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法 水 道~The Road to NORIMIZU

映画・演劇についての戯言。ブログ引っ越しの際、一部文字化けや画像の不具合が出ております旨、ご了解ください。

筒井康隆『ビアンカ・オーバースタディ』

2012-08-31 23:31:00 | 筒井道
『ビアンカ・オーバースタディ』

著者:筒井康隆
出版社:星海社(星海社FICTIONS)
発行日:2012年8月17日


   

筒井康隆さんが初めて手がけたライトノベル。
イラストレーションはいとうのいぢさんが担当。

とは言っても、第1話~第3話が講談社から不定期に刊行されている『ファウスト』に掲載されたのが、かれこれ4年前。担当編集者に原稿を渡してから出るまでにも2年かかったらしい。太田が悪い。
一体、筒井さんがどのようなラノベを手がけるのかと思ったら、第一章のタイトルからして「哀しみのスペルマ」。あは。あはあはははは。
しかも内容が、学校一の美少女ビアンカが自分を慕う後輩やら先輩やらの精子を採取しては観察するという何ともうらやま…いや、何でもない何でもない、な展開。もはやラノベというよりは単なるエロ小説のような気もするが、よく考えたらラノベを読んだことがないので、これがラノベというものなのかも知れない(笑)。

まぁ何はともあれ、無事に刊行されて何より。太田が悪い。


『Hell』(34)【終】

2012-06-18 23:41:00 | 筒井道
ようやく最終回。
もはや何のために始めたんだか(笑)。


   

【佐々木・ヘル】
<p.184>
 l. 3 captivating 魅惑的な
 l. 4 imaginable 想像できる限りの
 l. 7 waft(ed) (匂いなどが)漂う
 l. 9-10 grilled eel 蒲焼き
 l.11 It smells good. いい匂いだ。
    ◆原文ではこの後に「佐々木が言うと実子は彼に頷きかけて言った」。
 l.19 ‘Dancing in the Dark' 「ダンシング・イン・ザ・ダーク」
    ◆『バンド・ワゴン』でフレッド・アステアさんが披露する曲。

<p.185>
 l. 8 ‘Auld Lang Syne' 「蛍の光」
 l.11 going further 更に先に進む
     →「もっと過激なペッティングまがいの行為がなされたりもする」
 l.12 strains 音楽、旋律
 l.13 grope(d) 体をまさぐる
 l.16 right thigh 
    crotch 股、陰部
 l.17 glisten(ed)
 l.22 conditioned response 条件反射
 l.23 bring about 生じさせる

<p.186>
 l. 3 jolt 精神的ショック
 l. 9 flush(ed) 水をさっと流して洗う
 l.19 resembling …のようである

<p.187>
 l. 3 drool 涎
 l.20 span(ned) (川に)かかる

<p.188>
 l. 8 periodically 時々
 l.10 procession 行列

<p.189>
 l.10 offhandedly そっけなく
 l.11 briskly 活発に
 l.13 put off 気をくじく

…最後の190ページは特に注釈なし。というわけで最終回でございます。
ああ、長かった(笑)。前回の『Salmonella Men on Planet Porno』は2年以上で、今回は実に3年半。ページ数はこっちの方が短いのに。

しかしまぁ両作の英訳を読んでみて、改めて筒井作品は末ェ難しいなと感じた。きちんと英訳されて紹介されればノーベル文学賞も夢ではないかも知れないけど、それはやはり無理だな。なんとまあ。世界の人々は筒井作品の面白さを完全には理解できないのだ。可哀想になあ。日本語が読めてよかった(笑)。

あと、日本は末V国と言われるけど、基本的には原文に忠実に末キる日本に比べ、この筒井作品の英訳に関しては細かいニュアンスを伝えようという努力はさほど感じられない。もちろん、伝わりづらく訳しづらい文章が多いのも事実だが、英米人は外国文学、ましてやアジア文学なんてほとんど読まないだろうからこんなものなのかな。


『Hell』(33)

2012-06-16 23:54:00 | 筒井道
最終章突入(最終回ではない。笑)。


   

