時には、旅の日常

管理人:taろう/旅先で撮ったスナップにコメントを添えて、他にも気の向いた事を綴っていきます。

桂川源流探訪 佐々里峠越え-01~京都バス32系統 広河原行 ①

2017-09-24 15:11:13 | 京都
 ようやく酷暑のピークが過ぎて、秋の気配を帯びた清涼感を朝夕の空気に感じ始めた9月初旬、京都の北に連なる山中へ路線バスで分け入り、京都市の北の果て近くにある終点の停留所から、桂川の源流を経て隣の南丹市へと抜ける佐々里峠を、歩いて越えてみました。

 まずは、朝の出町柳駅から、1日3便しか本数のない、広河原行のバスに乗車。
 大勢のハイカーを乗せた路線バスは、一路北を目指します。

 京都市街の北を走り抜けた路線バスのルートは、やがて鞍馬へ向けて、上り坂に掛かりました。
 鞍馬通過後、更に山深くなった急勾配の狭い道を、花背峠へと上り続けます。


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 快晴の朝を迎えた、京阪電車と叡山電車のターミナルである、出町柳駅の駅前バスのりば。

 秋の山のシーズンに入り始めた週末の朝…ということで、京都の北に連なる山々へと向かう路線バスは、始発の停留所であるここから、既にほぼ満員の状態で、出発していきます。

 このバスに乗車しない、ハイカーのいでたちで後発のバスを待つ人々の長い行列が、この時既に出来ていました;
 多分、同道者だろうなぁ…座ることができるよう祈りながら、行列の最後尾に並びます。



 出町柳駅前7時50分発の、京都バス32系統 広河原行のバスが、のりばへ到着。
 この32系統も、ここ出町柳駅前が始発です。
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 洗車した直後なのか、綺麗なボディは、無数の水滴を纏っていました。

 入口の扉が開くや、長い行列が動き始めました。
 行列に並んでいた人々が、続々と車内へと乗り込んでいきます。



 始発の出町柳駅前で、座席は全て埋まりました。

 まるで計ったかのように、座席定員ピッタリの乗客を乗せて(立客はゼロ)、バスは広河原へ向けて、出発しました。



 出町柳駅前を出発した広河原行のバスは、まず、高野川沿いの川端通を、北へと進みます。

 朝の明るい光に照らされた高野川の水が、一層透明度を増しているように、見えていました。
 一見、水の色にも見えますが、実は水を通して見えていた、川底の色でした。




 高野橋東詰で、川端通から北大路通へと入ったバスは、北大路通に架かる高野橋を渡り、今まで横目で見ていた高野川を跨いで、西へと転進します。

 これから、京都市営地下鉄の北大路駅前へと向かいます。



 北大路通をしばらく西へと進むと、今度は鴨川に架かる北大路橋を渡ります。
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 まだまだ京都の街中ですが、広々とした緑の河原が開けた鴨川の風景(下流方向を眺めています)は、そんな街中にいることを忘れさせてくれますね。
 ここから少し下れば、三条や四条をはじめ、京都中心部の繁華街がこの両岸を埋め尽くすのが、ちょっと信じられない眺めです。

 北大路橋を渡ると、間もなく京都駅から真直ぐ北へと上がってきた烏丸通と交差する、北大路駅前(烏丸北大路)に到着します。



 北大路駅前を出発後、バスは北大路堀川から堀川通へと入って、再び進路を北へ。
 上賀茂神社の西で鴨川を跨いでいる御薗橋を、先程の北大路橋とは逆に、東へ渡ります。
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 御薗橋上のバス車内から、鴨川の上流方向を、眺めています。
 青空と河原の緑とのコントラストが見事な、朝の風景でした。

 北大路駅前や堀川通の停留所で乗客を拾い、御薗橋を渡る頃には、通路いっぱいに立客が溢れる、満員の状態に;
 乗客はハイカーの幾つかの小グループが主体であったので、行先は大体、進行方向に見えている山の中…このまま1時間以上はこの混雑状態な訳で、狭いバスの車内で立ち続けるのも苦にせず、楽しげに会話の花を咲かせていた皆さんの流石の体力に脱帽w



 京都のお盆の夜を焦がす、「五山送り火」の1つ、「船形」のある西賀茂船山を、車窓から眺めることができました。
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 この後、バスは鴨川沿いから離れて、長い長い上り坂のルートが始まります。
 いよいよ、京都の市街地がいっぱいに広がる京都盆地の北のはずれ附近に達し、車窓から見える家々も徐々に少なくなり、沿道の山が少しずつ近付いてきました。




 車窓風景は、あっという間に、市街地から山中を往くものに、変貌を遂げました!
 ほんの少し前までは、普通の住宅地の中を走行していたのですが、気付けば、家並みよりも木々の緑の方が視界の中での割合を、圧倒的なものとしています。

