美しい花の観賞はウォーキングの楽しみ。
花の名前を覚えるというのも立派なウォーキング・テーマであります。
街ならではの花もあり、面白い発見があったりします。
北原白秋・作詞、山田耕作・作曲の「この道」や石原裕次郎のヒット曲「赤いハンカチ」に出てくる「あかしや」や「アカシア」は、この木のことを指していると言われています。

「ニセアカシア」であります。
和名は「ハリエンジュ」。
北アメリカ原産で日本には明治期にやってきました。

最初は「アカシア」と呼ばれた「ニセアカシア」ですが、後に本来のアカシア(ネムノキ亜科アカシア属)の仲間が日本に輸入されるようになり、、「ニセアカシア」と呼ぶようになりました。
しかし、現在でも混同されることが多いそうです。
ちなみに「アカシア蜂蜜」は「ニセアカシア」の蜂蜜であります。
これは結構、厄介な問題かもしれません。

札幌では街路樹や公園樹としてあちこちで見かけます。
花が咲くと、それはもう良い香り。
その香りで近くに「ニセアカシア」があることが分かります。
生育がきわめて早く、痩せ地でも育つことから、様々な場面で利用されてきました。
(しかも硬度も高い。)
(しかも硬度も高い。)
- 食用
・蜂蜜
・アカシア酒
(ただし、葉、果実、樹皮には毒性があるそうです。気を付けましょう。) - 緑化資材
- 薪炭材
材が固く、ゆっくり燃焼するので火持ちが良いこと、そしてある程度湿っていても燃えることなどから、寒冷地の暖房用燃料として特に北海道で多く植えられました。 - 土木資材
硬度があり、耐久性も高いことから坑木などに利用されました。

しかし、強い繁殖力を持ち、各地で野生化して生態系に影響を及ぼすことから、環境省の要注意外来生物リストに選定されています。

名前の由来について。
「ニセアカシア」はラテン語の直訳から。
(ラテン語でも「ニセアカシア」と言うのですね。)
(ラテン語でも「ニセアカシア」と言うのですね。)
「ハリエンジュ」は漢字では「針槐」と書き、中国原産のマメ科で落葉する高木「槐(エンジュ)」に似た木で、枝や幹には針のようなトゲがあることから。

このトゲを見ると、時々怖くなります。葉っぱが根元や幹のあちこちから生えてくるので、剪定が大変なんじゃないかと思います。
人間の都合で利用されたり、邪魔者扱いされたり、呼び方も変えられたりと、調べているうちに何だか気の毒に思えてきた「ニセアカシア」。
とりあえず、今後は「アカシア」と言われても、ハリエンジュの方か、それとも黄色い花(俗称は「ミモザ」)の方なのか、気を付けて聞きたいと思います。
(「ミモザ」の名前についても色々あるみたいですよ。)
北海道の暮らしを大きく支えてきたこの木の花を道や公園で見かけた時は、愛情をもって見つめたいと思います。
<参考資料>
- ウィキペディア「ニセアカシア」
- 花言葉辞典・花言葉「ハリエンジュの花言葉」
- 札幌シティガイド検定公式テキスト(平成30年度訂補版)
- 『知りたい北海道の木100』(佐藤孝夫・著 亜璃西社)

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