Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

日本の秋 2013

2013-10-17 00:07:08 | ローカル




日本全国が台風26号の脅威に怯える中、10月16日、私の地元の神社の秋祭りが行われました。

前日の15日は午前中から夜中までずっと雨が降っていたので、16日当日もどうなることかと心配だったのですが、午前中にぱらぱらと小雨が降ったくらいで済みました。そのかわり、終日風がものすごく強かったので、「オシコミ」と呼ばれる、船を使った行事は規模を縮小して行われました。今年はこの「オシコミ」用の船を新造したというのに、皮肉な話です。

私の地元の秋祭りでは、神輿ではなく上の写真にある、上に赤い布団が乗っている「太鼓台」と呼ばれるものをかつぎます。
ただかつぐだけでなく、横にぶんまわしたり、放り投げたりと結構ワイルドです。名前の通り中に太鼓が入っていて、小学生くらいの子供(主に男の子)が数人乗って、要所要所で太鼓を叩きます。子供の頃、鮮やかな衣装を着て太鼓を叩く男の子たちがうらやましかったのをおぼえています。太鼓台に乗ればおこずかいもらえるしね(そっちか)。

祭りを見に行く前に、お昼の準備。今年は母マリコが久しぶりにちらし寿司を作るというので、少々お手伝いをしました。ちらし寿司はマリコの得意料理なので、安心して調理をまかせていたのですが、いざ寿司酢をつくる段階になって

「もう長いこと作ってないから作り方忘れたわ~」

などとボヤかれてしまったので焦りました。

マリコがちらし寿司を作っている横で、きゅうりの酢の物を作る私。前もって酢の物を作れと言われていたから作ったのですが、後で考えるとどっちの料理も酢を使っている。作ってからそのことに気づいてこれはしまったと思いましたが、今更どうすることもできないので気づかなかったことにしました。

料理が大体できたところで、祭りのメイン会場のひとつ、近所にある亀山八幡宮へ移動。上の写真にある、鳥居は八幡さんの入り口です。

上に行くと、すでに境内では各地区の太鼓台の演技(と呼べばいいのか)が始まってました。



太鼓台は重いので、かつぐ(私の地元では“かく”と言います)のは大変です。しかもただかつぐのではなく、



横に倒して上に人が乗らなくてはいけません。この技を「かえし」と呼びます。



今度は反対側に“かえし”ました。写真を見て分かる通り、この時は空がどんより曇っていて、風が強くてとても寒かったです。



頭上高くあげたりもします。背の高くない人はここで楽ができる…かな?



別の地区の太鼓台。各地区で半被が異なります。



「ちょいやー、せっ」の掛け声とともにかえします。掛け声の意味はわかりません。

風が強くて寒かったので、各地区の演技が終わった頃には体がかちこちに冷えてました。こんなときは家に帰って熱燗を一杯…というわけにはいかないので、お昼の準備の続きをしました。鶏のからあげとなすとピーマンを素揚げにして、なすとピーマンは酢とみりんと醤油に刻んだ生姜と赤唐辛子を混ぜたのに漬け込んで、南蛮漬け風にしました。ここでもまた酢を浸かってしまう私…そんなに体を柔らかくしたいのか?え?

揚げ物が完成したら、いざ実食。マリコは自分で作ったちらし寿司をひとくち食べて「うめえ」と自画自賛していました。人生楽しそうで何よりです。

お昼を食べた後、午後の部を見に行きました。今度は神社の境内ではなく、私の家の前にある広場で行われます。



お昼を過ぎると、天気もだいぶ回復して、青空が見えるようになりました。さっきよりも近くで見ることができるので、臨場感ばっちりです。



風が強かったので、石でできた桟敷席のブルーシートが、ばたばたとはためいていました。中には風にあおられてつぶれたところもあったそうです。



神浦地区の太鼓台。三都半島の最南端にある、「オシコミ」をする地区です。



豪快な「かえし」。あんまり倒しすぎると、反対側が地面に着いたり、元の位置に戻すのが大変になります。



反対側も。「かえし」の時に太鼓台の上に乗る人は、運動神経を求められます。もし男に生まれていても、鈍くさい私にこの役目は無理だったことでしょう。



桟敷の上に登って、下から撮ってみました。気分はムスカです。



祭りのクライマックス、「かき比べ」。頭上に持ち上げた状態で、5分キープ。苦行ですね。



最後に、全地区の中で一番大きい、濱組の太鼓台が登場。大きすぎるので、他の地区の人たちにも協力してもらいます。なので半被の色がごちゃまぜです。



みんなで力を合わせてかえします。大きいのでかえす角度は控えめです。

この後、最後に「大ねり」と呼ばれる奉納の舞を披露して、終了。この「大ねり」は、当番になる地区が毎年それぞれ、山車にその年を象徴するハリボテを乗せたりするのですが、今年のテーマは「池田中学校」、わが母校でした。実は私がかつて遠い昔に通っていた地元の池田中学校は、来年統廃合が決まっています。卒業してもうン十年になるのであまり気にしてませんでしたが、この時「もうすぐ私の通っていた中学校がなくなるのだ」と実感して、少しさびしくなりました。

台風の影響で、始まる前はどうなることかと心配し、始まったら始まったで強風に悩まされて慌ただしかったですが、今年の秋祭りもどうにか終わりました。祭りが終わると気温がぐっと下がって、秋本番に突入です。芸術の秋、スポーツの秋、そして食欲の秋…。


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