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(た)のShorinjiKempo備忘録

※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。

小手抜

2024年11月16日 | 柔法
備忘録、という事で今まで少林寺拳法(以下SKと略す)について考えてきた事を、自分がボケる前に記しておこうと思うのですが、ブログの説明に書いてある通り、

※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。

SKの技について考察はするのですが、もし本部の公式見解と矛盾していたら、私の方が間違っていると考えて頂いて差し支えありません。個人の備忘録ですから。。

     ◆     ◆     ◆

小手抜は、旧・科目表では6級科目であり、最初に習う龍王拳(抜き技)でした。
5級科目の寄抜は「片手寄抜」であるのに、どうして「片手小手抜」ではないのか、と思った事はありませんか。寄抜には「片手」以外に「両手」がありますが「諸手」はありません。小手抜には「両手」も「諸手」も無いから「片手小手抜」と呼ばないのです。(私自身は時々呼んでますが)
小手抜と同じく、攻者が対の手(守者の右手に対してであれば右手)で掴んでくる切返抜の場合、「両手」は無いですが「諸手」はあります。なので「片手切返抜」です。

対の手で掴んでくる技で攻者が両手で掴もうとすると「バッテン(X)に掴む」事になるので、起こりにくい状況であるとして、SKでは「対の手攻撃に対する両手技」はありません。

「諸手」について考えると、小手抜+寄抜(巻抜)の形になるのです。「諸手小手抜⇔諸手寄抜」なので、技の名前も変わります。即ち、「諸手輪抜」若しくは「諸手巻抜」となります。

(追補:名称について、小手抜に関しては上記で良いとも思うのですが、他の龍王拳については整合性が取れない?ものもあるようなので、後日機会があったらまた考えたいと思います...)

     ◆     ◆     ◆

小手抜でまず学ぶべきは、兎にも角にもSK柔法の大原則「鉤手守法」です。合気道や他の柔術系のひとに尋ねれば「我々にも同じ技法はある」とか言われるのかも知れませんが、私が知る限り鉤手守法こそが、開祖が発明したSKの特徴であり且つ技法の基盤だと思います。

引き崩してくる攻撃に対し、まず守り反撃の体勢を作る(絶対不敗の体勢)。
まずは「五指を開くこと」「肘を前三枚に固定すること」を徹底させます。最初は遅くても硬くなっても構いません。握られたら一足入れて一拍で鉤手守法になれるように繰り返し修練します。

指導する側が次に気をつけるべきは、「間違った小手抜」をさせないという事だと思います。道院でも大会でも動画でも、間違った小手抜をしばしば見掛けます。龍王拳の基本原則を理解していない小手抜です。
小手抜で、抜いた瞬間に抜いた攻者の手を下に叩き落とすようにはたいてから裏拳を打つ拳士をよく見掛けます。それはやりたければ(出来るなら)やれば良いのですが、それに重きを置き過ぎて、肘を出す事を疎かにしている拳士が(子供を中心に)沢山います。最悪、鉤手から手掌を下に返して突抜のように下に押し抜いている者までいる始末です。
子供では手をブン回して抜いている場合も多いです。
龍王拳の基本原則は「抜く場所は動かさない」です。それによって梃子の原理を用いる事が出来るのです。抜く場所が回転の中心ならなければなりません。
「間違った小手抜」を粘り強く注意し、修正する事で、まずは充分だと思います。

抜いた腕を弾き出した方が良いのは、その腕が次の反撃の邪魔になる時です。小手抜であれば裏拳打の邪魔にならないのであれば無理してはたき落とす必要性はないのです。その次の逆中段突の邪魔になる事はあるのですが、その対策としては小手抜の抜き方を変えるのではなく、運歩と振り身より位置取りを変える事で対応する方が基本です。

(*偉い先生が行なう破・離の小手抜については別件です。私が考察しているのは基本の小手抜です。因みに、私はSKは基本の技術がキチンと出来れば、護身にはそれで充分だとも思っています)

小手抜 片手寄抜 巻抜(片手) Short Ver.:連続複数法形修錬 (金剛禅総本山少林寺 公式YouTubeチャンネルより)
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