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「おばら犬猫病院」スタッフによるブログ

フィラリアの予防について☆

2013年04月21日 | 日記
春は色々な予防が始まる時期ですが、その一つに
「フィラリア症」の予防があります

フィラリアというのは、蚊からうつる寄生虫です

蚊がフィラリアに感染した犬を吸血すると、フィラリアの幼虫が蚊の体内に入り、
その蚊がまた別の犬を吸血することで感染します

犬に感染したフィラリアの幼虫は、2~3カ月で血管内に侵入し、
肺動脈という太い血管や心臓に寄生し、成虫になります



寄生する数が増えると、血液の循環や肺に悪影響を及ぼし、
咳や呼吸困難などの呼吸器症状、腹水、貧血などの症状が現れ、
最悪の場合、命に係わることもあります

感染してしまった場合、内科療法では寄生しているフィラリアを薬で駆虫しますが、
その死骸が血管を詰まらせてショックを起こしてしまう場合があります
また外科療法では手術をおこない、寄生しているフィラリアを取り出します

どちらも簡単な治療ではないので、予防で感染させないことが何より大切です

フィラリアの予防薬というのは、蚊からの感染を防ぐ薬ではなく、
体内に入ったフィラリアの幼虫を、血管に入ってしまう前に殺すお薬です



なので、蚊が出始めた1か月以内~蚊が見られなくなった1か月後まで、
毎月しっかり予防することが大切です

特に最後の1回を忘れてしまうと、感染したフィラリアの幼虫が
次のフィラリア予防の時期までに、成虫になってしまう可能性があります

すでに感染している子にフィラリアの予防薬を投与すると、
血液中の幼虫が死に、血管につまったりアレルギーを起こすことがあります

そのため、毎年フィラリアシーズンの初めに血液検査を行い、
フィラリアの感染がないことを確認する必要があるのです

シーズン中しっかり毎月予防をしていた場合でも、
何らかの原因によりお薬が効かず、感染してしまっている可能性を考えて、
同様の血液検査を行っています

また、フィラリアは猫にも感染することがあります
猫の場合、体内に侵入しても幼虫は途中で死滅することが多いのですが、
まれに成虫になり、症状が現れることがあります

うっかり忘れがちなフィラリア予防ですが、
カレンダーに印をつけるなどして、毎月しっかり予防したいですね

フィラリア予防のお薬にはいろいろなタイプがありますので、
診察の際にご相談ください