悠斗の玩具系駄文日記?

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のび太の宝島 感想

2018-03-03 12:13:34 | Weblog
毎年、この時期が楽しみな水無月です。

というわけで
映画ドラえもん のび太の宝島感想です

以下ネタバレ注意





























あらすじ
出木杉から冒険小説「宝島」の話を聞かされたのび太は、自分も宝島へ行くと宣言する。
ドラえもんの道具「宝探し地図」で宝島を発見するが、それは日本近海に新たに出来たという島だった。
さっそく島へ行こうとするのび太だったが、ママから夏休みの宿題をするように言われ、それに同意するパパに反発して宝探しへ出かけると同時に家出してしまう。

ドラえもんの道具で組み立てた帆船「ノビタオーラ号」に乗り、いつもの5人で海へ出て、やがて島が見えたその時、海賊が船を襲ってきた!
さらに島は巨大なドームに包まれて沈み、しずかちゃんが海賊に攫われてしまう。のび太たちは海上を漂っていた少年フロックと共に海賊たちを追って大航海へ旅立つ。
はたして海賊たちの正体は。海賊たちのキャプテン、シルバーの目的とは?


今回、いきなり驚かされましたが、いつものオープニングがない!
ドラえも~んはあるんですが、タイトルが出て、そのまま話が進んでいくのには面くらいました。

で、肝心の本編。
冒頭こそ旧作の「のび太の南海大冒険」やてんコミ45巻収録の「南海の大冒険」を下敷きにしていますが、内容を大きく膨らませ、のび太たちが本格的な冒険へ旅立ちます。

今回の宝島は海賊たちの島型潜水艦というぶっ飛んだ設定。内部には水上都市が存在し、海賊たちが暮らしています。
攫われたしずかちゃんは自分そっくりの少女セーラと出会い、彼女に保護されて島の食堂で働きながら助けを待ちます。
一方、のび太たちは海賊から逃げ出した少年フロックと共にどこかへ行ってしまった海賊船を追って海上を進んでいく、という二つの視点で展開されます。


のび太たちの視点では海上で生活するために時化の海で船酔いになったり、嵐に遭って船の自動操縦装置が壊れ、手動で帆船を操縦するなど大冒険を繰り広げます。
そして、当初はぶっきらぼうだったフロックがのび太に心動かされ、仲良くなっていく友情描写に力を割いており、すごくワクワクさせてくれました。

しずか視点では海賊たちも怖い人たちだけでなく、しずかをかばってくれる気のいい人たちも多く、海賊側のキャラクターをうまく掘り下げることに成功しています。
また、フロックの妹セーラとの触れ合いの中で、島の謎、セーラ一家に関する物語が描かれていきます。

二つの視点を作る事で、冒険とキャラクター描写の両方を成立させ、映画らしい冒険のドキドキワクワク感と物語に深みを与えることに成功していると思います。
やや中弛みする部分もあるものの、冒険物語としては非常に楽しめる作品となっていました。

ギャグ描写も多く、特に序盤やラストののび太の部屋に飾ってある8頭身ドラえもんの絵は完全に笑わせにきてました。
他にもイカダで沖へ出ようとするジャイスネなども面白かったですね。


そして、物語が後半にいくつにつれ、クローズアップされていくのが「父と子」という本作のテーマ。
海賊たちの首領であるキャプテン・シルバーがフロックとセーラの父であるという点を視聴者にも「そうなんだろうな」と思わせる描写が多く、フロックがシルバーに反発した理由やシルバーが子供たちを置いて何をしようとしているのかが焦点となっていきます。

ネタバレしてしまうと、シルバーはとある理由から地球脱出計画を立てており、そのためにマグマとして噴出する地球のエネルギーを奪おうとします。
もちろん、そんな事をすれば地球がどうなるか分かりません。よって、ドラえもんたちは地球を救うためにシルバーと対立します。

なぜシルバーがそんな事をしようとするのかはご自身の目で確かめていただきたいのですが、正直シルバーを悪と断ずる事は出来ないようになっているんですよね。
シルバーがやろうとしているのは「小を生かして大を殺す」という事で、それは本当に正しいことなのか?という疑問を視聴者に問うているようでした。
大人の視点からするとシルバーもある意味では正しいんですよね……理由も同情できるものでしたし。

ただ、このあたり、特にシルバーが計画を立てた理由に対する明確な回答がやや放置気味だったかなーとは思います。
どちらかというと親子の和解がメインになっていましたので。
宝を集める意味はあったのか?などの疑問もありますが、基本的には泣ける描写になっていたと思います。

キャラクターの描写もすごく良かったですね。
フロックと仲良くなっていく過程が、ここ最近の作品では一番ではないかと思いますし、シルバー船長はじめ海賊たちの描写も良かったです。
クイズで道を示す「クイズ」というオウム型子守りロボットがドラえもんと仲良くなったりも。
ドラえもんたち5人にも、満遍なく活躍の機会がありました。


道具関係では、前作でもチラリと登場していたミニドラがかわゆい!
ノビタオーラ号の船員として働いているので、六分儀で方向を確かめたり、終盤では風神うちわをオールのように漕いで船を飛ばしたりと、名バイプレーヤーとして活躍していました。
他にも「宝探し地図」が原作短編や南海大冒険では紙の地図だったんですが、今回はペーパースクリーンになっており、より未来っぽい描写になっていたのはシビれましたね。



総じて、今回は冒険あり、人情あり、涙ありの良作映画だったと思います。
正直、最初の目的地が日本近海の島で拍子抜けしましたが、最終的には大西洋までの長い航海となり、本格的な旅の描写のおかげで気付いてみれば満足度の高い作品でした。
ここは賛否あるかもしれませんが、感動部分も鼻につくような内容ではなく、自然と泣けてくるような描写だったと思います。自分の近くで鑑賞していた子がボロボロ泣いていたのが印象的でした。



さて、来年の映画ドラえもんは!
・バッジが付くと、突然海が途切れて滝になる
・月で餅をつくウサギの影と飛び去るウサギの影

という描写で、おそらくてんコミ23巻収録の「異説クラブメンバーズバッジ」を原作としたオリジナルのようです。
はたして、あの話をどのように膨らませてくるのか、楽しみですね。
でわでわノシ

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