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法 水 道~The Road to NORIMIZU

映画・演劇についての戯言。ブログ引っ越しの際、一部文字化けや画像の不具合が出ております旨、ご了解ください。

『ストロボ・エッジ』

2015-05-08 23:53:00 | 映画道
『ストロボ・エッジ』

2015年日本映画 115分
監督:廣木隆一
脚本:桑村さや香  原作:咲坂伊緒
撮影:山田康介  美術:矢内京子  編集:菊池純一
音楽:世武裕子  主題歌:whiteeeen「愛唄~since 2007~」
出演:福士蒼汰(一ノ瀬蓮)、有村架純(木下仁菜子)、山田裕貴(安堂拓海)、佐藤ありさ(蓮の恋人・是永麻由香)、入江甚儀(麻由香の弟・仁菜子の友人・是永大樹)、黒島結菜(杉本真央)、小篠恵奈(仁菜子の友人・上原さゆり)、松尾薫(同・つかさ)、岡本杏理(ふられんぼ同盟リーダー)、淵上泰史(担任)、亀井有馬(クラスメイト)


   

まだ恋をしたことのない、高校1年生の木下仁菜子。ある帰り道の電車の中で、学校中の女子から人気を集める同級生の一ノ瀬蓮と出会う。少しずつ会話を交わすようになる蓮と仁菜子。冷たそうに見える蓮の優しい言動、笑顔に今まで感じたことのない気持ちを抱いた仁菜子は、自分が蓮に恋をしていると気付く。しかし、蓮には中学の時から付き合っている年上の彼女・麻由香がいた……。絶対的な彼女の存在を知ってもなお、仁菜子は自分の想いをただ伝えたくて、蓮に告白するが、フラれてしまう。どこか背伸びして麻由香と付き合いながらも、仁菜子の真っすぐな想いに触れるうちに、心の中にある変化が生まれ始める蓮。“ただの友だち”でいる覚悟を決めたのに、蓮を好きだという気持がどんどん積もっていく仁菜子。そんな仁菜子を本気で好きになる安堂。蓮よりも先に大人の階段を上り始めた麻由香。仁菜子に想いを寄せるもフラれてしまう大樹。安堂の元カノの真央。それぞれの切ない片想いが、徐々に加速していく―。【公式サイトより】

咲坂伊緒さん原作のコミック、『アオハライド』に続いて実写映画化。

これはもうまさに有村架純さんを愛でるための映画。
仁菜子は恋を知らないという設定らしいが、カマトトぶりが凄まじい。ことあるごとに転んでは蓮の気を引き、鎌倉への遠足では派手に転んで服を汚し、蓮のパーカを借りるという作戦。こんな可愛さでそれをやられて心が揺れない男はおるまいて(断言)。
中盤で登場する真央は真央でしたたか。なんせ中学時代、蓮に近づきたいがために拓海と付き合い、蓮にキスしようとまでする。花火大会で偶然見かけた拓海に何事もなかったかのように話しかけたかと思ったら、何と2学期から転校してくる始末。浮「、浮「よ! でも可愛いから許す!(結局そこか)
しかし『アオハライド』もだけど、ヒロインの家族が出てこないのはなぜ?

個人的にはキャストの中では山田裕貴くんがよかったな。
連ドラの『イタズラなkiss』での金ちゃん同様、振られ続ける三枚目な役どころ(本作の方がもうちょっとカッコいいけど)。さすがは元中日・広島の山田和利さんのご子息(全然関係ない)。


★★1/2


『龍三と七人の子分たち』

2015-05-01 23:55:00 | 映画道
『龍三と七人の子分たち』

2014年日本映画 111分
脚本・監督・編集:北野武
撮影:柳島克己  美術:磯田典宏  衣裳:黒澤和子  編集:太田義則
音楽:鈴木慶一
出演:藤竜也(龍三親分)、近藤正臣(若頭のマサ)、中尾彬(はばかりのモキチ)、品川徹(早撃ちのマック)、樋浦勉(ステッキのイチゾウ)、伊藤幸純(五寸釘のヒデ)、吉澤健(カミソリのタカ)、小野寺昭(神風のヤス)、安田顕(京浜連合ボス・西)、ビートたけし(マル暴の刑事・村上)、萬田久子(キャバクラのママ)、矢島健一(京浜連合・北条)、下條アトム(京浜連合・徳永)、勝村政信(龍三の息子・龍平)、山崎樹範(京浜連合・田村)、川口力哉(京浜連合・佐々木)、辰巳琢郎(詐欺師・榊)、徳井優(龍平の上司)、清水富美加(モキチの孫・百合子)、池谷のぶえ(龍平の妻)、込江海翔(息子・康介)、本宮泰風(京浜連合)、川野直輝(同)、山口祥行(同)、國本鍾建(刑事)、遠藤雄弥(葬儀社の人)、水澤紳吾