【佐々木・ヘル】
<p.179>
 l.15 out of thin air ひょっこりと、どこからともなく

<p.180>
 l. 5 semicircular 半円形の
 l.14-15 a train conductor('s) 車掌
 l.15 brusquely ぶっきらぼうに
 l.18 chubby 丸々と太った
 l.19 fang(s) 牙に似た歯
 l.21 "demon lady" 「鬼女」
 l.21-22 as good ... as any どれにも劣らずいい…

<p.181>
 l. 7 address 話しかける、呼びかける
 l.21 trot(ted) off 小走りに去る
 l.23 drab さえない

<p.182>
 l. 6 plague(d) 悩ます、苦しめる
 l. 9 ludicrous 馬鹿げた、滑稽な
 l.15 snake くねって進む
 l.18 peaceful resignation 達観
 l.20 "attaining Buddhahood" 「成仏」

<p.183>
 l. 7 tail end 最後尾
 l.10 reassured 安心して
 l.15 loom(ed) ぼんやり現れる
 l.16 storey(s) 階
    ◆アメリカ英語ではstory。
 l.18 jewellery 宝石類 →「呉服小物」
    ◆アメリカ英語ではjewelry。

…なにやら巨大なビルに入ったところで続く。次回、いよいよ最終回。


『Hell』(32)

2012-06-13 23:04:00 | 筒井道
そろそろヘルの謎が明らかに…。


   

【ヘル・勇三】
<p.173>
 l.19 qccommodate(d) 収容できる
 l.20 overlook(ed) …を見下ろす

<p.174>
 l. 4-5 administration 管理、運営
 l.11-12 for all we know もしかしたら、ことによると
     ◆本来は"for all I know"ですが、2人いるので。

<p.175>
 l. 1 the Devil's Palace 魔王の宮殿
 l. 2 grimace(d) しかめっ面をする
 l.12 otaku -- those guys obsessed with games or movies
     おたく…ゲームや映画に取りつかれている連中
    ◆「おたく」はもう説明なしでも通じるのでは?
     ちなみに原文では「ゲームをたく」と表記。
 l.14 a run-in 喧嘩
 l.20 snap(ped) 急に耐えられなくなる
 l.21 general affairs 総務

<p.176>
 l. 2 talk some sense into ~ 人に少しは道理をわからせる
    slug(ged) 強打する
 l. 7 strangle …を絞め殺す
    ◆原文ではこの前に「あの時は驚いた」とあり。
 l.18 gaudy けばけばしい

<p.177>
 l. 7 senile ぼけた
 l.18 subconscious 意識下の
 l.22 attain 到達する
 l.23 nirvana 涅槃

<p.178>
 l. 2 collective consciousness 集合意識
 l. 9 Iso no Toyata 磯の藤弥太
    ◆『御所桜堀川夜討』の四段目「藤弥太物語」の主人公。
     日本人ですら馴染みがないのに海外の読者はどうするのだ。

<p.179>
 l. 9 slip(ped) そっと出る
    ◆原文では「行こう」「行きましょう」という台詞あり。

…残すところ10ページあまり。


『Hell』(31)

2012-06-08 22:37:00 | 筒井道
なんと2日連続で。
つまりまぁあれだ、ネタがないのだ(笑)。


   

【柏崎・現世?】
<P.171>
 l. 3 predict …を予言する
 l. 8 mingle(d) 混じる
 l. 9 anchored 錨を下ろした →「引き揚げられた」

<p.172>
 l. 2 down(ed) 飲み込む
    ◆本文では「咳き込む」とあり。
 l. 2-3 I can't seem to catch a break at home or at work.
      →「内憂外患火の車」
 l. 3 get demoted 降格される
 l.19 tug(ged) つきまとう
 l.23-p.173 l.1 strands of braided cord 一連の編んだ紐 →「真田紐」
    ◆真田紐というのは平たい織紐のこと。

<p.173>
 l. 3-6 "The false death of dreams ~ They're all connected."
    ◆原文のニュアンスはまったく訳出されず(笑)。
 l. 5-6 assume(d) a classic kabuki pose 古典的な歌舞伎のメ[ズを取る
      →「見得を切る」
 l.11 cleansing flame(s) 浄化する火
 l.13 beckon(ing) 差し招く

…ちょっと短いですが、切りがいいのでこの辺で。