近江八幡市の滋賀県立「八幡商業高校」の生徒23人が、7月22日から6泊7日の日程で天秤(てんびん)棒を担いで全国を行脚した近江商人の足跡をたどりつつ販売実習に挑んだ。
7月28日(土)には近江八幡に戻り、商業施設や直売所で仕入れた商品を販売した。
↑写真:中日新聞より
近江商人の経営哲学「三方よし」の精神を引き継ぐ”行商体験”「近江商人再生プロジェクト」で、今年で10回目を迎えた。
行商体験を前に、富山県の氷見うどんや高岡のラムネ、岐阜県のはちみつケーキやせんべい、みそなどの名産品を仕入れた。滋賀県産の漬物、近江牛丼、ヨシうどん、甲賀市土山町産の茶葉を使った水出しほうじ茶、八日市南高の生徒が手摘みした無農薬の政所茶と琵琶湖のゴリを使った茶漬けの素などをそろえ、出発した。
富山市や新潟市、福島県郡山市、東京都葛飾区、近江八幡と夫婦都市の静岡県富士宮市、岐阜県大垣市などを訪問した。各地では台車に商品を積み、主に3人1組で個店や民家を訪れ、商品をPRして販売。近江商人の末裔(まつえい)や卒業生らと交流したほか、近江八幡発祥の企業も訪ねた。
アル・プラザ近江八幡では7月28日、1年生の12人が販売体験。滋賀、富山、岐阜の各県の特産品をテーブルに並べ、買い物客に声をかけながら販売した。
古株学人(まなと)さんは「1週間でコミュニケーション能力が高まったと思う。車がなかった時代の近江商人は大変だったと感じた」と話した。
塚本莉央さんは「人見知りする性格で最初は戸惑ったが、明るく笑顔で応対できるようになった」と振り返り、「商品販売は事前の準備が大切。商品の特徴だけでなく、ゆかりの土地の歴史や風土を調べて臨み、会話が弾むきっかけができた」と成果を感じていた。
<中日新聞より>