  

70歳の高橋龍三は、元ヤクザの組長だが“鬼の龍三”と畏れ慕われた時代はもはや過去のもの。現在は家族にも相手にされず、社会にも居場所がなく、大企業で働く息子・龍平の家に肩身の狭い思いで身を寄せながら「義理も人情もありゃしねぇ」と世知辛い世の中を嘆いている。そんなある日、オレオレ詐欺に引っかかったことをきっかけに、元暴走族の京浜連合と因縁めいた関係になった龍三は「若いヤツらに勝手な真似はさせられねぇ」と、昔の仲間に召集をかける。集まったのは、若頭のマサ、はばかりのモキチ、早撃ちのマック、ステッキのイチゾウ、五寸釘のヒデ、カミソリのタカ、神風のヤスの7人。どうせ先は長くないのだからと盛り上がった龍三たちは勢いで“一龍会”を結成、京浜連合をことごとく邪魔しまくるのだった。やがて京浜連合のチンピラたちは、調子に乗り始めたジジイたちを疎ましく思うようになり、一龍会vs.京浜連合の対立は龍三や子分の家族を巻き込み一大騒動へと発展していく……。【「KINENOTE」より】

北野武監督、『アウトレイジ ビヨンド』以来3年ぶりとなる最新作。

コメディ版『アウトレイジ』といった趣。
藤竜也さんもよくぞこの役を引き受けて下さったという感じで、ネグリジェで女の部屋から逃げ出したり(これは北野監督の実体験に基づいているんだとか)、ところ構わず放屁したり(もっともこれは編集段階で付け足されたらしいが)。
七人の子分たちは当然、『七人の侍』を意識してのことだろうが、ジジイたちがチンピラたちに一泡ふかせるあたりは単純に楽しめる。とりわけ、終盤の市バスを乗っ取ってのカーチェイスシーンは見事。市場を突っ走るシーンは何だか見覚えのある風景だな…と思ったら、名古屋駅近くの柳橋市場で撮影されたそうで。
はばかりのモキチの遺体を車椅子に乗せてチンピラの事務所に乗り込むシーンも北野監督ならではのブラックさに満ちていて面白かったなぁ。


★★★


『シンデレラ』

2015-04-29 23:16:00 | 映画道
『シンデレラ』
CINDERELLA

2015年アメリカ映画 105分
監督:ケネス・ブラナー
脚本:クリス・ワイツ
撮影:ハリス・ザンバーラウコス  編集:マーティン・ウォルシュ
美術:ダンテ・フェレッティ  衣裳:サンディ・パウエル
音楽:パトリック・ドイル
出演:リリー・ジェームズ(エラ/シンデレラ)、リチャード・マッデン(王子/キット)、ケイト・ブランシェット(まま母・トレメイン夫人)、ヘレナ・ボナム=カーター(フェアリー・ゴッドマザー)、ステラン・スカルスガルド(大公)、ソフィー・マクシェラ(義姉・ドリゼラ)、ホリデイ・グレインジャー(同・アナスタシア)、デレク・ジャコビ(王)、ノンソー・アノジー(キャプテン(大尉))、ベン・チャップリン(エラの父)、ヘイリー・アトウェル(エラの母)、トム・エッデン(トカゲの御者)、エロイーズ・ウェッブ(10歳のエラ)


【併映】
『アナと雪の女王/エルサのサプライズ』
FROZEN FEVER

2015年アメリカ映画 7分
監督:ジェニファー・リー、クリス・バック
製作総指揮:ジョン・ラセター
声の出演:クリステン・ベル(アナ)、イディナ・メンゼル(エルサ)、ジョシュ・ギャッド(オラフ)、ジョナサン・グロフ(クリストフ)


