しまと考える ネコと腎不全

1歳になる前に慢性腎不全になってしまった我が家の愛猫「しま」。ネコの腎不全について考えるブログです。

どれが良い病院?誰が良い先生? (その2)

2006年04月30日 16時40分39秒 | 良いお医者さんって?
 動物病院というところは、イヌやネコが自ら率先して「行ってきま~す」と言っていく所ではない。(もしそうであれば飼い主も気が楽なのではあるが)
従って、結局は、病院の先生方(特に院長先生)や受付係や獣医看護士のみなさんを含めたスタッフと飼い主のコミュニケーションが、良好な関係で行える病院であるかどうかが病院選びには最も大切な要素であると思われる。

 また、一般的にはその病院の院長先生の人柄や方針によって、その病院の良し悪しが醸し出されるようにも思う。
町医者には院長先生以下若手の獣医師が数人、臨床経験を積むために働いている場合が多く見受けられる。当然、その若手たちは、院長先生の方針に従って動くことになる。勝手な判断は決して許されるものではない。個人的な所見ではなく、病院としての見解を飼い主に伝える必要がある。同じ病院内で、医師によって言うことがバラバラではいけない。

 若手たちはそのあたりをよく教育されているので、特に病因や治療法など核心に迫る部分については必要最小限以上のことは、あまり飼い主と会話ができない。基本的に院長先生の見解や方針に従う必要がある。
「院長先生はああいうけど、私個人としてはこう思います。」、なんて言ってみたいだろうなぁ。(でも、ダメです。)
ですから、「なーんだ、この若造の獣医師はなーんにもわからんじゃないか!」なんて安易に怒ってはいけない。
若手の先生たちは、言いたくても言えないことが多いのだから。

 それと獣医看護士さんたち。彼らは単に「動物病院で受付や入院患者たちのお世話しているお手伝いのお姉ちゃんたち」ではない。
その筋の専門学校をきちんと卒業して検定試験をパスした人たちなのである。薬剤や治療・看護のことに関しては、それなり以上の知識や経験を持ち合わせている。
 
 残念なことに彼らは、院長のもとで働く前述の若手獣医よりもっと立場が弱い。
しかし、実際には彼らの仕事量は多い。もはや、獣医師たちは彼らなしでは良い仕事ができないはずである。最近ではかれらのことをAHT(ANIMAL HEALTH TECHNITIAN)と呼ぶそうである。外国では、薬剤の調合や注射、採血、麻酔の準備・管理など獣医師の片腕たる役をもこなしている。
日本では、確固たる国家認定試験が確立されていないため、どうしても、「お手伝いさん」的イメージが払拭されない。採血をするときに、動物を押さえている係りであったりする。あれだって、保定術という様々な動物・性格別などに最良の押さえ方があるのだ。たいてい、彼らの手や腕は傷だらけである。「獣医師にだけはケガをさせるな!」という業界の厳しい掟が彼らをそうさせている。大型犬に手を激しく噛まれれば、その獣医師は一生細かい手術ができなくなる後遺症を受けることもあるからだ。それを身をもって防ぐ、獣医看護士たちには最大の敬意を表するべきである。

 病院に行ったときにチャンスがあれば、是非彼らとも会話をしてみて欲しい。
毎日、様々な入院患者と接して世話をしている彼らのほうが、正しい経口薬の飲ませ方やちょっとしたコツなどは、案外下手な獣医師より知っているのかもしれない。イヌネコと一緒に暮らすにあたってのしつけなどについても積極的に質問してみるのも良いことだと思う。

 良い医者や良い動物病院と出会うには、飼い主側のほうも、社会人としての礼儀をわきまえることや診てもらうイヌネコに最低限のしつけをする等、「良い患者であり良い飼い主」である必要があるのだ。
 それを忘れて「あの医者はヤブだ」とか「受付の応対が悪い」とか言うべきではないのである。
但し、明らかに問題のある獣医や動物病院も存在するので、そのあたりはまた次回に。(その3につづく)

どれが良い病院?誰が良い先生?

2006年04月26日 01時23分33秒 | 良いお医者さんって?
 医者選びは人間の場合でも動物の場合でも大変である。
腎不全の子を抱える身としては、通院に負担をかけたくないのと、輸液などでかなり頻繁にお世話になることも多いので基本的に、まずは自宅の近所の病院をあたってみることをお勧めしたい。全国的に評判の良い名医のいる病院に何時間もかけて通院することはないと思う。
 
 うちのシマは以前、自宅からバスで片道1時間以上かかる病院にお世話になっていた。往復のバス移動と病院での待合時間&診察で3~4時間もかかっていたのである。この病院に通っていた理由は、ただひとつ。交通事故に遭遇し、死にそうなノラネコ時代のシマを深夜2時に診察して治療を施してくれたからである。幸いにして、その時に被ったケガは直ったのだが、後遺症が残ってしまった。
そうこうするうちに続発的に腎不全が発症し、通院点滴や入院がしばしば必要になったのである。奥さんと交替で仕事を遅刻してシマを預けに行き、早退して迎えに行くような日々が数ヶ月続いた。
経済的な負担は増すばかり。でも、お金のことを考えながらシマのことを考えるのはなんだか後ろめたい、、、
治療の効果は遅く感じられる。お金は出て行く。職場には迷惑をかける。家庭が荒んでいく。体力的にもしんどい。それよりシマはもっとしんどい!

