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(た)のShorinjiKempo備忘録

※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。

襟抜

2025年04月23日 | 柔法
備忘録、という事で今まで少林寺拳法(以下SKと略す)について考えてきた事を、自分がボケる前に記しておこうと思うのですが、ブログの説明に書いてある通り、
※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。
SKの技について考察はするのですが、もし本部の公式見解と矛盾していたら、私の方が間違っていると考えて頂いて差し支えありません。個人の備忘録ですから。。


     ◆     ◆     ◆

襟抜は、旧・科目表では1級科目として習得した衣服取りの龍王拳(抜き技)です。
科目表では攻撃法は「下襟を握り引く」とありました。洋服では襟は首周りにしかありませんが、上着類(ジャケット)の前裾を<下襟>と考えれば、そこを掴まれる事は充分考えられます。衣服を握ってくる攻撃への対処は非常に難しいので、よく練習する必要があります。特に下襟部分はゆとり幅が大きく、その儘では固定出来ないので、襟抜は衣服取りの抜き技の中でも最難関かも知れません。。

守者の構えは逆下段構えです。
旧・1級科目で守者が逆下段構えを取るのは、龍王拳の袖抜・襟抜と羅漢拳の袖捕・袖巻・袖巻天秤・腕巻で、同じく羅漢拳の片胸落・襟十字では下段構えとなっています。これは「押す攻撃」に対しては下段構え、「引っ張る攻撃」に対しては逆下段構えで修練する、という事です。
引かれる攻撃に対して逆下段が守者に有利なので、2級拳士としてはその形で修練しているのだと理解して下さい。
※一般的には例えば左下襟で技を行なう場合、「右前の逆下段で誘う」という事になると私は思っていたのですが、逆下段構え・下襟を誘う、という技の性質上、いつもより守者が攻者に正対するので、左前の逆下段で誘っても不自然とは言えません。(道衣は結局左襟が前に出るので)

洋服では襟合わせが男女で異なり、男性は左襟が上、女性は右襟が上に来るように作られています(ボタンがあるので)。しかし和装の着物では自分で重ねて帯を締めるので、どちらの重ね方も出来てしまいます。そこで着物では男女ともに左側を上に重ねるのが決まりになっています。それを「右前」と呼ぶのは、まず右襟を先に身体に合わせ、続けて左襟を被せるからです(自分から見て「先に右」を「右前」と呼んでいる訳ですね)。因みにこれを逆(左前)にするのは死者の着装です。

道衣は双円ロゴが印刷されている左襟を上に着ているので(=右前)、一般に襟抜は左下襟で修練する事が多いですが、SKは左右同等ですので、当然右下襟でも修練する必要があります。その場合は仕方無いのですが、よく襟抜の練習時に、攻者が掴みやすいように守者が帯から襟を引き出してやる誘いを見掛けます(私も指示してそうさせます)。
「逆下段構えの中で(しっかり襟が入っていると)攻者が下襟を掴むのが不自然だから」という視点を保持して欲しいと思います。大会演武の途中などでは、逆にその行為が不自然に見える事もあります。

別件ですが昇級昇格の試験会場で、技の途中で襟がはだけてしまったのをその儘にしている拳士を見掛ける事がありますが、たしなみとして、技が途切れた時・調息の時にその都度、襟を正すようにして欲しいと思います。(大会演武中にそうなった時はいつ正すかは判断が難しい場合がある。基本的には演武終了時)

     ◆     ◆     ◆

襟抜は基本的に上袖抜の方法で抜くのですが、上述の通り攻者の手が自由になり易く抜けづらいので、どうやってそれを固定するかが肝 point になります。
多くの先生の指導では、攻者の腕の上から回し入れた我の肘尖で攻者手首の内側を打ちます(内手首への横肘当て)。もしこの打撃で攻者の掴みが解除されてしまっても、それは本来の護身としてはOKです(強過ぎる当身は不可という事は無い、寧ろ軽過ぎて攻者に何のダメージも与えられないと益々強く握られてしまう)。但し、毎回解除されてしまって襟抜の練習にならない場合は、この事を了解した上で手加減して下さい。内手首への打撃(横肘当て)は、やらない先生もいます。
横肘当てからその儘、掬上げるように我の上腕部に攻者の掴み手を載せます。そして我の前腕を下から回して挟み、身体を捻って攻者の手首を殺す訳です。この時、肘で挟んだ瞬間があたかもそこの上袖を掴まれた上袖抜と全く同じ状態になるようにするのが一番の肝 point なのです。後は上袖抜と同じようにS字で抜いて処理します。
手首を天地逆に返さなければなりませんので、緊張を作る事と肘関節でしっかり挟んで保持する事に努めて下さい。

牽制の当身は、掴まれた方の腕を上から回し入れる際にその手で目打ちをし、更に肘関節に挟む際に反対の手で2回目の当身を入れる先生も多いです。牽制が2回(1回のみの場合も)、腕を大きくグルグル回して抜いてから裏拳を入れるので、傍目に見ると結構抜くのに時間を要する法形です。
ですが攻者の側に立つと、目打ちの連撃を入れられている内にあれよあれよと抜かれてしまった、という風に感じるのです。そういう技のリズムも理解して下さい(抜く事も難しい法形ですが、この<リズム>も中々難しい法形です)。

上膊抜(片手) 袖抜 襟抜 Short Ver.: 連続複数法形修練 (金剛禅総本山少林寺公式Chより)
いやぁお見事です。こんなスピードではよう抜けません。。

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