったのは、室生地区にある小豆島ふるさと村の夢想館。
小豆島の自然を題材にした、吉田夏奈さんの作品が展示されています。
「森キューブ」というタイトルの作品。小豆島の森が立方体に凝縮されています。
地元の老人会の人たちと作った作品。山の形に切り抜かれたボードに、絵や写真など思い思いの手法で
島の自然を表現しています。
反対側から見た図。ちなみに、土台になっているのは、小豆島名産の素麺を入れる木箱です。
「奇跡の牛」というタイトルの作品。小豆島が牛の形をしていることからつけた名前だそうです。
森や渓谷、棚田に石切丁場後と、小豆島を構成するさまざまな要素が、2次元と3次元の中間のような
不思議なキャンバスに描かれています。
裏から見てみました。左側の真っ白なところは石切丁場跡。緑色の部分とはえらい違いです。
手前の薄い緑色の部分は棚田が、右側にはみかんとオリーブの畑が広がっています。
奥には赤く色づいた寒霞渓の紅葉が見えます。
紙と段ボールでできたキャンバスに、クレヨンとオイルパステルで描かれた島の自然は、
デフォルメされているにもかかわらず違和感がなく、ありのままが描かれているかのように見えました。
「奇跡の牛」の周囲には、「FACE TO GREEN」というタイトルの連作が展示されていました。
この6枚の絵はひとつづきになっているそうです。鬱蒼と茂る森に、ぐるりと取り囲まれた気分。
遠目で見るととてもリアルに感じますが、近づくとこんな感じで、あたたかみがあります。
最後の絵には、吉田さんのサインが記されていました。
作品鑑賞中に、遅れて到着した吉田さんが登場。なぜか手書きの木のイラストが描かれた提灯を持っていました。
登場するやいなや、
「皆さんにクリスマスソングを…」
と、ホワイトクリスマスの一節と、その後「瀬戸の花嫁」の替え歌を歌われました。
どうやら、大変ユニークな方のようです。こういう人、嫌いじゃありません。私は。
吉田さんに作品の解説をしていただいた後、「何か質問があればお答えします」ということだったので、
「そのシャツはどこで買ったんですか」
と、吉田さんが着ていた非常にアグレッシブなシャツのデザインについて聞きたい気持ちをぐっとこらえて、
「これ(奇跡の牛)はひっくりかえすとどうなってるんですか?」
と、芸術的センスのない、思ったままの質問をしてみました。高尚な質問なんて思いつきませんから、ええ。
しかし、私のこんな質問にも吉田さんは快く答えてくれました。
「奇跡の牛」はひっくり返してもなにもないそうで、特に骨組みなどは入ってないとのことです。
私は図画も工作も苦手なので、紙と段ボールを組み合わせるだけでこれだけ大きくてしっかりしたオブジェを
作れることに感心しました(←レベル低すぎるだろ)。
「奇跡の牛」制作のためのスケッチ画。牛に見えますでしょうか。
吉田さんの作品を見た後、マイクロバスは三都半島をどんどん南下して、神浦(こうのうら)地区へ向かいました。
長くなったので、その2に続きます…
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます