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法 水 道~The Road to NORIMIZU

映画・演劇についての戯言。ブログ引っ越しの際、一部文字化けや画像の不具合が出ております旨、ご了解ください。

『Hell』(26)

2011-06-09 22:15:00 | 筒井道



   

【泉・現世】
<p.139>
 l. 1 Barcelona バルセロナ →「フラット空港」
    ◆実在するのは「プラット空港」。14回に既出ですが、2年近く前なので
    すっかり忘れてました。
 l.11 noticeably 顕著に
 l.12 desperate ~したくてたまらない

<p.140>
 l. 2 be capable of ~ing ~できる
 l. 7-8 the PA system 場内放送設備
     ◆PAはpublic-addressの略。
 l.21 "You've got to be kidding." →「マジかよおい」
 l.23 clasp(ed) his hands 指を組み合わせて両手を握り締める

<p.141>
 l. 4 speak(ing) in tongues 異言を話す
 l. 6 come to terms with …を受け入れる
 l. 8 dishevelled (髪などが)乱れた
 l.13 a pendulum 振り子
    ◆この単語はメ[の"The Pit and the Pendulum"で覚えました。
 l.14 bellow(ed) わめく、怒鳴る
 l.17 the board of directors 重役会
 l.23 for all I care 私の知ったことではない

<p.142>
 l. 4 miniature 箱庭
    ◆この人の台詞はかなり簡素化。
 l. 9 the health department 「食品衛生局」
    ◆同上。原文では句読点をなしにして混乱ぶりを表しているわけです
    から、そこは踏襲して欲しかったですね。
 l.20 resume(d) 再び続ける
    ◆ここの地の文も同様。
 l.21 chanting 詠唱

<p.143>
 l. 5 lips 陰唇
    ◆ああ、かつて加藤貴子さんが在籍していたアイドルグループか。
 l.12-13 "I love you! I want you!" →「君、尻を貸せ尻を貸せ」
      ◆こんなに違っていいものか(笑)。
 l.16 repulsive 嫌悪を感じさせる
 l.20 sultrily 猥褻に
 l.22 get it up 勃起させる

<p.144>
 l.11 what he saw 彼の見たもの
    ◆関係代名詞としてのwhatですな。
 l.12 slanting 斜めの
 l.13 creaking きしむ
 l.19 repulse(d) 不快にさせる
 l.20 yank(ed) ぐいと引っ張る

<p.145>
 l. 3 ear-shattering 耳がつぶれる
    pandemonium 修羅場
 l. 6 take over 引き継ぐ

<p.146>
 l. 7 for life 死ぬまで
    in the lap of luxury 贅沢に


…混乱のさなかですが続く。


『Hell』(25)

2011-05-18 22:02:00 | 筒井道
今年こそ読み終えるぞ、と誓ってまた3ヶ月ぶり。


   

【伊達・現世】
<p.133>
 l.13 reed(s) 葦
    ◆「人間は考える葦である」は"Man is a thinking reed."
 l.19 You're dead, right? 「今はもう死んでいるんだろう」
    ◆この後、原文には「なぜか声にならない声で伊達は勇三に話し続ける」
    とあり。

<p.134>
 l. 1 muffled 押し殺した
 l. 9 burly がっしりした →「肉体派」
    ◆久しぶりにママ登場。
 l.11 unfold(ing) 展開する
 l.14 curse(s) 呪い
 l.16 taunt(ed) 罵る
 l.17 revealing only the whites 白目だけを見せる →「三白眼」
 l.18 smear(ed) 塗りつける
 l.19 gaping cuff 口の開いた袖口

<p.135>
 l. 2 horses and mah-jong 競馬と麻雀 →「競馬競輪麻雀」
 l. 5 smug 気障な →「目尻の下がった」
 l. 9 flinch たじろぐ →「一尺跳んで」
 l.10 It hurts. It hurts. 痛い。痛い。→「痛や、痛、痛、痛矢の矢串」
    ◆「痛矢串」というのは『古事記』に出てくるようです。
 l.12 Does it look like sushi? 寿司のように見えるか。
     →「これは阿弥陀のそんじょのそこいら、変な寿司屋がこっち来て
     止まる。姐ちゃん泣かせて汁から大根、あのもう気違い、口から
     出た出た。」
 l.18 a new religion 新興宗教
    ◆原文には「ナマナマ教団」とあり。なんだ、ナマナマ教団って。
    insecurity 不安感
 l.23 my grandmother's house 祖母の家
    ◆原文には「調布の二百五十坪」とあり。
    the deed 証書、権利書
    ◆この辺、大幅にカット。

<p.136>
 l. 3 It hurts. It hurts. 痛い。痛い。→「痛や、痛、痛、板谷の峠」
    ◆板谷峠は山形県南部にある峠。この後、「癒しの石臼、この逆恨み
    の。叔父貴おんでこ股裂けました。これまたあれまた豚の肝焼き醤油
    と醤油とトンガラシ」と続く。こら訳しようがないわな。
 l.10 an old bag 醜い婆あ
 l.18 in the gutter 落ちぶれて