  
幼くして母を亡くしたエラは、悲しみにくれながらも母の「辛いことがあっても勇気と優しさを忘れないで」という教えを守り、ピュアな心を持つ女性へと成長していた。ある日、仕事で家を留守にすることが多い貿易商の父はエラのためを思い再婚を決意。エラは継母とその連れ子の娘、ドリゼラとアナスタシアを快く迎え入れる。だが継母は夫がエラにかける愛情に嫉妬し、エラの若さや美しさを不愉快に思っていた。そんな折、エラの父が事故で突然帰らぬ人となる。継母と娘姉妹はエラに山のような仕事を言いつけ、屋根裏部屋に追いやられたエラは召使い同然の扱いを受ける。寒さに耐えきれず居間の暖炉の前で眠り、翌朝、顔に灰をつけたまま働くエラを姉妹は“灰まみれのエラ=シンデレラ”と呼んで大笑い。それまでじっと耐えてきたエラは溢れる涙を抑えきれず、家を飛び出し、森へと馬を走らせる。そんなエラに声をかけたのは“キット”と名乗る青年だった。城で働いているという彼と話すうちにエラはいつのまにか笑顔を取り戻し、初めて自分を理解してくれる人に出会えたエラはキットに好意を抱き始める……。一方、国王は城で息子のキットを待ち構えていた。国と息子の将来を案じた王は政略結婚を勧めるが、キットはエラのことが忘れられない。そこでエラを探すために国中のあらゆる未婚女子を招待して舞踏会を開き、そこから妃を選ぶことを約束する。招待状はエラの家にも届き、ドリゼラとアナスタシアは有頂天。エラは、亡き母のドレスを着て自分も連れて行ってほしいと頼むが、継母と姉妹はエラのドレスを引きちぎり、彼女を置いて舞踏会へ出かけていく。エラが希望を捨てかけたその時、みすぼらしい身なりをした老女が現れ、エラが優しくミルクを差し出すと、老女は妖精に姿を変える。彼女は夢を叶えてくれるフェアリー・ゴッドマザーであった。魔法の杖を振るいカボチャを馬車に、ネズミを馬に、トカゲを御者に仕立て、エラの破れたドレスを美しいドレス変え、光り輝くガラスの靴を与える。「魔法が続くのは12時まで。さぁ、楽しんでおいで……」城に到着したエラは、そこで初めてキットが王子であることを知る。夢のようなひとときを過ごし、お互いの気持ちを確かめ合う二人だったが、そのとき12時を告げる鐘の音が……。【「KINENOTE」より】

ケネス・ブラナー監督が言わずと知れたシンデレラの物語を実写映画化。

観る前から思っていたことではあったけど、なぜ今更シンデレラなのか。特にディズニーは『イントゥ・ザ・ウッズ』でもシンデレラを登場させたばかりだというのに。
ケネス・ブラナー監督という点だけに微かな期待を持ち、何かしら現代的なアプローチがあるのかと思ったら、そういう訳でもなく…。お馴染みすぎるストーリーを退屈せずに観ることは不可能であった。
これでヒロインに魅力があればまた違っていたんだろうけどねぇ。


★1/2


『死神ターニャ』

2015-04-27 22:43:00 | 映画道
『死神ターニャ』

2013年日本映画 80分
脚本・監督・撮影:塩出太志
音楽:長澤成啓
出演:芹澤興人(佐々木英雄=死神)、小堀友里絵(谷屋みゆき)、岡田あがさ(ゆき)、駐c尚弘(良太)、松本高士(あいつ)、河嶋健太(健太)、星野祐樹(死神壱)、矢島康美(死神弐)、仁後亜由美(広子)、桜木梨奈(あゆみ)、ほりかわひろき(カメラマン)、小田学(死神参)、萩原正道(疫病神)、香取剛(貧乏神)、長岡明美(お母さん)、箱田友紀(お父さん)、大高健二(店長)、五十嵐さゆり(愛人)、下川邊寿美(死神四)、岡本裕輝(本岡)


  

わたしは最近ついてない。バイトはクビになるわ、彼氏にフラれるわでいいとこ全くなし。おまけに車で変な男をひいてしまって絶体絶命! まぁその男は生きてたんだけど、事故のショックのせいか記憶が曖昧で…「おれは死神」だって。おかしな奴だと思ってたら、誰もいない所に向かって話しかける…ってわたし、疫病神ついてんのかー! どうやらこの男(死神)はハンバーグを食べるために人間になったらしい。ハンバーグ? しかも2日以内に涙を流すことができないと死ぬんだって! さらにさらに! こいつ、過去にやばいことをしでかしたみたい。知らない間にわたしまで組織に追われる羽目に! うわ! 死ぬ前に殺される! 果たして、こいつは無事にハンバーグを食べることができるのか? 涙を流す事が出来るのか? そして、わたしは…どうなっちゃうの!?【公式サイトより】

塩出太志監督、初長篇映画。

冒頭のごく普通の家庭の食卓シーンでお父さんが急に唐黷ト、娘のあゆみがキッと中空をにらむあたりは出だしとしてはよかったんだけどねぇ。その後、死神壱が死神業(?)に飽きたとかで人間になろうとしてからが今ひとつ。ハンバーグを食べるために、というのもギャップを狙ってのことなのかも知れないけど、あまり面白みはない。
あと、死神のヴィジュアルがちょっと古臭くないかい。


