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法 水 道~The Road to NORIMIZU

映画・演劇についての戯言。ブログ引っ越しの際、一部文字化けや画像の不具合が出ております旨、ご了解ください。

シス・カンパニー『草枕』

2015-06-25 23:51:00 | 演劇道
シス・カンパニー公演
日本文学シアターVol.2【夏目漱石】
『草枕』




2015年6月5日(金)~7月5日(日)
シアタートラム
全席指定:6,800円

作:北村想  演出:寺十吾
美術:松井るみ  照明:小川幾雄  衣装:前田文子  音響:岩野直人
ヘアメイクデザイン:勇見勝彦  映像:横山翼、大見康裕
舞台監督:瀧原寿子  プロデューサー:北村明子

出演:
段田安則(画工)
小泉今日子(前田卓/那美)
浅野和之(茶屋の老婆/下女/床屋の亭主/中折れ帽の男/卓の父・案山子)
春海四方(観海寺の和尚・大徹)
山田悠介(那美の従弟・久一)

卓(つな)という女の肖像画を描くための力を得ようと、画工は旅に出た。山路を歩いてたどり着いたのは那古井といいう山あいの温泉場。茶屋の婆さんによると、宿の女将は何やらいわくつきの美女だという。画工を迎えたその女主人の名は那美。彼女のどこか謎めいた美しさとぽんぽんと物浮カしない振る舞いに画工はがぜん興味をそそられる。宿に逗留するうち、画工は那美の父の案山子や禅僧の大徹、那美の従弟で洋画を描く久一らと出会う。山中に広がる鏡が池、漂う女のイメージ。画工はこの旅で、本当の「美」を見つけることができるのだろうか。【パンフレットより】

『グッドバイ』に続く日本文学シアターVol.2。
前作と同じく北村想さん&寺十吾さんのコンビにて。

夏目漱石の名作を北村想さんが再構築、『グッドバイ』に引き続いて寺十吾さんが演出。小泉今日子さんはヒロイン・那美とそのモデルとなった前田卓(つな)の二役。
寺十さんの演出作品を観るのは確か初めてだけど(生では)、結構舞台を大きく使っていて意外だった。画工が山路を歩く冒頭のシーンでは客席も使用。

因みに前田卓については北村想さんに関する著作もある演劇評論家・安住恭子さんが本を書いていて和辻哲郎文化賞を受賞しているのだけど(パンフレットにも寄稿)、やはりそれがインスピレーションになったもよう。
一度、原作も読んでみないとな…。

中では能年玲奈さんもブログに書いていたけど、5役をこなした浅野和之さんはほとんど出オチでちょっと反則だよなぁ。

上演時間1時間20分。


流山児★事務所『新・殺人狂時代』

2015-06-24 23:08:00 | 演劇道
流山児★事務所 創立30周年記念公演 第4弾
『新・殺人狂時代』




2015年6月24日(水)~28日(日)
ザ・スズナリ
全席指定 一般券前売:4,000円 当日:4,500円
アンダー25チケット前売:3,200円 当日:3,500円
高校生以下:1,000円(前売・当日共) Ryu's会員:3,200円

作:鐘下辰男(演劇企画集団THE・GAZIRA)
演出:日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)
企画:流山児祥
美術:鎌田朋子  照明:朝日一真(A's light)  音響:佐久間修一
衣装:藤田友  舞台監督:本郷剛史  演出助手:小形知巳
制作:米山恭子  宣伝美術:藤原カムイ、Flyer-ya

出演:
木暮拓矢(男1・サトウ)
西條義将[モダンスイマーズ](男2・ヤマモト)
伊原農[ハイリンド](男3・タカハシ)
佐野陽一[サスペンデッズ](男4・スズキ)
上田和弘(男5・ヨシダ)
里美和彦(男6・ヤマダ)
岡本篤[劇団チョコレートケーキ](男7・タナカ)
イワヲ(男8・ナカムラ)
日下部そう(男9・コバヤシ)
白井圭太[温泉ドラゴン](男10・カトウ)
塩野谷正幸(男11・イトウ)
浅井伸治[劇団チョコレートケーキ](男12・ワタナベ)
五島三四郎(男13・ササキ)