 貴船、鞍馬へと近付くにつれ、眺めはグングン山深さを増していきました。



 出町柳駅前を発ってから、およそ45分が経過…バスは、鞍馬寺の門前を通過。
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 豊かな緑の木立に抱かれるように建っている、鞍馬寺の仁王門へと、石段が延びていました。
 時刻は8時半過ぎ位と、まだ少々早い時間であったからか、参拝者の姿は、まだ目に入りません。

 センターラインもない一本道の狭い道路を、対向車に注意しつつ、バスは慎重に鞍馬寺の門前町を抜けていきます。

 鞍馬寺よりもう少々進んだ先の、鞍馬温泉から終点の広河原までは、停留所以外でも乗降ができる、自由乗降区間となります。
 道端で手を挙げれば乗せてくれますし、降りたい場所で運転士さんに伝えれば降ろしてくれます。
 私の乗ったこのバスでは、1名の乗客が、「ここで…」と伝えて停留所以外の場所で下車…乗車してくる人はいませんでした。
 自由乗降区間では、バスは「グリーンスリーブス」のメロディをずっと流しながら、走行します(広河原発出町柳駅前行では、「アニーローリー」が流れるようです)。



 鞍馬の家並みのはずれにある、鞍馬温泉を過ぎると、人家は遂に全く途切れて、鬱蒼とした杉林の中を走行します。

 道幅は、バスの車体よりも少し広い程度。
 普通乗用車との行き違いも、このように大変です;;
 互いに目一杯それぞれの進行方向左側の路肩部分へ寄せて、ギリギリの間隔で離合します。



 杉林をしばらく進み、いよいよ花背峠(はなせとうげ)に挑みます。
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 これが、最初のヘアピンカーブ。
 このきついカーブを皮切りに、勾配も一気に険しさを増して、この後グイグイ高度を稼いでいきます。

 カーブの手前に、「峠下」という停留所がありました。
 もちろん、周囲は道路以外には、人家はおろか人工的な建造物は、一切見当たりません。
 とても乗降があるとは思えず、何故にこのような場所に設置されたのか、不思議に思えた停留所です。




 ヘアピンカーブを1つ超える毎に、グッと高度を上げていくのが、車窓からの眺めでも分かります!
 沿道の斜面を見上げると…これから上ってゆく行く手の遥か高くまで続いていく、ガードレールを見ることができました。
 幅の狭い道路で九十九折に進む他ない、32系統の道中随一の難所である、花背峠です。

 出町柳駅前からの乗車時間は、既に1時間を超えていましたが、車内は未だ通路までギュウギュウ詰めの満員状態のまま…;
 ヘアピンカーブの度、スピードを大幅に落とさざるを得ないバスは、カーブに続く急な上り坂を、喘ぐようにゆっくりと(自転車並みのスピード?)登ります。

 バス後方では、バスに追いついた車の列が、どんどん長くなっていきます。
 急カーブかつ急勾配の狭い道ゆえに、追い越してもらおうにも、中々道を譲る場所もなく、峠に到達するまでの上り坂の区間は、結局バスを先頭にして、ノロノロ進まざるを得ませんでした。



 正に「ヘアピン」の如く、凄まじい角度でカーブを描く、美しいwヘアピンカーブ。
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 バスの大きな車体を、幅の狭いこの峠道(これでも国道(477号線)です)でも難なく操り、着実にルートを進んでいく、運転士さんの職人技的なハンドル捌きには、脱帽です!
 たとえ軽自動車であっても、出来ればこの道は、運転したくありませんね…(-_-;)




 直前に走っていた路面も、あっという間に、眼下に眺める光景となってしまいます;

 沿道は、良く手入れされた美しい杉林ですが、勾配も峠へと近付くにつれて、益々険しく;;
 カーブ時に、前方の行く手を見遣ると、傍目にもキツそうな傾斜をつけて、なお上り坂が延々と続いていました。

 このような悪条件の下でも、対向車が来れば、場合によっては一時停車せざるを得ず、何とか対向車をやり過ごした後で、このような坂道で満員の乗客を乗せての坂道発進…運転士さんの神技に、ここでも感動^^



 ゆっくりと着実に、バスは花背峠へと近付きつつあります。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 この数分後に、峠にある「花背峠」停留所を通過しました。
 そこでも、乗降はなし。
 ハイカーさん達の目指す山々は、かなり京都の北の方なのですね。

 花背峠を越えると、道は下り坂へと転じますが、京都バス32系統の行程は、まだ道半ば。
 この後、花背の集落へと至り、更に北にある広河原へ向けて、走り続けます。

 <桂川源流探訪 佐々里峠越え-02>>



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