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法 水 道~The Road to NORIMIZU

映画・演劇についての戯言。ブログ引っ越しの際、一部文字化けや画像の不具合が出ております旨、ご了解ください。

『ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男』

2015-06-15 23:14:00 | 映画道
『ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男』
Get on Up

2014年アメリカ・イギリス映画 139分
監督・製作:テイト・テイラー
製作:ミック・ジャガー
原案:スティーヴン・ベーグルマン
原案・脚本・製作総指揮:ジェズ・バターワース、ジョン=ヘンリー・バターワース
撮影:スティーヴン・ゴールドブラット  編集:マイケル・マカスカー
美術:マーク・リッカー  衣裳:シャレン・デイヴィス
音楽:トーマス・ニューマン
出演:チャドウィック・ボーズマン(ジェームズ・ブラウン)、ネルサン・エリス(ボビー・バード)、ダン・エイクロイド(マネジャー・ベン・バート)、ヴァイオラ・デイヴィス(母スージー・ブラウン)、レニー・ジェームズ(父ジョー・ブラウン)、オクタヴィア・スペンサー(ハニーおばさん)、フレッド・メラメッド(キングレコード創設者シド・ネイサン)、クレイグ・ロビンソン(サックス奏者メイシオ・パーカー)、ジル・スコット(妻ディドレ・“ディーディー”・ブラウン)、ジョシュ・ホプキンズ(プロデューサー・ラルフ・バス)、ブランドン・スミス(リトル・リチャード)、チカ・サンプター(歌手イヴォンヌ・フェア)、アウンジャヌー・エリス(歌手ヴィッキー・アンダーソン)、タリク・トロッター(サックス奏者ピーウィー・ハリス)、アロー・ブラック(フェイマス・フレイムズのギター・ナフロイド・スコット)、キース・ロビンソン(ベイビー・ロイ)、ニック・エヴァーズマン(ミック・ジャガー)、ジャマリオン・スコット(少年時代のジェームズ)、ジョーダン・スコット(同)


  

アメリカ南部の貧しい家に生まれたジェームズ・ブラウンは、両親から捨てられ、不遇の少年時代を送った。貧しさから盗みを働いてしまい刑務所に入った彼は、そこでボビー・バードと出会う。二人はゴスペル音楽を通じて唯一無二の親友となっていった。出所後、ジェームズは本格的に音楽の世界に踏み込んでいく。非常に強い上昇志向を持ち、理不尽な差別ともぶつかり合いながら革新的な道を切り拓き人気を集めていく。キング牧師が暗殺され暴動の機運が高まる中、周囲の反対を押し切ってライブを開催し黒人たちをまとめた彼は、黒人解放運動の活動家としても注目されるように。独自色を強めていった彼のソウル・ミュージックの中からファンク・サウンドが生まれ、音楽に革命をもたらしていった。一方で破天荒なジェームズは彼を捨てた実母をはじめミュージシャン仲間や家族らとも衝突。ついにボビーも彼のもとを去っていく。【「KINENOTE」より】

ファンクの帝王ことジェームズ・ブラウンさんの生涯を描いた伝記映画。

ジェームズ・ブラウンさんについては名前はもちろん知っているし、「ゲロッパ!」は日本でもお馴染みだけど、その生い立ちや経歴についてはほとんど知らなかったなと改めて感じた。
外見は大人だけど心は子供という演出は『しあわせはどこにある』にも出てきたけど、まさにJBは子供の心のまま大人になったという印象。しかしトイレを勝手に使われたからってライフルをぶっ放して警察とカーチェイスってすごすぎるな(この事件で逮捕されて3年間の刑務所暮らしを終えた後の最初の仕事が日清のカップヌードルのCMだったらしい)。
恥ずかしながら名前を知らなかったけど、JBの才能を見出し、長年支え続けたボビー・バードがいじましい。「Sex Machine」で「ゲロッパ!」の合いの手を入れたり、マントショーでJBにマントをかけていたのはこの方だったのね。
それにしてもJBは偉大だな。ミック・ジャガーさん(本作の製作。本篇にも若き日のミックが登場)、清志郎さんにも、『あまちゃん』にも影響を与えているのだから(分かる奴だけ分かればいい)。まさに生まれながらにしてのフロントマン。楽曲を作る上での苦悩はほとんど描かれていなかったけど、実際もそうだったんだろうか。

