栽培中のひまわりの葉を食害しているグンバイ虫は、アワダチソウグンバイ
と判明致しました。(グンバイ虫はアブラムシと同じように、葉を食べるのではな
く、針を刺して葉の液を吸う)
この虫は、2000年に初めて兵庫県で発見された新害虫で、北米より浸入
したものです。恐らく茨城県でも数年前から発生していたのではないかと
考えられます。
名前の通りセイタカアワダチソウをはじめキク科の植物に発生しており、
侵入害虫のため、各地で大発生しているようです。
グンバイ虫は夏場のツツジ類によく発生し、葉色が白っぽくなっていのが
見られると、その葉裏にグンバイ虫がおり、その糞で黒い点も見られます。
写真はアワダチソウグンバイですが、通常のグンバイ虫はもっと相撲の
軍配に似ています。
夏季、高温で乾燥すると発生しやすく、ひまわり畑でも周囲とか、間隔の空いた
株では、発生が激しく、下葉から枯れてしまいます。
今年の高温で、各地の花壇のひまわりは開花後に全て枯れた株が多く見られておりま
す。
我々の栽培中のひまわりにも発生しており、当初竹酢液を散布したり
してみましたが、一部効果があったように見受けられたものの、このような
気候では焼け石に水といったところで、生き残った虫が直ぐ勢力をぶり返し、
被害が拡大しているのが現状です。
特に開花後は、植物体内の生育システムが変化する模様で(栄養成長⇒
生殖成長)、葉の抵抗力が低下するのではないかと考えられます。
2年前の私が栽培している北澤農園のひまわりは、8月初旬(開花直後)
の長雨により葉と茎に病気が入り、一気に枯れてしまったことが有りました。
下高井のひまわり畑においても、開花株ではグンバイ虫がかなり発生していても、
そのとなりの遅れて播種した株では、極僅かしか発生していないことが
見られております。
夏場の時期の病害虫防除は、殆どの作物では必須事項であり、特に
このグンバイ虫が侵入害虫で、天敵がいないことに加え、この高温が
大発生に繋がっていると考えられます。
写真は、牛久の今期初めてひまわりを栽培した畑のものです。
開花は5日ほど前、その5日前に竹酢液を散布しています。
白っぽく見えるのが成虫、褐色の
楕円形は幼虫で、このままでは被害が拡大しかねないので農薬を散布
せざるを得ないと考えております。
農薬は出来るだけ使わないに越した事はないのですが、被害が出ている
現状では致し方ないと思います。
今後、夏場の高温時期にひまわりを開花させる場合(オレイン酸含量を
増やすには、高温期に結実させる必要が有る)は、予め周囲の雑草(特に
キク科植物)をまめに刈るとか、竹酢液等の自然農薬等(忌避効果)を
初期から散布し続けるとかの対策が必要になると思われます。