はっきり言って、こんなこと無理である!無理、無理っ!
お世話になってきた病院を変えるのは辛い。心情的にも辛い。助けていただいた病院に今後も診てもらいたい。シマのことを一番分かってくれている先生とスタッフのみなさん。非常に離れがたかった。
 
 しかし、これでは飼い主もシマもおかしくなってしまうので、近所の動物病院の評判やクチコミ情報があるかどうかをネットで検索。いくつか出てくるが、病院名と住所・電話番号が出てくるくらいで、あまりヒットしない。
 次に近所の動物病院を実際に見てまわることにした。シマは家に置いていった。
人間だけで、まずは病院の偵察というわけだ。受付の感じが暗かったり、「え、ネコちゃん連れてこなかったんですかぁ?」、なんていうところ、ろくな設備がなさそうなところは瞬時に見限る。
 
 結果的には、受け入れてくれた病院が、家から自転車で5分の所に見つかった。
患畜(ちなみにこの言葉は嫌い!)なしで、飼い主だけが病院に行く。受付で診察を申し入れて待つ。そのうち呼ばれて診察室に入ると内藤剛を小さくしたような感じの先生が待っていた。
「今日はどうしましたー?」(お決まりの文句)
思わず、「いやぁ、実は昨日から頭が痛くて、、、」なんて冗談でも言ってやろうと思ったけれど、いきなり嫌われてもなんなので、まじめにこれまでのシマの状況を語った。「BUNの値は?CREは?尿比重は?経口薬はなにを与えてますか?」などと矢継ぎ早に質問された。
 まるで飼い主がどれほど飼いネコの状況を把握しているかを試されているようでもある。(こっちが偵察に来たのに、、、)
 でも、きちんと質問にも答えられたので、先生も話しに乗ってきてくれた。いい感じである。一通りお話をし、「じゃあ、今度一度つれてきてみてよ」ということになり、それから今の病院とのお付き合いが始まった。

 最新鋭の設備が揃っている病院ではない。先生が頻繁に学会に参加して講義を受け持っているような権威でもない。普通の町医者である。しかし意思疎通が上手くできる病院は良いと思う。一方的に獣医師の考えを押し付ける所は良くない。結局は、その病院とそして先生方と良好なコミュニケーションがとれるところが一番であるように思う。完璧な医者などはいない。
 そういうときには、こちら側がしっかりとした考えや態度が必要になる。ある程度の知識も備えていたほうがいい。素人が医者の真似事をする必要もない。
しかし、最低限のことは知っておいて損はない。自分の子が何のためにどんな薬を飲んでいるのか、どんな治療を受けているのかなどは知っておくべきだと自分は思う。(その2へ続く)


ブログ立ち上げの日

2006年04月24日 02時22分00秒 | TOP PAGE
 結局、夢見ていたような複雑なホームページは作れることができず、より簡単で管理もしやすい自分向きかなぁと思えるブログを今日から立ち上げることにしてみた^^;
しかし、こんなブログは「しま」(♀推定1歳半)がいなければ作ろうとも思わなかっただろう。全く興味のない話だったからである。
 時折、イヌ・ネコと暮らしたことがない人に、「うちのネコが腎不全で、、、」なんて話したときにあきれたように笑われたことってないだろうか?
「ぷっ、ネコって腎不全になんかなるのぉ~?あはは~」って。
でも、以前の自分もそんなものでした。ネコが肺がんや腎不全だなんて、なんだかおかしかったのである。一般人の知識なんてそんなものなのだ。ネコだって、腎不全にも肺がんにも白血病にもエイズにだってなるのである。
しかし、ひょんなことからネコと一緒に暮らすことになり、興味がないではすませられない状況が起こったのである。
自分のネコが慢性腎不全になってしまったのだ!
そう医者に聞かされても、「ほー、さよか」くらいにしか考えていなかった。だって、獣医師先生も「腎不全はすぐに死んでしまうっていう病気ではありません。上手に付き合っていけば、長生きさせることは十分可能ですから」
そう言った。飲ませてくださいと言われ処方された薬をそのまま何も考えずに与えていた。今から考えると随分と受身だったのである。
 やっぱり受身じゃだめだ!突然そう思い始めた。自分の子がなんで苦しんでいるのか?自分の子にどんな薬が処方されているのか?何のためにその薬を与えているのか?何か自分も出来ることはないのか?どうやったら後悔しないのか?なぜ、飼い主で親代わりの自分がそれを知ろうとしないのか?知っていたら、早期発見もできたのでは?
もう、色々なことが頭の中を駆け巡った。
 小学生の頃から文系一筋の人間がこの歳になって、理系の知識を求めて書店やインターネットの大海原を彷徨い歩くことになろうとは思ってもみなかった。
にわか仕込みの知識と中途半端な情熱ではなんとかなるはずもない、、、
そんなに甘いわけはない。
腎不全は、治らない病気だとわかった。しまの腎不全が発覚したのが2005年の6月くらい。あと何年生きられるのかなぁ?あとどれくらい一緒にいられるのかなぁ?
急に焦ってきた。主治医先生も「この子の場合はどうしたらいいか分からない」と言っている。前のかかりつけでもそう言われてしまった。
3ヶ月の子ネコのときに遭遇した交通事故から奇跡的に復活した子なのに、、、
なんでこんなにも苦しまなきゃならないんだ!?
でも、しまはまんまるの純朴な目でこちらを見ている。まだ、あどけなく見える。