**** 晩秋道南探訪(9)****
年間26万人まで落ち込んだ入園者は300万人を超え、苦境に立つ動物園の再生モデルとして全国から視察が絶えない旭川の旭山動物園。 昨年その旭山動物園を訪れ 観光バスや車の数と 押しかけた人の数に驚きました。
これに反して低迷続く札幌円山動物園の来場者数の伸び悩みを 稚内の観光バスガイドである「かな子ちゃん」は道民の一人として とても心配していました。
かな子ちゃんの話では 時には来場者数が従業員数にも勝てないほどの入りで コテンパンに旭山に客を奪われている円山動物園スタッフは人で溢れる旭山に見学に行ったそうです。 戻った後 インフラ面の整備などに力をいれ 夏のイベント企画などで 復活を図り、多少持ち直しているとのことでした。
札幌では時計台と二条市場のほかには これ以上特に見たい所も思いつかないので 早速その円山動物園の復活振りを見学に行くことにしました。 市の中央にある大通駅から 地下鉄でほんの5分で円山公園に到着しました。
地下鉄の円山公園駅3番出口から 動物園まで徒歩で25-30分くらいの標示がありました。 歩く距離が長そうなので、バスで移動しようと乗り場へ移動しバスを待ちました。 日中は1時間に2本のダイヤでバスが運行されていました。 乗車して10分弱で着いた所は動物園正門ではなく西門で 辺りには人影も見当たりません。
駐車場にも車がほとんどいないのです。 閑散とした園内に ぱらぱらと来園者もいましたが、1時間の滞在中に出会った人数は 20人前後でした。 かつて娘と上野動物園や、多摩動物園に出かけたときのことを思うと、 札幌とはいえ あまりの違いに ただあきれるのみでした。
最大の売り物の白熊も出産中でお休み、現在の最大の売りは狼だとのこと。 確かに狼の獣舎はガラス張りの 旭山動物園の白熊獣舎とそっくりの構造にになってはいました。 ここだけは5-6人のお客さんが居ました。 しかし、どこも人影がまばらなのです。 いくら地方とはいえ これでほんとに やっていけるのかしら?
園内を歩いていても 不気味な静寂が漂い、遊園地や動物園の活気はどこにも見られず ひたすらわびしいのです。 なんとかせにゃならんのは 宮崎だけではない。と思ったら 園内の従業員には焦りも悲壮感も見られません。 実にあっけらかんとこれでも徐々に回復しつつあるのだそうです。
さて円山動物園は1950年(昭和25年)、上野動物園の移動動物園を札幌にて開催し、好評を得たことが起源となっています。 北海道の中核的な動物園の地位を保ってきたものの、近年旭川市の旭山動物園に入場者数で大きく水を開けられっ放し。 年間300万人以上と50万人弱ですから その差は六倍以上。
旭山動物園へ見学に出かけた円山スタッフは 戻った後で インフラ面の整備に力を入れ始めました。 2005年からは年間パスポート(1,000円)も発行しています。園内には動物の他に、熱帯植物館(20年秋に閉鎖)や、音楽ホール建設に伴い同市中島公園から移築した遊園地も併設していました。
2008年4月現在、178種883点が展示飼育され、総面積は未使用の原生林を含み224,780平米。 2005年12月に、ホッキョクグマ「デナリ」と「ララ」の間にオスの赤ちゃん「ピリカ」が誕生。2006年4月1日から一般公開されているそうです。そのホッキョクグマは出産準備で休養中でしたが・・。
ところで 道内で最も古い歴史を持つ札幌市円山動物園は、「旭山とは違う」方法で人気の回復を目指すのだとか。 円山動物園では、昨年度、動物園の「癒し効果」について札幌市立大学と共同研究を実施したといいます。
研究報告書によると、対象者のアンケート結果から、研究グループは「一定の治療(セラピー)効果があったと考える」と結論付け、園側は動物園の「癒し効果」に手応えをつかんでいるのだそうです。
2005年度に過去最低の入園者数49万人を記録した円山動物園でしたが、今年は11月に昨年度の年間入園者数である60万人を突破したといいます。癒しを求める現代人と、それを強みにしようとした園の狙いが一致したのか、人気は回復し始めているというのですが・・・・。 ほんまかいな? これでいいのかなあ。
帰路 園の正門前で学生にアンケートを求められました。 札幌市立大学の学生が実施していたあのアンケートにはそんな狙いがあったのですね。 「癒されたか」の質問には「いいえ」にマークし 園の経営に不安を感じたコメントを残したような気がしていますが・・・。
すぐ近くに年間300万人以上も来園して活気に満ちているライバルのそばで、 来場者49万人が60万人を超えたくらいで人気が回復していると思って 本当によいものでしょうかね。 それに一番気がかりは 癒しを求めてくるお客さんにフォーカスする以上 子供たちや観光客で溢れた活気ある動物園には 戻らないと思いますが・・・。
しかし、円山では その静寂を活かそうと考えてしまったのですね。 来場者が大きく伸びなくても経営的にどこまで回復するのかお手並み拝見です。 私はもっと謙虚に弱点を分析して 真の敗因を見つけて 改善策を講じるほうが良いと思うのですが・・・。
いけないいけない つい商売柄 経営だの財務面だのと 夢の無い発想になりました。
円山動物園のスタッフの皆さん、信念を持って 頑張ってくださいね。 かげながらオジサンも応援しています。
このあと札幌駅前で 昼食 そして散策後 新千歳空港から 予定通り帰路につきました。
おかげさまで 絶好の天候に恵まれた良い旅になりました。
晩秋道南探訪 了
天敵がいなくて住環境と食生活を保証されても 解き放たれることがあれば 彼らは自由を選ぶでしょうが、はたして自然が 彼らを受け入れ 心地よい生活を 恵んでくれるかどうか それが問題でしょうね。
天寿を末到できる 不自由のほうが ベターでしょうが そう思うかどうか。
「丼」
動物の種類によって、違うかもしれませんが~。
動物園に行くと、よくそんな事を考えていました。
「君達は、幸せ?」
「どうして欲しい?」って・・・・・・。
ご説明ありがとうございます。
ドン・キホーテさんのmixiから入る方法でも
オープンしてみます。
IN、OUTの数はいまだにうまく説明できませんが、定義上は
INは各ブログから当ランキングへ来場されてきた人数です。
OUTは当ランキングからこのブログへアクセスされた人数です。
と記述されています。
Yahooの検索や Mixiの私の日記から 入ってきたら前者IN になるはずなのですが....。
今日現在もOUTが多いのは 常連はブックマークしているため 毎日の読者は後者になると言うことでしょうか?
わかったような 分からない話ですね。
「丼」
とても考えさせられます。
旭山と比較すると6倍もの差がある。
同じことをしても勝てそうにないし、お客様も
こないでしょうから、癒しに求めるのも一案です。
それでも経営が成り立つのは公営なのでしょうか。
178種883点が展示飼育の食費も大変掛かると思います。
都民ランキングでIN、OUTの数の意味をお教え頂け
ればお願い致します。