あめつちの詩

「あめつち」に響く歌声の持ち主「にいや」こと「新屋まり」が奮闘の日々を綴る。

敵は反抗期

2022-07-20 | 半径30メートルの事件

10代女子と過ごして20年。

早いものだ。

最初の3年は男子だった。

私はまだ若かった。

男子は笑わせてくれた。

毎日1回は大笑いしたものだ。

男ばっかりに混じる方が気楽だ。

若い頃から女性は苦手だった。

就職先も男性ばかりで

女性初の営業職を選んだほど。

なりゆきで女性だらけの生活に

なった。

女性特有の習性とか感性を

未だに把握できていない。

新たな発見をすることしばしば。

10代女子との年齢差は

開くばかりだし

世代間の相違を痛感するばかり。

たとえば夕焼け。

ピンク色になった空を見上げて

「えぐい!」「やばっ!」と言う。

やばいが誉め言葉に転用される

ようになって久しいが

「えぐい」も登場し始めた。

控え目な女子もいるけれど

そうじゃない女子もいる。

個体差はあるけれど

総じて団体生活のルールが

通らなくなった。

当たり前のように守らない。

ルール違反を謝らない。

少子化やネット社会で

人同士の関りが希薄になるばかり。

上下関係もリアルな友人も

「風前の灯」だ。

かろうじて部活の先輩にだけは

敬意を表している。

何より優先している気もする。

目上にはそうでもない。

「その物言いは失礼だ」と

きつく言うと

「向こうが先に」と言うからね。

「向こうが先にぃ!!??

それがそもそも失礼だ!」

と吠えました。

人は平等なのだ。

どうも伝わらないね。

相当いらっとする。

「叱られてばかりだったら

やる気がでない」

などと言われて余計にいらっとする。

「最近の子には叱ったらダメです」

と言うのはこの生活6年目の女子だ。

最近妙にいら立っているA。

何かにつけてつっかかる。

「何だその態度はっ!

いい年して甘えてんじゃない!」

ついに私も吠えました。

本当に失礼な態度の子が増えた。

「どいつもこいつも」と

思ったところへ目に留まったB。

どうしたことか最近態度が悪い。

「最近態度が良くないよ。

前と印象が違う。

周りへの悪影響がある。」

きっぱり言うが

「すみませんすみません」と

機械的にリピートする。

「シドウリョク不足」という言葉を

思い浮かべて情けない気持ちで

いっぱいになる。

しばし重たい気分に陥る。

クールダウンしてから思った。

「怒り」の根本にあるのは

「悲しみ」と言われている。

いら立っているAは

きっと何かで悲しんでいるのだろう。

そして気づいた。

Bは私自身だと。

私は10代から母に反抗的だった。

未だに反抗期かも。

先生や親という「大人」が醸し出す

「権威」が嫌いだった。

コントロールされたくない

と闘っていた。

「そうか。私がああだったんだから

仕方ない」と思ったところへ

さっきのBが来た。

「さっきはあのような態度をして

すみませんでした。」

真顔で言うのでちょっと

驚いてしまった。

「分かってくれたのなら嬉しいです」

とデスマス言葉になった。

「いってらっしゃい」と

送りだしてしばら~~く

ズルズルと涙が止まらなかった。

泣いたり笑ったり

怒ったりなだめてみたり。

絶望しては少し復調になる。

「ああ、私は生きてる」

って感じだ。

 

 

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