チャドウィック・ボーズマンさんは『42』でのジャッキー・ロビンソンに続いて実在の人物を好演。まさにミスター伝記映画。若い時は知らないけど、喋り方とかこんな感じだったよなぁ。


★★★


『しあわせはどこにある』

2015-06-15 19:28:00 | 映画道
『しあわせはどこにある』
HECTOR and the SEARCH FOR HAPPINESS

2014年イギリス・ドイツ・カナダ・南アフリカ映画 119分
脚本・監督:ピーター・チェルソム
脚本:マリア・フォン・ヘランド、ティンカー・リンジー
原作:フランソワ・ルロール『幸福はどこにある 精神科医へクトールの旅』
撮影:コーリャ・ブラント  編集:クラウス・ウェーリッシュ
美術:マイケル・ダイナー  衣裳:ガイ・スペランザ
音楽:ダン・マンガン、ジェシー・ジュボ
出演:サイモン・ペッグ(ヘクター)、トニ・コレット(アグネス)、ロザムンド・パイク(クララ)、クリストファー・プラマー(コアマン教授)、ステラン・スカルスガルド(富豪エドワード)、ジャン・レノ(ディエゴ・バレスコ)、ヴェロニカ・フェレ(ヘクターの患者・占い師アンジャリー)、バリー・アトスマ(ヘクターの友人・医師マイケル)、ミン・チャオ(イン・リー)、伊川東吾(老僧)、ジェイコブ・デイヴィース(少年時代のヘクター)、トレイシー・アン・オバーマン(患者ジェーン)、クリス・ゴーティエ(患者ロジャー)、マイケル・アダムスウェイト(患者・女王の衛兵)、ブルース・フォンテーン(ヘクターのラジコン仲間マルコム)、バーナード・カフリング(ヘクターの同僚ニードルフ教授)、ヴィンセント・ゲール(クララの上司)、ガブリエル・ローズ(フランス人娼婦)、アーロン・リー(若い僧)、スタンディウェ・キゴロギ(マリー・ルイーズ)、アンソニー・オセエミ(マイケルの恋人マルセル)、アキン・オモトロ(アフリカのボス)、テッサ・ジャバー(ファーストクラスの乗客)、シヴァン・ラファエリー(LA線の客室乗務員)、チャンテル・ハーマン(瀕死の乗客)、チャド・ウィレット(アグネスの夫アラン)、ハナ・ロングワース(娘デイジー)、エイデン・ロングワース(息子ジャック)


   

精神科医のヘクターは、美人でしっかり者の恋人クララとロンドンで何一つ不自由ない生活を送っていたが、毎日、患者たちの話を聞き続けるうちに幸せとはなにかと疑問を抱くようになる。ある日、ヘクターはその答えを求めて旅に出ることを決意。中国へと向かう飛行機でエドワードという富豪と出逢ったヘクターは、幸せは金で買えると豪語するエドワードにホテル代や食事代を出してもらい、イン・リーという中国人女性とも親しくなる。イン・リーもエドワードから雇われていることを知ったヘクターは、チベットに向かって僧侶たちと交流し、老僧に調査結果をスカイプで報告すると約束する。次いでオンボロ飛行機でアフリカに向かったヘクターは機内で知り合ったマリー・ルイーズに招かれてサツマイモのシチューをご馳走になる。大学時代の友人マイケルに再会し、麻薬王ディエゴ・バレスコとも知己を得るヘクターだったが、ある夜、乗り込んだタクシーが酔いつぶれている間に乗っ取られ、そのまま誘拐されてしまう。絶体絶命の危機の中、ディエゴに借りたペンのお陰で命拾い。生きていることを実感しつつ、ヘクターはロサンゼルスへ向かい、機内で瀕死の乗客の命を救う。サンタモニカのビーチで再会したかつての恋人アグネスは2人の子持ちで妊娠中だった。アグネスとの関係を怪しむクララと喧嘩したヘクターはコアマン教授から脳波検査を受ける。検査中、クララと電話で話すうち、ヘクターの脳波は今までに見たことがないような結果を見せる。

