【岡潔の思想】305「1969年の質疑応答」
【日本民族の定義】
(岡) いやあ、これはどーしたって。つまりね、どこ間違ってるかというと、頭頂葉が主人公であって、前頭葉は道具なんだと、それをよく教えりゃいいと思います。
そして日本民族っていいましたが、日本民族ったら一大家族ですから、動物は皆家族の一員だし、植物も皆家族の一員だし、雨も風も皆家族の一員だし、欧米人は眠って火の燃えさかる夢を見ている日本民族なんです。そういう風なのが日本民族なんです。
「天(あめ)が下を覆うて家とすべし」と神武天皇がいわれたと聞いてますが、この方向のものでしょう。人だけではない、まして欧米人が違うんでもない。が、現在は眠って夢見てるんだから、いっしょに働いてくれたって無理ですね。どうすれば起こすことができるか。起こしたら目覚めた日本民族、今は眠ってる日本民族。そういう意味です。いや、これ(前頭葉)が道具で、これ(頭頂葉)が自分でとはっきり昔、教えなかったんでしょう。そう教えれば、(うまく)行きますね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
横山賢二さんの解説が読めます。
🔶岡潔講演録(17):【25】 学校とは誠心誠意 (okakiyoshi-ken.jp)
※典比古
「日本民族ったら一大家族ですから、動物は皆家族の一員だし、植物も皆家族の一員だし、雨も風も皆家族の一員」と述べております。
まさに「第1の心」を基底観念としてしまうと、どうしても自他対立という世界観の中でしかものを眺めることができなくなることをおっしゃっています。
「第2の心」から眺めると、人、動物、植物も、自然と云う晴雲雨風もすべて情でつながっており、家族のように思えてくるのですね。
ここで重要なことは「日本民族」という言葉使いをすると、すぐに「右翼的思考の持ち主だ!」などというふうに、短絡的に思考してしまう癖がありますが、ここでは「欧米人は眠って火の燃えさかる夢を見ている日本民族なんです。」と。
日本の歴史を深く洞察された岡さんの思想は、世界の民族を「日本民族」だととらえています。まさに人本然に備わっている「情」の世界から眺めるとそのような慈しみ溢れる世界観が生まれてくるのですね。
横山さんは「岡の別の表現をかりれば『自分は自分、人は人という名の自分、自然は自然という名の自分』ということになるのであって、この神武天皇の有名なお言葉は、そういう世界観から生まれたものであると岡はいいたいのである。」と解説しております。
ワタクシが所属しています「じゆう工房」理事長「外山美恵子」さん監督の映画です。
10月14日には【氣は未来を開く】の完成記念上映会と中島由美子講師の特別講演もございます。尚、近くになりましたら、またご案内させていただきます。詳しくはfbを。Facebook