証券アナリスト(CMA) 国際公認投資アナリスト(CIIA) CFA PE

目指せ!証券アナリスト資格(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)、CFA、技術士(経営工学部門・金融工学)

テクニカルアナリスト資格試験第2次通信教育講座問題2‐2解答

2008-04-30 | CFTe
8日前の問題の解答です。

 サイクル分析は価格の周期的な動きに注目し、その方向性や値幅等を予測するものである。サイクルの周期は谷から谷で計測される。これはサイクルの山は安定して示現しないことによる。実際にサイクルを見ると山が左右にずれているケースが多く、この山が左右に移転することをサイクルのトランスレーションという。1サイクルの中で、上昇期間が長く山が右に移転することをライト・トランスレーションといい、反対に下落期間が長く山が左にシフトすることをレフト・トランスレーションという。ライト・トランスレーションは相場の強気局面に現われ、レフト・トランスレーションは弱気場面に現れる。トランスレーションが現われる背景には価格の動きが複数のサイクルの合成で形成されていることが挙げられる。より支配的な長期サイクルの長期的なトレンドに沿って、短期サイクルが歪むということである。ここで、トレンドとは価格の方向性を指す。上昇トレンドとは、より切り上がって行く山と谷の連続であり、下落トレンドはその反対である。ここで、サイクルとトレンドを結び付けて考えると、トレンドが上昇基調にある間はサイクルの山は中央から右側に生じ、ライト・トランスレーションとなる。このようにサイクルの山の位置を確認しトランスレーションを把握することにより、価格のトレンドを確認することができるのである。仮に、ライト・トランスレーションが繰り返される長期上昇相場で、山が左にシフトしたと推定された場合、それをトレンド転換の早期警戒信号として活用することができる。例えば、1年間程度の時間軸での上昇相場の中に60日程度のサイクルが繰り返し観測される相場を想定する。仮に、30日よりもかなり前の段階で、様々な分析手法でピークアウトしたと推定される場合、いったん1年程度の上昇トレンドが変調する可能性を視野に、ポジションを調整するといった使い方が可能と思われる。

796字

テクニカルアナリスト資格試験第2次通信教育講座問題2‐1解答

2008-04-29 | CFTe
8日前の問題の解答です。

RSIは、ウェルズ・ウィルダーによって開発されたオシレーター分析で、直近の一定期間において上昇変動と下降変動のどちらの勢いが強いのかを計測しようとするものである。
計算式: RSI=100-[100/(1+RS)]
    RS=[一定期間における上昇した日の前日終値幅の合計(終値ベース)]
      ÷[一定期間における下落した日の前日終値幅の合計(終値ベース)]
 作成方法は、例えば14日間のRSIでは14日間の上昇幅の合計を分子に、14日間の下落幅の合計を分母にRSを算出する。それを上記の計算式に代入し、RSIの計算結果を時間軸とともににプロットしてゆくと出来上がる。
 分析手法は、0から100までの変動するオシレーターが買われ過ぎ、売られ過ぎのレベルを示唆する。基本的には70%以上、30%以下が使用されるが、パラメーターが短い場合は80%と20%が使われることもある。また、重要な見方としてコンバージェンスとダイバージェンスがある。コンバージェンスとは株価の傾向が下降し、安値を更新しているにもかかわらず、RSIのボトムとボトムを結んだラインが上昇するパターンである。これは近い将来、株価がボトムを付ける予兆としてのシグナルとなる。一方、ダイバージェンスとは株価の傾向が上昇しているにもかかわらず、RSIのピークとピークを結んだラインが下降するパターンである。これは近い将来、株価がピークを付ける予兆としてのシグナルとなる。
 活用する際の注意点としては、オシレーター系テクニカル指標のため、トレンドの変化に対応していないことを念頭に置くべきである。つまり、市場の動きが横ばいやボックス圏での動きでは有効とされるが、トレンドの変化を捉えるのは難しい。そのため、移動平均線やトレンド分析、出来高指標などを参考にすることでRSIの欠点を補うことも実際の活用には欠かせない。