フランスの精神科医が書いたベストセラーを映画化。

Making comparisons can spoil your happiness.(比較することは幸せを台なしにする)
A lot of people think happiness is being rich or important.(幸せとは金持ちになったり、偉くなったりすることだと考えている人が多い)
Many people see happiness only in their future.(人は幸せを未来にしか見ない)
Happiness could be the freedom to love more than one woman at the same time.(一度に複数の女性を愛すること)
Sometimes happiness is not knowing the whole story.(幸せは時としてすべてを知りすぎないこと)
Avoiding unhappiness is not the road to happiness.(不幸を避けるのが幸せへの道ではない)
Happiness is being loved for who you are.(幸せとはありのままの姿で愛されること)
Happiness is feeling completely alive.(幸せとは心底生きている実感を味わうこと)
Happiness is knowing how to celebrate.(幸せとは盛大に祝うこと)
Listening is loving.(話を聴くことは愛を示すこと)

などなどヘクターは世界中を旅行しながら、様々な幸せのヒントを書き留めていく。中にはSweet Potato Stew!(サツマイモのシチュー!)なんてのも。
ヘクターの調査の結果ははっきり言って世界中を旅行しなくても予測がつきそうなものではあったが、観終わった後に心持が穏やかになれる一作だった。
それにしても中国の次に行くのが「アフリカ」って。大雑把すぎでしょ。

ロザムンド・パイクさんは『ゴーン・ガール』とは打って変わって可愛らしさ満載。
それでもいつ本性を表すのかとハラハラ(笑)。
チベットの老僧はてっきり中国系の俳優さんかと思ったら、伊川東吾さんだったのね。


★★1/2


『偉大なる、しゅららぼん』

2015-06-15 01:08:00 | 映画道
『偉大なる、しゅららぼん』

2013年日本映画 114分
監督:水落豊
脚本:ふじきみつ彦  原作:万城目学(集英社文庫刊)
音楽:瀬川英史  企画・プロデュース:山田雅子
撮影:明田川大介  照明:府川秀之  録音:松本昇和
整音・ミュージックエディター:小林喬  音響効果:柴崎憲治
D.I.T.:石本卓也  美術:原田恭明  装飾:沢下和好
スタイリスト:伊島れいか  ヘアメイク:酒井啓介  助監督:窪田祐介
キャスティング:中元浩司  編集:鈴木真一  製作担当:星野友紀
主題歌:ももいろクローバーZ「堂々平和宣言」
出演:濱田岳(日出淡十郎)、岡田将生(日出涼介)、深田恭子(淡十郎の姉・日出清子)、渡辺大(棗広海)、貫地谷しほり(藤宮濤子)、村上弘明(校長・速水義治)、笹野高史(船頭・源治郎)、佐野史郎(日出淡九郎)、松平定知[声の出演](ナレーター)、高田延彦(棗永海)、田口浩正(涼介の父・日出洋介)、津川雅彦(日出淡八郎)、大野いと(校長の娘・速水沙月)、柏木ひなた[私立恵比寿中学](広海の妹・棗潮音)、小柳友(不良生徒・葛西)、森若香織[GO-BANG'S](棗の母)、三又又三(教頭・向井)、浜村淳(通行人)、渡辺哲(淡九郎の商談相手・林)、長久博行(日出一族)、太田淳司(同)、北川肇(同)、寺尾毅(棗一族)、柳沼周平(同)、古賀英鉄(同)、井坂邦子(日出一族)、川口喜代子(同)、澤田裕子(同)、宮田順仁(棗一族)、鈴木英之(同)、藤村椿、杉さおり、大倉巧、佐々木厚咲、土本ひろき、谷口知輝(担任)、文山永京、福嶋千明、平瀬ひとせ、林富江、池田琴弥、寺浦麻貴(女子高生)、許リ菜生(同)、中島瞳、加藤由貴、山本果歩、川畑明子、入柿友香、畑中咲菜、石井秀明、咲田有作、パレラ・ケント、倉井陽祐、笹部祐矢、岡村知樹、江田大空、夫島義裕、松田佳祐(中学生の源治郎・写真)、藤本杏(源治郎の恋人・写真)、篠原優奈(赤ん坊の淡十郎)、越野粋月(赤ん坊の涼介)、小林璃兎(赤ん坊の広海)、吉村陽依、大抜卓人、長谷川巧、前田彩名(美容室の客)、吉田克己、上妻啓太、福田匡紀、寺田忍、小野瀬奈苗