その日、男たちは災害に見舞われた。地上への出口は塞がれ、いつ崩壊するとも分からない暗闇に支配された建物の地下で、男たちは生還を目指す。外部と遮断され、内部の状況も把握できない。そんな「ごまかしの効かない」現状で、今とるべき行動とは...。【公式サイトより】

流山児★事務所、創立30周年記念公演第4弾。
2002年に初演された『殺人狂時代』から13年、鐘下辰男さんによる書き下ろし。

とある施設の地下、地震で出口が塞がれて閉じ込められる13人の作業員。
薄暗闇の中、終始、怒号が飛び交う男だらけの暑苦しい(誉め言葉)芝居。
『十二人の怒れる男』よろしくサトウという人物が中心となって、あれこれと提案するも周囲からは反対される始末。責任者を決める段になってもナカムラが選ばれると、パイプを叩いて外部に自分たちの存在を知らせようとする。このサトウというのが非常に自分勝手な人物で(実は潜入取材に来たジャーナリスト)、あまり共感はしにくい部分はあるのだが、色々と考えさせられる作品であった。
この設定自体はもちろんフクイチを想起させるものだが、13人の登場人物の名前がサトウ、ヤマモト、タカハシ、スズキ、ヨシダ、ヤマダ、タナカ、ナカムラ、コバヤシ、カトウ、イトウ、ワタナベ、ササキと日本人の苗字の上位にくるものばかり。この物語は決して特定の地域の話ではなく、日本全体の話なのだということなのだろう。

あと、「状況はコントロールされている」という台詞でドッと笑いが起きたけど、本当は笑いごとじゃないんだよなぁ。我が国の総理大臣がオリンピック招致のために平然と世界に向けて大嘘を撒き散らしたんだから…。


新宿梁山泊『二都物語』

2015-06-21 23:00:00 | 演劇道
新宿梁山泊 第55回公演
『二都物語』




2015年6月20日(土)~28日(日)
新宿・花園神社境内 特設紫テント
階段指定席前売:4,500円 当日:5,000円
桟敷自由席前売:3,500円 当日:4,000円
学生席前売・当日:2,800円(棧敷自由席限定)

作:唐十郎  演出:金守珍
美術:宇野亞喜良
照明:泉次雄(ライズ)  美術助手:野村直子
舞台装置:大塚聡+百八竜  劇中歌作曲:大貫誉  音響:N-TONE
振付:大川妙子  殺陣:佐藤正行  宣伝美術:宇野亞喜良、福田真一
主催・企画:新宿梁山泊  制作協力:J・S・K

出演:
大鶴義丹(内田一徹)
水嶋カンナ(リーラン)
有栖川ソワレ(光子)
大久保鷹(犬ごろし、猫とり)
趙博(私設職安の課長)
広島光(私設職安の職員・佐々木)
小林由尚(同・津)
加藤亮介(同・田口)
申大樹(夜の役人/バーテン)
格清俊光(男1/夜の刑事)
清水修平(男2/コック)
島本和人(私設刑事/酔客)
渡会久美子(ひなたぼっこの群れの代表者)
三浦伸子(少女1)
海老根寿代(少女2)
小椋麗華(少女3)
柏木亜優美(少女4)
荒田翔子(少女5)
釜山から玄界灘を超えてやってきた元日本兵の密航者たちは噂の職安を始める。ある時、食堂からクレームが入る。職安に紹介されて雇ったリーランという女が、客から痰壺に100円を恵んでもらっているというのだ。一方、万年筆工場の火事で火傷を負い、目が見えなくなった少女・光子は、赤い木馬に乗ることを夢見る。リーランは光子の兄・一徹に兄の面影を求めて近づこうとする。

1972年、状況劇場で初演された作品。状況劇場以外で上演されるのは初めてだとか。

チラシには先月亡くなった演劇評論家・扇田昭彦さんの寄稿があり、パンフレットにも転載されていたのだが、「開演がとても楽しみだ」という最後の一文が切ない…。金守珍さんが扇田さんについて書いた文も載っており、開演前は少々しんみり。
だが、本番が始まってしまえば舞台から発せられるエネルギー(と水しぶき)を浴びて4年ぶりの紫テントを最前列で満喫。前半はいつもよりは分かりやすいような気もしたけど、物語が進むにつれて混乱してくるというね(笑)。

水嶋カンナさんも悪くはないのだが、やはり李麗仙さんはどうだったんだろうと思わずにはいられなかった。
光子役は有栖川ソワレさん、小椋麗華さん、海老根寿代さんが3日ずつ担当。この日は劇嬢ユニットでもお馴染みの有栖川ソワレさんでラッキー。


劇団☆新感線『五右衛門vs轟天』

2015-06-13 23:30:00 | 演劇道
劇団☆新感線 35周年 オールスターチャンピオン祭り
『五右衛門vs轟天』




【大阪公演】
2015年6月
イオン化粧品 シアターBRAVA!

