【岡潔の思想】

【岡潔の思想】130「岡潔先生と語る 」(2)- 西洋文明の限界ー

【岡潔の思想】130「岡潔先生と語る 」(2)- 西洋文明の限界
「今の若い人は自己中心」(其の一)

(男性)先程からいろいろ難しいお話をお聞きしておりますが、ここには年長者の方、あるいはお若い方もおられる、また子供さんもおられる。この中で、先程司会者も云われたように、難しいこともあるけれども、これからお願いすることを、わかりやすくご説明して頂きたい。

 私も一会社のあるポストにおる訳ですが、そこで人間関係ですが、若い社員人達と接していて感じることなんですが、今の若い人は薄情と云いますか、何か仕事をやらせると、はたがどんなに窮屈な思いをしていても知らん顔をしている。
 自分の仕事のことしか考えないという人が多い。これはある大学の先生から聞いた話なんですが、今の大学生はごく基礎的な数学の問題など解かせてもまるで出来ない者が多い。ところがスタイルとか理屈を云わせると、まるで英雄気取りである。

 どうも若い人達は、自己中心自己主張が強いように感じられる。昔は国中心とした中で、社会構成ということが自然出来ていたように思うんですが、現在は個人個人バラバラである、そういう感じを受ける。
 現実の問題として、私は会社で困っております。何かよい方法は無いか、わかりやすく簡単にお教え頂けましたら・・・
(岡)このねえ、今の教育アメリカの、主としてデューイの教育学をもとにしたものですが、アメリカ人第二の心のあることを知りませんから、自分と云えば自我のことだと思ってる。それしか無いと思ってる。それ以外自分というものを知らない。
 それで総て自己中心がよいのだと、そうえてる。で、そう教育したんです。人は自己中心であるべきだと教育したんです。それで今のようになってしまった。本当は自我を抑止することを教えなきゃいけない。
 教育一番すべきことは、自我を抑止することです。これは数え年五つぐらいから始めて、高等学校の終りぐらいまでは自我抑止をやらさなきゃいけない。それをちっともやらずに、逆に人は自己中心振る舞うべきだと教えたんですね。そして大学生まで来た。こうなったらちょっと直りません。

 で云えば、雑草が非常はびこってるようなものです。雑草は出始めた時すぐ引かなきゃいけない。一旦こうなってしまったら、ちょっと直りませんね。
良い方法って無いでしょうけど、しかしなんとか人は自己中心ではいけないということを、わかりやすいところからえていかなきゃ仕方ありませんね。ちょっと直りません。ちょっと直らんから、それをやかましく云うんだけど、教育はそれ聞かない。
 大体、小学校の教育ったら、もうちょっと直りません。幼稚園、小学校、その辺をよく教育しなきゃ。
 何よりも自己中心はいけない。それから、第二の心の内容が情緒です。だから情緒豊かにてなければいけない。

 春になると春の気分がする。これが情緒です。こういうことが無かったら、人生は索漠たるものです。情緒というのは第二の心が働くから感じられるので、小学校の教育情緒豊かにと育てなきゃいけない。それをやっていない。
 (岡先生、トイレに立たれる)

※典比古
 今日のコメントはあえていたしません。 
      吾妻山山頂の「エノキ」です。撮影23日 典比古
    
 
次回【岡潔の思想】131「岡潔先生と語る 」(2)- 西洋文明の限界ー
「今の若い人は自己中心」(其の二)を記事にいたします。
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