  

琵琶湖畔の街、石走に住む本家の元へやってきた日出涼介。本家の日出家は1300年来代々琵琶湖から不思議な力を授かる一族で、涼介は高校への進学を期に修行するために本家で居候を始める。日出家は江戸時代に建てられた石走城に住み、石走の街を牛耳っていた。本家の跡取り息子・淡十郎は最強の力の持ち主とされ、人々から崇め奉られていた。その姉・清子は『グレート清子』と呼ばれるほどあまりに強大な力を持つため社会に馴染めず、城に引きこもっていた。城での暮らし、白馬を乗りこなす清子、源治郎が漕ぐ船での登校など、涼介にとっては本家での生活は戸惑うことだらけだった。さらに生まれながらにして殿である淡十郎と接するうちに供の者として扱われ、自ずと主従関係ができてしまう。ある日、淡十郎は校長の娘・速水沙月に恋をする。しかし沙月が思いを寄せるのは同じクラスの棗広海であることを知り、尋常ではないほど取り乱す淡十郎。広海のいる棗家もやはり力を持っており、1300年にわたり日出家とライバル関係にある一族だった。元々いがみあっていた両家は淡十郎の小さな失恋をきっかけにさらに対立を深め、やがて世界を滅ぼしかねない大騒動を巻き起こす……。【「KINENOTE」より】

万城目学さんの同名小説を映画化。

万城目学さんは『鴨川ホルモー』以降、特殊な設定(大体、先祖代々とかいうパターンが多い)の作品で人気を博してきているが、本作なんかもいかにも映像化を頭に入れた作品のような気がする。
ただ、そういう設定であったり、岡田将生くんと濱田岳くんという組み合わせであったりはもはや新鮮味が感じられない(この2人は過去に万城目学原作作品にも出演していて、伊坂幸太郎原作作品の常連でもあるし)。
渡辺大さんも高校生はキツするぎるでしょ…。

ところで涼介がかわらけを投げるシーンに貫地谷しほりさんがいて、『ちりとてちん』を思い出したのは私だけではあるまい。


『幕末高校生』

2015-06-14 01:47:00 | 映画道
『幕末高校生』

2014年日本映画 108分
監督:李闘士男
脚本:橋部敦子  原案・協力:眉村卓「名残の雪」
音楽:服部隆之
撮影:藤石修  美術:松宮敏之  照明:沢田敏夫  録音:松陰信彦
編集:宮島竜治  音響効果:大河原将  助監督:増田伸弥
記録:北濱優佳  進行主任:森洋亮
主題歌:ナノ「INFINITY≠ZERO」
出演:玉木宏(勝海舟)、石原さとみ(川辺未香子)、柄本時生(高瀬雅也)、川口春奈(森野恵理)、千葉雄大(沼田慎太郎)、佐藤浩市(西郷隆盛)、谷村美月(慎太郎の同居人・千代)、吉田羊(海舟の妻・民子)、石橋蓮司(蕎麦屋・長英)、伊武雅刀(町奉行・大崎則篤)、嶋田久作(商人・薩摩屋)、柄本明(陸軍副総裁・柳田龍三)、篠井英介(徳川慶喜)、山崎銀之丞(火消し「を組」頭取・新門辰五郎)、中村育二(徳川家臣柳田一派・木下長行)、隆大介(西郷の側近・山下利蔵)、宇梶剛士(東海道先鋒隊隊長)、高杉亘(幕府軍隊長)、渡辺邦斗(柳田一派・宮川八郎)、平間壮一(火消し)、北島美香(慎太郎の母・沼田容子)、菅原大吉(奉行所役人)、井上肇(柳田一派・神田尚志)、真島公平(佐註ウ邦)、あべまみ、渡辺凱、芹沢礼多、上野秀年、浅田祐二、川鶴晃裕(勝家下男・達治)、床尾賢一、内藤邦秋、櫻井忍、三浦憲世、石川栄二、井上久男、金子栄章、花田昇太朗、加藤寛治、真木莉那、金井未希(柳田の女中)、津川マミ(同)、小林茉利江(同)、濱田帆乃果(蕎麦屋の小女)、谷口高史(網元)、三谷昌登、福本清三(幕府軍)、笹木俊志、小谷浩三、田井克幸、浜田隆広、高橋弘志、山口幸晴、木村康志、本山力、杉山幸晴、山田永二、小泉敏生、松永吉訓、鎌森良平、吉田輝生、重伸幸、宇野嘉高、清家一斗、稲田龍雄、野々村仁、太田雅之、奥深山新、越中晃一、徳田忠彦、北村友希、加藤正記、大石昭弘、仲野毅、中島崇博、夏山剛一