作:中島かずき  演出:いのうえひでのり
作詞:森雪之丞、いのうえひでのり  音楽:岡崎司  振付:川崎悦子
美術:池田ともゆき  照明:飯泉淳  衣裳:小峰リリー、駐c団吾
音響:井上哲司  音効:末谷あずさ、大木裕介
殺陣指導:田尻茂一、川原正嗣  アクション監督:川原正嗣
ヘア&メイク:宮内宏明  小道具:高橋岳蔵  特殊効果:南義明
映像:上田大樹  大道具:俳優座劇場舞台美術部  歌唱指導:右近健一
演出助手:山崎総司、大塚茜  舞台監督:芳谷研、八木智

出演:
古田新太(石川五右衛門)
橋本じゅん(剣轟天)
松雪泰子(真砂のお竜)
池田成志(セイント死神/ばってん不知火)
賀来賢人(アンドリュー宝田)
高田聖子(マローネ・ド・アバンギャルド)
粟根まこと(Dr.チェンバレン/からくり戯衛門(宇賀地典膳))
右近健一(アビラ・リマーニャ)
河野まさと(インビンシプル・プラックキッド/人犬太郎)
逆木圭一郎(前田玄以/ぬらくら森の悪ガキ)
村木よし子(クイーンロゼ・ゴージャス/紅蜘蛛御前)
インディ高橋(カストロヴィッチ北見/鎌霧之助)
山本カナコ(招鬼黒猫)
礒野慎吾(ふんどしと呼ばれる男)
吉田メタル(死神右京)
中谷さとみ(風谷のウマシカ)
保坂エマ(くれくれお仙)
村木仁(ネエコ・マケ/ぬらくら森の悪ガキ2)
安田桃太郎(ダークナイト16/エスパーダ)
冠徹弥(はがね太郎)
教祖イコマノリユキ(ひげ紋次)
武田浩二、藤家剛、加藤学、川島弘之、伊藤教人、南誉士広、熊倉功、藤田修平(ブラックゴーモン部下/捕り方/ふんどし一味/風魔忍者/盗賊ほか)
上田亜希子、嶌村緒里江、谷須美子、吉野有美(桃色インターメ[ラーX/算盤ダンサー/からくり少女隊/ぬらくら森の動物ほか)
新谷真求iおリカ・声)
菅原正志(ナレーション)


ニブロール『リアルリアリティ』

2015-06-05 23:00:00 | 演劇道
ニブロール『リアルリアリティ』



【名古屋公演】
2015年6月5日(金)~7日(日)
愛知県件p劇場小ホール
一般:3,200円  当日:3,500円

振付:矢内原美邦  映像:高橋啓祐
音楽:SKANK/スカンク  美術:カミイケタクヤ
照明:ヤン・ベッカー  衣裳:稲村朋子  舞台監督:鈴木康郎
声楽:成田夕香(ソプラノ)、中野智貴(テノール)
出演:小山衣美、鶴見未穂子、森井淳(j.a.m.Dance Theatre)、石垣文子、田辺舞、堀江善弘(afterimage/【exit】)、渡邊智美

岸田戯曲賞受賞者でもある矢内原美邦さん率いるダンスカンパニー、ニブロール。
ミクニヤナイハラプロジェクトの公演は観たことがあるけど、ニブロールは初。

ダンサーたちが駆け足でダダダッとステージに現れて開演したかと思うと、音や光、映像、ダンサーの動きに目を奪われ、なかば陶然としているうちに閉幕。あっという間の、しかしながら刺激に満ち満ちた1時間であった。
コンテンャ宴梶[ダンスについてはまったくの素人だし、この印象をうまく言葉で言い表すことができないが、世界にはまだまだ自分の知らない方法で様々なことを表現している人たちがいるのだなと蒙を啓かれた思い。できればもう1回、2回と観たかった。