goo blog サービス終了のお知らせ 

(た)のShorinjiKempo備忘録

※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。

袖巻

2025年04月18日 | 柔法
備忘録、という事で今まで少林寺拳法(以下SKと略す)について考えてきた事を、自分がボケる前に記しておこうと思うのですが、ブログの説明に書いてある通り、
※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。
SKの技について考察はするのですが、もし本部の公式見解と矛盾していたら、私の方が間違っていると考えて頂いて差し支えありません。個人の備忘録ですから。。


     ◆     ◆     ◆

袖巻は、旧・科目表では1級科目として習得した羅漢拳(衣服捕り)の法形です。手首を極めて相手を捕まえる技になります。
科目表では攻撃は「後袖を握り引く」とされています。通常は上袖を深く掴んで引いてくる相手に対して行なうので、「上袖巻 (ウワソデマキ)」とも呼ばれます。同様に「袖抜」を「上袖抜 (ウワソデヌキ)」、「袖捕」を「上袖捕 (ウワソデトリ)」と呼ぶ事もあります。ただこの点は注意が必要で、教範的には袖巻と袖捕の攻撃は「上袖を掴まれた時」とは書かれていないのです。
どういう事かと言うと、教範には袖巻は「例えば相手が… 我の後袖を握り、引いて来た様な場合」とあるのです。「例えば…」なので後上袖も想定しているのかが不明ですが、少なくとも下袖は想定している訳です。
上述した通り、袖巻の攻撃法は科目表では「後ろ袖を握り引く」なので、袖捕と袖巻の使い分けとしては、現在一般的には、上袖を浅く掴まれた時(前袖)は袖捕、上袖を深く掴まれた時(後ろ袖)は袖巻、と指導されています。

さて教範には実際に後下袖を握ってきた相手に対し、開祖が袖巻を行なう写真が掲載されています。ここで重要なのは掛手だと思います。送小手の掛手をしっかり掛け、攻者の手首を殺すように操作出来れば、肘に引き寄せる(or腕を差入れる)事で、肘関節近くで前腕でも袖巻を捕れると思います。
高段位でお暇な方は、是非下袖での袖巻にも挑戦して下さい。
因みに教範初版には「下袖巻」という表現もあるので、「上袖捕」という記載と併せて考えると、教範初版の段階では、上袖は袖捕で捕り下袖は袖巻で捕る、という考えもあったのかも知れません。。

しかし級拳士には勿論、上袖巻の基本を指導します。

     ◆     ◆     ◆

上袖巻は十字小手と同様、S字系の法形です。
攻者は袖をしっかり握って引いてくるので、鉤手守法では腰を落として引かれないように食い止めます。余りに攻者の握りが深いとS字に返そうとした際に突っ張られてしまう事があるので(押切抜の時のような状況)、鉤手守法の際に肘をやや引いて、攻者の掴んでいる部分を少しでも前に送ってやると良いです。(それで上袖捕になっても実戦ではOK無問題👍)
S字系では攻者の掴み手の天地を上下逆にしなければなりませんが、袖がユルユルだと返らないことがあるのは上袖抜の項で述べました。緊張状態を作る意味でも、少し肘を引いて守ります。
S字を作る際に気を付ける事は、十字小手片胸落襟十字と同様です。
そして羅漢拳では、合掌の力で抱き締めるように(キャッチ=制圧)するのが、大切です。

固めた後、当身を入れて間合いを取り、残心するのですが、S字を解除すると攻者はたちまち起上がって反撃しかねませんので、私としては上袖巻の形を緩める事なく、短い射程の蹴上げを入れた方が良いと思います。
実際には蹴り射程を取る為に上袖巻を解除して、少し間合いを空ける先生が多いです。そうであれば、挟みを解除した方の手で攻者の肘をしっかり保持し、S字自体はキープして下さい。両手とも脇を締め、或いは我の骨盤や鼠径部に固定する意識を持って下さい。
一般に、羅漢拳の後、最後の当身前に制圧がおざなりになる(解除してしまう)拳士が多過ぎます


コメント    この記事についてブログを書く
« 払受蹴 | トップ | 袖巻天秤 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

柔法」カテゴリの最新記事