『TJAR(Trans Japan Alps Race)』というのをご存知でしょうか?
2012/10/13
NHKスペシャル「激走!日本アルプス大縦断」
これです![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hand_iine.gif)
GreatEndurance⇒とてつもなく過酷な・・・とでも訳しましょう!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/8a/67b6ef68d36e6a58a46e30c446e3b343.jpg)
このTJARというレースも、すでにご紹介したUTMB(ウルトラトレイル・
デュ・モンブラン)の第1回大会が行われた2002年、わずか4名のエントリー、
1名だけの完走者なんていう地味~なレースで始まったようです
(知らない
はず...)
それにしても、世界中には、こんな過酷なことをよくするものだと感心させら
れるようなスポーツやレースが数多くあるもんです。
UTMBもそのうちの一つだと思っていましたが、他にも随分と沢山のレース
が行われてるんですね![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_hekomu.gif)
NHKでは過去に、南米パタゴニアの山野を駆け巡る国別対抗の凄いレース
を取り上げていました。
確か「世界一過酷なレース」と言っていたのを記憶しています。
その過酷さは、山野渓谷、道なき道を地図とコンパスだけを頼りに目的地を
目指す・・といった内容のレースでした。
日照りと寒さの両方に苦しめられ、道迷いと川流れと、予期せぬアクシデン
トが次々と起こる・・・
その点では、トライアスロンやトレラン、そしてマラソンと名のつくレースは
まだ人が給水や食糧や休憩場所を提供してもらえる・という意味でアドベン
チャー的要素はそれほどないと言えますが、
このTJARは、どちらかというと、そのパタゴニアのレースに近く、レースと
いうよりもEndurance(持久力、忍耐、我慢、辛抱、忍耐)だと大会の
ホームページでも表現しています。
↓
http://www.tjar.jp/index.html
南アルプス「三峰岳」からのコース眺望(大会ギャラリーから)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/2d/2977be4bf95c1a8b7ac3d36114e6cc2c.jpg)
体力もさることながら気象条件が刻々と代わる山岳標高差のある環境下
で、一人で生きていける知識と技術が必要となる忍耐レース、それがトランス
ジャパンアルプスレース(TJAR)です。
◆総距離は415km、
◆スタート:富山湾(日本海)⇒
北アルプス(・剣岳~・立山~・槍ヶ岳)~中央アルプス(・駒ヶ岳~・空木岳)
~南アルプス(・仙丈岳~・茶臼岳)⇒
◆ゴール:静岡県駿河湾(太平洋)
以上の山岳地帯を自力での走り、歩きのみで8日間以内で踏破することが条件
です。
なんと、獲得標高は富士山登山を7回行うに等しいんだとか・・・
日本アルプス縦断コースの直線距離は、伸びたスケールが230kmです。
沿面距離では、ほぼ倍の415kmに及びます。
※沿面距離とは、標高の高低差と隘路を含めたすべての歩行距離
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/6d/4c9577bf849df1ce06ee391d40000582.jpg)
調べてみると、![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0190.gif)
先ほどのパタゴニアのレースは2004年から・・
UTMBはお伝えのように2002年から、
そしてこのTJAR(トランスジャパンアルプスレース)も同じ2002年に
第1回が行われて以来、2年に1度の開催で今年で第6回目を数えてい
ます。
過去12年に6回も行われている歴史あるレースなのに、エントリーする
人が極端に少なくメジャーにならないのは何故か?
2012年開催時でもエントリーはわずか28名です。
それは、この大会の参加要件のハードルがとても高いからであろうと
考えられます![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hand_iine.gif)
【参加要件】
フルマラソンを3時間20分以内もしくは100kmマラソンを10時間30分
以内で走れる能力が必要で、その他にも2,000m級の高地でツェルトや
エマージェンシーシートだけでビバークできる登山技術(読図力、気象知識)
が備わっていること・・・
他にもいろいろあるようですが、これでは外国人選手は皆シェルパ兼伴走者
と一緒に登らなければならないので参加は無理ですね(笑)
カシミールでコースをなるべく忠実に辿ってみましたが、沿面距離で44km足り
ません(371km)。実際にはもっと曲がりくねったコースなのでしょう
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/e8/47c2736d1364afe148be3131972f0546.jpg)
累積標高は+-2万2,000mを超えています。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0059.gif)
この大会で過去に5日間5時間22分を大会記録を出している望月将悟
選手は、今大会は5日間6時間24分のゴールでした。
それでも2位との差は歴然です。
レースごとの最高タイムから逆算したスピード(時速)は、
マラソン42.195km⇒20.5km/h
ウルトラマラソン100km⇒16.1km/h
UTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)166km⇒8.1km/h
TJAR(トランスジャパンアルプスレース)415km⇒3.4km/h
山歩きやマラソンをする人は、だいたい自分が時速何kmで歩いている
(走っている)のかがわかるものです。
時速3.4km(平均)というのはどうでしょうか?