800字

テクニカルアナリスト資格試験第2次通信教育講座問題1-2解答

2008-04-28 | CFTe
8日前の問題の解答です。

 第1波は未成熟な推進波。通常3つの推進波のうちで最も短いことが多いが、大きな底値圏形成後には極めて力強くなることもある。
 第3波は通常、推進波の中で最も長くて力強く、最短となることはない。上昇幅は第1波の1.62倍以上の確率が最も高いとされている。トレンド系指標に買いシグナルが発することや、ファンダメンタルズも好転し出来高は最大となる。
 第5波は第3波ほどの力強さはない。多くの確認指標が価格の動きに遅れることや、オシレータ指標などが逆方向にそれ始め、株価の天井を警告するようになる。

 延長とは第1波、第3波、第5波の推進波のいずれかが、更に5つの波に分かれて拡大すること。最も多いのは第3波の延長。延長が起これば9波構成となる。延長の延長も第3波の中で最も多く、この場合には13波構成となる。延長推進波1波に対しては、他の2つの推進波は時間と規模で同等となる傾向がある。
 全体の特徴として、①第1波が延長の場合、第3波と第5波は延長しにくい、②第1波と第3波が普通の波であれば第5波は延長されやすく、出来高が第3波より極めて多くなる時は第5波が延長の延長となる確率が高まる。③第3波が延長の場合、第5波は普通の波になりやすく第1波と同じ長さや値幅になることが多い、―などがある。

 フェイリャーは第5波に見られる特異な動き。通常の上昇波動は1波、3波、5波と高値を更新するのに対して、第5波が第3波の高値を超えられないことをいう。これを未達成として波動の壊れと解釈している。それは、第5波の上昇推進力の衰えを示唆し、下降トレンドへの転換を警告する。第5波がより小さな5波で構成されていればフェイリャーと考えてよい。下落波動においては第5波の安値が第3波の安値の上で下げ止まることをいう。上昇相場ではダブルトップ、下落相場ではダブルボトムのフォーメーションを形成する。

799字

テクニカルアナリスト資格試験第2次通信教育講座問題1-1解答

2008-04-27 | CFTe
8日前の問題の解答です。

 代表的な事例としては、価格と移動平均線の交差をもって買い・売りと判断する場合が挙げられる。この事例においては、第1に、価格が移動平均線をまたぐように上下動して、仕掛けのシグナルが発生してまもなく逆方向の売買を指示するシグナルが発生することが連続的に起きる、第2に、期間の長い移動平均線を用いた場合に、大幅な上昇や下落が生じて移動平均線からの乖離が拡大し、かなり後になってから価格が移動平均線に到達するようなケースがある。第1のケースでは、頻繁な仕掛けと損切りの繰り返し(ウィプソー)が問題であるから、仕掛けおよび損切りのいずれかを実行するタイミングを遅らせるルールを追加するのが適切である。例えば移動平均線の突破から一定の乖離率に到達するまでは売買シグナルと見なさない、或いは突破から一定期間以上の滞留確認後にシグナルを有効とするフィルター・ルールが有効である。第2のケースでは、価格が反転してシグナルが出るまでの時間が長すぎ、シグナル発生の時点からは大きな値動きが期待し難かったり、反対方向の動きに巻き込まれる危険性が高くなる。この場合では、予め相当幅のエンベロープを設定しておき、そのエンベロープへの到達・復帰などを補助的な売買シグナルとすることが有効である。またRSI、ストキャスティックスなどオシレーター系指標を用いた際には、いったん強気・弱気のシグナルが点灯した後、再び元のトレンドに復帰するケースが頻繁に生じる。この場合は、オシレーターの使用をごく短期的な売買の判断に限定したり、直近の高値・安値の更新があった場合は速やかに手仕舞い・ポジション反転などを準備しておくことが有効である。

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