<p.137>
 l. 6 filthy 汚れた、不潔な
 l.12 prick(s) ペニス
 l.14 sting(s) 刺すように痛む
 l.15 dingy 薄汚い
 l.16 Yokohama 横浜
    ◆原文では他に「津軽の岩手の網走の」といった地名が登場。
 l.20 I was nineteen. 十九歳だった。
    ◆原文ではこの前に「えええええええええええ。たった一度の青春踏み
    にじったおんどれムラサキウマゴヤシひとをロマンチックな気分にさせ
    といて」とあり。

<p.138>
 l. 2 the stone lantern(s) 石灯籠
 l.10 plunge 押し込む
 l.12 flop(ped) たれ下がる
 l.14 slump(ed) 前かがみになる
 l.17-18 The quick brown fox jumps over the lazy dog.
      すばしっこい茶色の狐はのろまな犬を飛び越える。
      ◆英語のパングラムの一つだそうで。この辺りも大幅に改変。


…切りのいいところで続く。


『Hell』(24)

2011-02-12 23:33:00 | 筒井道
今年こそ読み終えるぞ(笑)。


   

【佐々木・現世】
<p.130>
 l.18 makeshift 間に合わせの
    ◆原文にはこの前に「「佐々木さん。佐々木さん」さっきから誰かが
    男の声で佐々木を呼び続けている」とあり。
 l.22 vent(ing) 発散する
    kickback リベート

<p.131>
 l. 3 placate なだめる
 l.11-12 Do you think this is what it's like in the‘eight freezing
    hells'? まるで八寒地獄にいるみたいじゃない?
    ◆原文になし。八寒地獄については第6回参照。
 l.17-18 After a while, his wife seemed to fall asleep beside him.
      しばらくして妻は彼の隣で眠ったようだった
    ◆原文になし。
 l.22 Was Sasaki dreaming? Could Izumi really be there?
    佐々木は夢を見ているのか。泉が本当にそこにいるのだろうか。
    ◆原文になし。

<p.132>
 l. 9 lame ぎこちない
 l.11-12 That sounds like something out of a kabuki plays.
    歌舞伎の台詞のように聞こえるぜ。→「大時代な台詞回しだ」
 l.18 rail ののしる、毒づく

<p.133>
 l.11 he was grateful 彼は感謝した
    →「佐々木に精神の自由として大いなる歓ばしさを与えてくれるのだ」


筒井康隆『漂流 本から本へ』

2011-01-22 23:38:00 | 筒井道
『漂流 本から本へ』

著者:筒井康隆
出版社:朝日新聞出版
発売日:2011年1月7日


   

2009年4月5日より2010年7月25日まで朝日新聞に連載されたエッセイをまとめた一冊。
帯に「筒井康隆のつくり方」とある通り、「幼少年期」から「演劇青年時代」を経て、「デビュー前夜」「作家になる」「新たなる飛躍」とそれぞれの段階で筒井さんが影響を受けた本について書かれている。

筒井ファンにとっては、取り上げられている本や書かれているエピソードは馴染みのあるものが多い。こうして改めて読んでみると、その本が読みたくてたまらなくなってくる。もちろんエッセイを書くにあたって読み返したりはしているのだろうが、その本を読んだ時の状況までよく覚えているものだと驚いてしまう。
それぞれのページにはご親切にどの出版社から発売されたかという情報が付記されているが、困ってしまうのはほとんどが絶版で図書館か古書で読むしかないという点。現在、電子書籍が話題となっているが、是非ともこういう本が読めるようにして欲しいもの。
個人的には「~とはまだ夢にも思っていない」というフレーズが多用されるあたりニヤリとさせられた。どうせなら毎回使ってくれたらよかったのに。


『Hell』(23)

2010-12-25 23:42:00 | 筒井道
聖なる夜にヘルの話を読むというのも乙なものですな。


   

【早智子・現世/夢】
<p.126>
 l. 6 nervousness 緊張
    ◆「あら。この人に玄関の鍵渡してあったのかしら」と具体的。
 l. 7 slip(ped) away こっそり去る
 l.12 Was this reality or a dream? これは現実? それとも夢?
    ◆原文ではこの箇所、武の台詞が二度繰り返され、早智子が夢なのかそう
    ではないのか判断できないでいるという描写が入るが、訳文ではごそっと
    抜けている。意図的なのかミスなのかは不明。
 l.14 for over twenty years 二十年以上 →「二十五年も前に」
 l.19 already inside her すでに彼女の中に入っている
    ◆何が?(笑)
 l.21 succumb(ed) to (…に)屈服する

<p.127>
 l.19 I've been through 経験してきた

<p.128>
 l.13 brusquely ぶっきらぼうに

<p.129>
 l.21 as well as だけでなく(…も)
 l.22 indistinct はっきりしない、ぼやけている

<p.130>
 l. 1 happen(ed) upon 偶然出くわす
 l. 2 shrouded 覆われた
 l. 3 incinerator 焼却炉
    hazy 霞がかった、もやの深い
 l. 8 cock(ed) (頭などを)傾げる
 l.15 come across (考え・表情などが顔に)ふっと浮かぶ
 l.16 nothing more than …でしかない

…よいお年を。