Toshiの感覚からすると、これは信じられない速さです。
平地を早歩きするスピードが凡そ時速4kmと言われています。
そこに「寝て」「食べて」「山を越えて」「谷を下って」「(排泄はほとんどない
のかも?)」で3.4km/hというのは驚異です![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hakushu.gif)
さて、番組の見どころは・・・
参加者平均年齢は、意外と高い40歳、
体力以上に経験がものを言うからなのでしょう。
ザックの重さは最小限、皆5kg以下にまとめます。
~
日本海を出発してわずか3時間ののち、トップランナー達は剣岳の頂上
を踏んでいます。(通常9時間の行程らしい)
(抹消線部分は後日3時間ではなく6時間30分とのご指摘を受けました)
途中、北アルプスを登山しているオバサン達が普通に下山途中で行き交い
ます。
登り優先だけれど、あまりに早いスピードで登ってくる望月選手を避け
きれず・・・
オバサン
「あ~すみません、、ありがとうございます(避けてくれて)、、どこまで
いくんですか~♪」
望月選手
「・・・・うーーーん、(なんと答えていいか悩んだ末)太平洋まで
」
オバサン
「えーーーーーーーーっ
」(絶句)
こんな具合です![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_tehe.gif)
夜もヘッドランプを付けて登ります。
剣岳や槍ヶ岳のような急峻な岩場が次から次とあります。
風速20m、台風並みの風にさらされることもあります。
体感温度は0度を下回るときもあります。
毎日テントの設営と解体を自力行います。
・・・
過酷なのは眠気、睡魔との戦いであり、
ここに誰が名づけたか「トランス」の意味があるのではないでしょうか?
望月将悟選手の睡眠時間は、彼の言葉から...3日目の時点でわずか
6時間とのこと。
リタイヤする選手のほとんどは自律神経異常が原因で歩けなくなると
いうのも特徴です。(痛いとか疲れたではない)
過酷すぎませんか![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0159.gif)
この選手、テントも設営せずに仮眠のご様子
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/18/88/91ec23916411e987e9b135e9644bab07_s.jpg)
ただユニークなのは、途中お風呂に入ったり茶屋で食事を摂るのは
OKなんですね。(但し自力でお金を払う・・に限ります)
お風呂に入って、寛いで、寝て・・・さあまた起きられる・・というところが
これまた凄い![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_yaho.gif)
これ以上の過酷なレースを他に知っていたら教えてください![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/dogeza.gif)
北野聡選手(45歳)は癌を克服しての出場、登山歴10年、ロード6年、
トレイル4年で素晴らしい走り...
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/2b/f531de1a845aa44cc3d5a789aeb8815b.jpg)
そりゃあ嬉しいだろう400km以上も山を走ってのゴールだものなぁ![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0158.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/e6/09859e7ab5a33c1ebadbdbf8b21aa714.jpg)
地味な写真ですが、この体でグレートエンデュランス・チャンピオン
「望月将悟」選手(34歳)
静岡県の消防士さん、山岳救助がお仕事
です。因みにマラソンは2時間35分って、そう見えないところが凄い(失礼)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/ee/b71940e668271e73db5e2331c00aa737.jpg)
最後に北海道在住の皆さんにイメージしやすいように、札幌から415km
先ってどれぐらいの距離???をこれまたカシミールで辿ってみました。
なんと、札幌から国道274号線、日勝峠を越える一般道ルートで根室の
手前まで行ってしまいます![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase1.gif)
はぁ~ もはや人間業とは思えませんよね![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_keibetsu.gif)
北海道でも同じように、
激走!「北海道大雪山大縦断」をやるとしたら、どういうルートがいい
のかを考えたら、その時はまたその“感動のルート”を書きま~す![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0087.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/38/e8/320aae61e5c353932477c225c28050ef_s.jpg)
このレースの模様は近日再放送が決定しました。
皆さん良かったら是非見てみてください![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0160.gif)
NHK総合テレビ再放送
10月28日(日)前1:35~2:48
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/98/db066abd93830060ca92bf0560203ba2.png)