★★


『エイプリルフールズ』

2015-04-26 22:40:00 | 映画道
『エイプリルフールズ』
APRIL FOOLS

2015年日本映画 118分
監督:石川淳一  脚本:古沢良太
撮影:大石弘宜  美術:柳川和央  編集:河村信二
音楽:林ゆうき
出演:戸田恵梨香(妊婦・新田あゆみ)、松坂桃李(外科医・牧野亘)、里見浩太朗(櫻小路佑麻呂)、富司純子(櫻小路文子)、ユースケ・サンタマリア(接客係)、小澤征悦(オーナーシェフ)、菜々緒(キャビンアテンダント・麗子/大島の恋人)、戸次重幸(ある夫・コーラスグループ)、宍戸美和公(ある妻・同)、大和田伸也(髭の紳士・指名手配犯)、寺島進(ヤクザ・宇田川勇司)、高橋努(舎弟)、浜辺美波(宇田川の娘・江藤理香)、山口紗弥加(元妻・江藤絵里子)、滝藤賢一(運転手)、千葉真一(暴力団幹部)、高嶋政伸(小野刑事)、りりィ(老婆・インチキ占い師)、岡田将生(救急隊員の男)、生瀬勝久(劇団さるすべり・大島達宏)、小池栄子(パンクの女)、千葉雅子(劇団さるすべり・安田好恵)、窪田正孝(大学生・松田)、矢野聖人(松田の友人・梅田)、浦上晟周(中学生・野沢遥人)、古田新太(ハンバーガー店マスター)、木南晴夏(アルバイト女子)、浅見れいな(亘の女)、小野花梨(遥人の同級生)、氏家恵(遥人の母)、林和義(タクシー運転手)、手島優(亘の女)、おのののか(同)、今野杏南(同)、三宅正治[フジテレビアナウンサー](「おめざめテレビ」キャスター)、加藤綾子[フジテレビアナウンサー](同)、生野陽子[フジテレビアナウンサー](同)


  

2015年4月1日エイプリルフール。1年に1度だけ嘘をついていいこの日、街は朝から様々な嘘で満ち溢れていた……。〈イタリアンレストランでの大惨事〉対人恐撫ヌの清争E新田あゆみは、一夜限りの関係を持った天才外科医・牧野亘に妊娠を告白。エイプリルフールの悪い冗談と鰍ッ合わない亘に業を煮やし、亘のいるイタリアンレストランへ向かう。その頃、亘は美貌のキャビンアテンダント・麗子とランチデート中。“フロアで起きることは私の責任です”がモットーの接客係とオーナーシェフは、今日も爽やかに業務をこなしていたが……。〈ロイヤル夫妻の休日〉櫻小路夫妻は、ショッピングや初めてのハンバーガーショップ、ゲームセンターでお忍びデートを満喫中。だが、案内を任されたリムジン運転手やハンバーガーショップ店長、アルバイト女子など周囲に驚異を与えるばかり……。〈不器用な誘拐犯〉昔気質のヤクザ・宇田川勇司は、小学生の少女・理香を誘拐するが、その一部始終を多くの人に目撃されていた。あまりにも不器用な犯行の上、身代金の要求もしなければ脅しもしない。そんな中、理香の母・絵里子は犯人の似顔絵を見て絶句する……。〈占い老婆の真実〉過去にトラウマを抱えた刑事・小野は、不運続きの救急隊員から除霊師の老婆が大金を巻き上げている事を掴み、連行する。取り調べ中、友人から人質事件が起きたと通報があるが、毎年エイプリルフールに嘘をつかれているので小野は全く取り合わない……。〈42年ぶり涙の生還〉11歳の時、父親と漁に出て遭難、行方不明になっていた男がムジャンガ島で発見され、42年ぶりに帰国する。やがて神社への参拝を1日も欠かさなかった幼馴染と涙の再会を果たすが……。〈僕は宇宙人〉ブラスバンド部に所属する宇宙好きの中学生は、いじめが原因で不登校になってしまう。ある日、何気なく見たホームページで自分が宇宙人だと確信した彼は、宇宙船との交信に全精力を費やす……。〈ある大学生の行末〉松田と梅田は、同じ大学へ通う友人同士。特に何をするわけでもなく、いつも二人でつるんでいた。そんなある日、梅田はずっと抱えていた思いを松田に告白。友人だった二人の関係を壊してしまう可能性もある事実だったが、それを超える真実が松田から告げられ……。そしてエイプリルフールの1日の終わり、全ての嘘が絡み合い、最高の奇跡を起こす……。【「KINENOTE」より】

『リーガルハイ』の古沢良太さん脚本、石川淳一監督作品。

あまりいい評判は聞こえてこなかったのだけど、それなりに楽しめた。複数のストーリーを並行して描きながら、最後に収束させていくあたりはよくまとまっている。
最後にUFO出現という大きな嘘で終わらせているのは、この映画も一つの嘘であり、嘘というのは決して人を騙すためだけではなく、幸福な気分にもするのだという決意表明でもある。かつての銀幕のスタア・富司純子さんが戸田恵梨香さんに助言を与えているのも心憎い演出。


★★1/2