   

高校教師・未香子は生徒たちと『体感ヒストリー江戸時代』というもので1868年幕末の江戸へタイムスリップ。しかし教え子の恵理や慎太郎とはぐれ、雅也とともに幕府に捕えられ、陸軍総裁・勝海舟に預けられる。その頃新政府軍と幕府軍との間で戦いが始まろうとしており、勝は無益な戦いを回避できるような道を模索していた。歴史教師の未香子は和平交渉が持たれ江戸城は無血開城すると言うが、薩摩軍総司令官・西郷隆盛のもとへ送った和平の使者からの返事はまだ来ていなかった。本来ならすでに西郷からの使者が到着しているはずなのに来ていないということは、歴史が変わろうとしているのではないかと思いいたる未香子。薩長軍は江戸へ着々と歩を進め、時流は戦へと向かっていた。未香子は恵理や慎太郎を探し、勝は彼女らの未来を守るために奔走する……。【「KINENOTE」より】

2度にわたってドラマ化された「名残の雪」を原案にして映画化。

この程度の作品だろうなぁと思って、やっぱりその程度の作品だったという好例。
石原さとみさんはつくづく作品に恵まれていない。
谷村美月さんも役不足もいいところ。せっかくこの2人が直接共演するシーンもあるというのに。
映画館で観ていたら爆睡間違いなし。


『追憶と,踊りながら』

2015-06-09 21:09:00 | 映画道
『追憶と、踊りながら』
Lilting/轻轻摇晃

2014年イギリス映画 86分
脚本・監督:ホン・カウ
製作:ドミニク・ブキャナン
撮影:ウラ・ャ塔eィコス  編集:マーク・タウンズ
美術:ミレン・マラニョン  音楽:スチュアート・アール
出演:ベン・ウィショー(リチャード)、チェン・ペイペイ(ジュン)、アンドルー・レオン(カイ)、モーヴェン・クリスティ(マーガレット)、ナオミ・クリスティ(通訳ヴァン)、ピーター・ボウルズ(アラン)


   

初老を迎えたカンボジア系中国人のジュン。ロンドンの介護ホームでひとり暮らしている。英語もできない彼女の唯一の楽しみは、息子のカイが面会に来る時間だった。優しく美しく成長した息子のカイ。言葉のわからない彼女にとって、息子のカイだけが、ロンドンと彼女をつなぐ存在だった。ジュンの気がかりは息子が友達に優しすぎること。なぜカイは、友達のリチャードと暮らすのか。そのために自分をこんなホームに入れるなんて。大切なのは家族なのに。そんな文句をカイに言うが、彼は返事をはぐらかし、明日のディナーを自分の家で、とジュンを誘う。「明日、ディナーに来てくれるよね」「もちろんよ」「料理もしてくれる?」「あたりまえよ」カイは自分がゲイで恋人リチャードを深く愛していることを母に告白できず悩んでいたのだ。そして訪れる、突然の悲しみ。孤独なジュンを心配したリチャードは、カイの”友人”を装ったまま、ジュンの面唐ゥようとするが……。違う文化、違う世代を生き、言葉も通じないジュンとリチャード。愛する人を失った痛みを共に感じているのに、愛ゆえに大きな亀裂が生まれてしまう――。

カンボジア系イギリス人ホン・カウ監督デビュー作。

ストーリー自体はさして複雑ではなく、最愛の人を失ったリチャードとジュンの心の動きに主眼が置かれる。それだけに構成ももっとシンプルな方がよかったのではないか。というのもこの映画、過去と現在が地続きで描かれ、境目がはっきりしないし、現在のシーンでも何の切り替えもなく1週間ぐらい経っていたりするため、戸惑ってしまう。
また、これも狙ってのことだというのは重々承知ながら、通訳を介してのリチャードとジュンとの会話がもどかしくて仕方なかった。


★1/2