まことへ

あなたに初めて会ったのは、もう十年以上前、あなたがまだ小学生の頃でした。

料理上手なお父さん、家事は苦手だけど仕事ができて明るく朗らかなお母さんに愛されて、すくすくと成長していく姿を毎週影ながら見守っていました。




妹が生まれた時のあなたは本当に嬉しそうでした。

初めての恋に一生懸命になるあなたはとても輝いていました。

すべての出来事にはお父さんの作った素敵な手料理が添えられいて、それにより思い出はより印象深くあなたの心に刻み込まれた事でしょう。




何年かの間、そうして毎週あなたを見ていたのですが、私も忙しくなり、毎週が数ヶ月に一度になり、いつしか疎遠になっていってしまいました。





先日、ふとあなたのことを思い出し、久し振りに会いに行ったときの驚いた事といったら…！

あなたは大学生になっていました。
親元を離れ沖縄の大学に進学し、先輩達にお父さん仕込みの料理を振舞う立派な姿。

あなたの成長に胸が一杯で、こうして手紙を書いた次第です。
これからはできるだけ頻繁にあなたに会いに行こうと思います。

お父さん、お母さん、妹のみゆきちゃんを大切に、仲良く暮らしてください。
それではまた。



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あ、「クッキングパパ」の話です。