ノーベル生理学・医学賞受賞が期待された大阪大特任教授の坂口志文(しもん)さん(71)の出身地、長浜市では10月3日夜、長浜市役所に同級生、長浜市幹部らが集まり、快挙の知らせを待った。しかし、受賞はならず、次の機会に期する声が聞かれた。
会場では、関係者約40人が大画面のニュースを見詰めた。吉報は入らず、司会が、受賞ならなかったことをマイクで伝えると、小さなため息が漏れた。
坂口さんの兄偉作さんは「世界相手の話だから、そんな簡単には取れないですね」と冷静。「候補にもなかなかなれるものではない」と弟を称えた。
母校である滋賀県立長浜北高校の同級生、丹部孝さんは「最近のノーベル賞は、世の中で役に立っている研究が受賞しているので難しいかなと思っていた」と率直に語り、「(坂口さんの研究は)実用化にまだ時間がかかる。成果が出れば変わると思う。気長に待ちます」と前向きだった。
同級生の坂東武久さんも「また来年。いつかとってくれるのは間違いないから」と次回以降に希望を残した。
長浜北高の北村登志子校長は「候補に上がり、地元の人たちにこうして集まって見守られること自体がすごい。在校生の自信につながれば」と話した。
<中日新聞より>
坂口 志文(さかぐち しもん、1951年1月19日 - )は、日本の免疫学者、医師。大阪大学栄誉教授。滋賀県長浜市出身。
過剰な免疫反応を抑える制御性T細胞の発見と免疫疾患における意義を解明したことで知られる。
過剰な免疫反応を抑える制御性T細胞の発見と免疫疾患における意義を解明したことで知られる。

↑写真:Wikipediaより
略歴
地元の公立小中学校から滋賀県立長浜北高等学校を経て、1976年京都大学医学部医学科卒業、医師免許取得。1977年大学院を中退し、愛知県がんセンター研究所実験病理部門研究生となる。
1983年医学博士(京都大学)。論文の題は「胸腺摘出によるマウス自己免疫性卵巣炎の細胞免疫学的研究 (Study on cellular events in postthymectomy autoimmune oophoritis in mice)」。
1983年ジョンズ・ホプキンス大学客員研究員、1987年スタンフォード大学客員研究員などを経て、
1995年東京都老人総合研究所免疫病理部門部門長。
1999年京都大学再生医科学研究所生体機能調節学分野教授。
2007年同大学再生医科学研究所・所長。
2010年国立大学附置研究所・センター長会議会長。同年から大阪大学に移り、免疫学フロンティア研究センター教授。
2012年米国科学アカデミー外国人会員
2013年大阪大学特別教授。2016年同名誉教授、京都大学名誉教授。
2017年大阪大学栄誉教授。
栄典
2017年 - 文化功労者
2019年 - 文化勲章
<Wikipediaより>