北海道は、日本全国から見れば、新しい街ばかりであります。
しかし、色々な理由で、街の名前が住居表示から消えてしまう、という現象がやはり見られます。

バス停に記されている「旭町(あさひまち)」(札幌市厚別区)も、住居表示として残らず、消えてしまった地名。
バス停と一部の施設にしかその名をとどめておりません。
厚別(あつべつ)区の中心部に位置していた旭町は、厚別副都心計画の下、各種施設が整備され、人口が集中しました。
そのため、地域を再編成することとなりました。
以下、その歴史であります。
はじめは白石村大字白石村旭町でありました。
1950年(昭和25年)札幌市と白石村の合併で「厚別町(あつべつちょう)旭町」となる。
1972年(昭和47年)札幌市が政令指定都市となり、「白石区厚別町旭町」となる。
1982年(昭和57年)一部が「厚別南1~7丁目」、「青葉町1~16丁目」、「厚別中央1~4条」に編入される。
1988年(昭和63年)別の一部が「大谷地東1・4・7丁目」に編入される。
1989年(平成元年)白石区から分区し、厚別区が誕生、「厚別区厚別町旭町」となる。
1989年(平成元年)残った地域が、「流通センター4~7丁目」に編入され、「厚別町旭町」の行政地名が消失する。
厚別区の中心部にあったのに、消失してしまうこともあるのですね。
実は「厚別町旭町」の名残を探しに、街歩きをしようと計画を立てていたのですが、コロナ禍で頓挫しておりました。
「流通センター」の街歩きをしている時に、偶然にもこのバス停の前を通り、目的を達成させることができました。
ものすごく貴重なバス停であります。
バス停の前で、一人感動しておりました。
ところで「旭町」の名の由来。
かつて国道12号沿いに生えていた一本の松の木の名前から来ているそうです。
「朝日松」という名だったそうですよ。
なお、札幌市豊平区にも旭町がありますが、そちらの名の由来は、リンゴの品種「旭(あさひ)」から来ているとのこと。
リンゴ園が多かったのだそうです。
(「旭町」という地名は全国にたくさんありますね…)
<参考資料>
- ウィキペディア「厚別町旭町」
- 『札幌の地名が分かる本』(関秀志・編 亜璃西社)

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