10月にもなってしまいました。この連休中にはずいぶんと遅い冠雪(冠霜)
の便りが届けられたようですが、今回登った東大雪山域からの距離では、
表大雪(旭岳~黒岳)のうっすら・・・という雪の様子まではわかりません
でした。
季節はまさに“寒露”の今日は、東大雪の名峰『ニペソツ山(2,013m)』
に登ってきました。
天狗平からのニペソツ山北斜面
今頃、三連休を謳歌しているであろうアミーゴさんと「10月の連休は東大雪
に・・・」を目論んでいましたが、あいにくToshiの業務多忙につき土曜日を
里で過ごす結果になってしまいました。(残念)
その土曜日を無駄に過ごしたくないアミーゴさんは、今頃表大雪「赤岳(銀泉台)
~忠別岳」あたりで、遅い紅葉を眺めているのではないでしょうか?
大雪山の表と裏にわかれて、この時期この山域に居られることは、どちらに
せよ幸せです
さて、「ニペソツ山」は、たまさかですが10月6日(土)道新の“ほっかいどう
山楽紀行”というエッセイでで紹介されたせいかどうかわかりませんが、けっ
こうな数の登山者で賑わっていました。
といっても、Toshiが本日選んだコースは幌加温泉コース。
このコースは、距離も長く、廃道寸前だという触れ込みなので、登る人は少な
いだろうと敢えてこちらからアプローチすることにしました。
■4:55 幌加温泉登山口
登山口の立派な看板を越えて300mほど林道を歩くと、入山ポストがあります。
なんと、7月21日から記帳が無い・・・
よくあることですが、
こういった場合、登山道は荒れている。
途中に現れる沼、先が長いのでゆっくりもしていられません。
荒れているどころではありません。
笹が伸びたい放題、途中、森林限界を越えた尾根には刈られていないハイ松
に行く手を阻まれて、ジャングルジムさながらです
凡そ、登山道などという体裁がなく、踏み後も定かではない。
おまけに、目指すニペソツの頂上辺りを濃いガスが覆っている・・・
~
やっとこさ、前天狗直下の東壁まで来たところで上空が明るくなってきたので、
「ホッ」、羆の掘り返しや糞を横目に、ガレ場に取りついて最後の急登を行き
ます。
~
■9:20 前天狗
おおぉ~
悪戦苦闘の甲斐あり、前天狗(1,770m)付近からはニペソツの雄大な姿が臨め
ます。あ~りがとぉぉう
~
徐々に広がるニペソツの雄姿
~
そうこうして、天狗平を乗越たあたりで三脚を用意し、ニペソツの姿に照準を
合せていたときに、どこかで見たような後ろ姿の女性が・・・
「あれれれ?Chiekoちゃん!」
Chiekoちゃんは、アミーゴ登山の繋がりで知り合って、何度か山行を共に
した仲間です。奇遇ですねぇ
年間を通して山に向かう回数の多いChiekoちゃん、目指す山域が同じって
ことですねぇ~
東大雪は多少でも他の山域より晴れる確率が高く、且つ2,000m級である。
ここですね
さぁ~すがぁ~Chiekoちゃん、山屋さんとしての嗅覚抜群だね
って、これ自分を褒めている?
そこから先、幌加コース下りは止めてお二人と行動を共にすることになりました。
Chiekoちゃんとご一緒のAsakoちゃんは、山のお友達とのこと。
これもご縁だから、これからも宜しくね
あ~、あの笹漕ぎしなくてイイと思うと気分が楽だあ~
Chiekoちゃんは女神だなぁ~
このあたりのガスも暫くすると抜けてきます。
写真が多すぎて纏まりません。
「Asakoちゃん、もうすぐだよぉ~」と応援しながら、気が付くと頂上
間近ですよ。
秋だから花は咲いてないけど華があって嬉しい登り
~
■11:00 頂上
爽やかな秋の風が吹き抜ける頂上で...向かって中央がAsakoちゃん、右がChiekoちゃん
心配していたガスも抜けて、日頃の行いが良いことがわかります
やはりこの日は、東方が比較的よい天気でした(表大雪は1600より上がガスの中?)
風も冷たいので、食事は下山の途中で・・・と決めて下山開始です。
■11:20 下山
~
■12:35 天狗平を過ぎたところで食事
~
■13:05 出発
陽の射す様子が午前中と変わっています。
明日、登る予定の「石狩岳~音更山」がながめられます
ご一緒していなければ眺められない十六の沢(杉沢)コースの下山景色も楽しむ
ことができました
Toshiにとっては来し方ではない下り.....Asakoちゃんは、
「やっぱり、下りは長いよねぇ~」と...よく分かります、不思議だね
~
~
■16:05 十六の沢(杉沢)登山口
我々が最後の下山者なのに、まだこんなに車が?の訳は、すべて山中泊者と明日組の車です。
Asakoちゃん
Chiekoちゃん
今日は、ほんとにありがとう
コース2つも欲張って楽しめたのはお二人のお蔭です。
【余談】
登山愛好家:坂口一弘さんの北海道新聞連載『ほっかいどう山楽紀行』を
楽しく読ませていただいています。
以下業務上、紀行の愛読者として、記事の若干の引用をご容赦いただきたい
『日本百名山』に何故この山が入っていないのか?
それほど人気の山であることを実際に歩いてみてわかりました。そして、
その話題にToshiもようやく付いていけることになりました
そして疑いなく北海道の三指にはいる名山であろうと感じました。
深田久弥は、日本百名山を著したときにはまだニペソツ山を登っていな
かった。その後、この山に登って曰く「一番先に百名山に入れ替えたい山」
と話したのだと紀行に書かれています。
Toshiだって、今の今まで、このニペソツ山登頂が後回しになったのには
いろいろと訳があってのことです
話すと長くなりますからやめておきますが(笑)、深田久弥ならずとも、
登りたいと念願しながら、主に天気が味方してくれずに、なかなか辿りつ
けない山っていくつかありますよね。
皆さんはどうですか
【備忘録】
- 下山後、Chiekoちゃん、Asakoちゃんとご一緒した幌加温泉「鹿の谷」
は、一泊2,500円で味のある温泉を楽しめます。
但し、周りの旅館が廃館してただ一つ残った同旅館は、土日は登山客等
でいっぱいのようです。食事は自炊が原則で、すべて持ち込み、寝袋持参
下さい。
- 来年2,013年は、標高「2,013m」のニペソツ山記念の年です。さて、
幌加温泉コースも少しは登山道が整備されるのか?
※後日、Chiekoちゃんにナキウサギの画像を送っていただきました。
121007『ニペソツ山』