No.249 2006/3/17作成
The High Resolution Mosaic of Titan's High-Latitude Region
この画像は、3月10日にNASAの土星探査機カッシーニが土星最大の衛星タイタンに接近したときに撮影された、タイタンの北極付近です。
この画像はその際に撮影された赤外線画像を処理して作ったものです。
5万~8万5千kmの近距離から撮影された13枚の画像と、28万kmの距離から撮影された1枚の画像を組み合わせてモザイク画像にしてみました。
ただし、実際には処理の過程で50枚以上の画像を使用しています(タイタンの画像処理はホント手間がかかってるんです…)。
また、右下の画像は低解像度のモザイク画像で、こちらも数十枚の画像を組み合わせて作りました。
低解像度モザイク画像の赤枠□が、左側の高解像度モザイク画像の範囲を示しています。
タイタンは窒素を主成分とする厚い大気に覆われており、もやのせいで可視光線では地表の様子を見ることができません。
そのため、吸収されにくい特定の波長域の赤外線でしか、地表の様子を撮影することはできません。
今回撮影された領域はこれまでほとんど撮影されてこなかった地域です。
右下の画像で、赤枠のやや上方にタイタンの北極点があります。
このモザイク画像は、タイタンの北極付近の画像としてはこれまでで最も解像度の高い画像です。
右下の画像では目立った模様が見えない地域ですが、高解像度画像では細長い暗い線や暗い斑点が多数あることがわかります。
これらの模様がどのような地形を示しているのかはわかりませんが、過去のタイタンの地殻活動によってできたものだと考えられます。
この地域のレーダー観測が行われれば、これらの模様の正体も明らかになるでしょう。
北半球は現在冬ですが、最近のカッシーニによる観測で、数多くの湖の存在や、高層に北極地方を覆う巨大な雲があることもわかっており、この地域の今後の観測に注目が集まっています。
元の画像:NASA/JPL提供
The High Resolution Mosaic of Titan's High-Latitude Region
この画像は、3月10日にNASAの土星探査機カッシーニが土星最大の衛星タイタンに接近したときに撮影された、タイタンの北極付近です。
この画像はその際に撮影された赤外線画像を処理して作ったものです。
5万~8万5千kmの近距離から撮影された13枚の画像と、28万kmの距離から撮影された1枚の画像を組み合わせてモザイク画像にしてみました。
ただし、実際には処理の過程で50枚以上の画像を使用しています(タイタンの画像処理はホント手間がかかってるんです…)。
また、右下の画像は低解像度のモザイク画像で、こちらも数十枚の画像を組み合わせて作りました。
低解像度モザイク画像の赤枠□が、左側の高解像度モザイク画像の範囲を示しています。
タイタンは窒素を主成分とする厚い大気に覆われており、もやのせいで可視光線では地表の様子を見ることができません。
そのため、吸収されにくい特定の波長域の赤外線でしか、地表の様子を撮影することはできません。
今回撮影された領域はこれまでほとんど撮影されてこなかった地域です。
右下の画像で、赤枠のやや上方にタイタンの北極点があります。
このモザイク画像は、タイタンの北極付近の画像としてはこれまでで最も解像度の高い画像です。
右下の画像では目立った模様が見えない地域ですが、高解像度画像では細長い暗い線や暗い斑点が多数あることがわかります。
これらの模様がどのような地形を示しているのかはわかりませんが、過去のタイタンの地殻活動によってできたものだと考えられます。
この地域のレーダー観測が行われれば、これらの模様の正体も明らかになるでしょう。
北半球は現在冬ですが、最近のカッシーニによる観測で、数多くの湖の存在や、高層に北極地方を覆う巨大な雲があることもわかっており、この地域の今後の観測に注目が集まっています。
元の画像:NASA/JPL提供
以前からやぎさんが作った画像を楽しませてもらってます。
いろんな土星の衛星の新しい地形や、リングの構造など、たくさんの発見を個人でなさってることに驚かされます。
そこで少し聞きたいんですが、やぎさんはどこで画像処理を学ばれたんですか?
そして例えば今回のタイタンの画像はどうやって作ったんですか?
50枚以上の画像を使ったとありますが・・・
ただの興味本位でブログ記事にしている私とは大違い。TB頂くのも申し訳ないくらいです。(汗)
前の人のコメントと言うか質問にも有りますが、確かにただ者ではないようですね。また遊びに寄らせて頂きます。
>nakaさん
以前から来て頂いているということで、光栄です!
質問についてですが、画像処理は全くの素人で何かで勉強したということはないんです。
なので、その手の方が見たら見るに耐えない代物かも…w
画像処理ソフトも立派なものじゃなくて、誰でも手に入るフリーソフトです、実はw
photoshopみたいなのがあればもっと高度なこともできるのかもしれませんが…
カッシーニ探査機の未処理の画像は公式ホームページで一般に公開されています。
誰でも撮影されたばかりの画像を見ることができるので、ホント便利な世の中ですよね!w
アドレスはこちら↓
http://saturn.jpl.nasa.gov/multimedia/images/raw/index.cfm
今回使った元の画像の一つは、例えばこんな画像です。
http://saturn.jpl.nasa.gov/multimedia/images/raw/raw-images-details.cfm?feiImageID=105100
これはタイタンの大気を透過する波長で撮影された画像ですが、お気づきのように何が何だか分かりません。
◎←こんな感じの大小様々な模様は全てアーチファクト。
四隅の模様も、細かい縦方向の縞模様も、淡い横方向の縞模様もアーチファクト。
画像の対角線に沿ってぼんやり明るくみえるのもアーチファクトです。
つまりぱっと見て見ることができる模様はほとんどアーチファクトで、タイタン本来の模様ではありません。
まずはそのアーチファクトを取り除きます。
しかしそれでもタイタンの地表の模様はなかなかはっきり見えません。
タイタンは分厚い大気に包まれているため、全体に霞がかかっているように見えます。
そのため次に大気の影響を減らす処理をします。
これには他の波長で撮影された大気の画像も使います。
そうしてできあがった画像も、ノイズまみれで不鮮明なので、同じように処理した別の画像と重ねあわせることによりノイズを最小限にします。
残念ながら上記のサイトで公開されている画像はJPEG形式なので、処理後の画像の画質には限界があります。
>ファンシーモンキーさんへ
こちらこそそのようなコメントをいただき、恐縮です!
私も興味本位でブログを書いています。
でも最近はちょっとマニアックになり過ぎた感じがしてるんですよね。
以前ホイヘンス探査機がタイタンに着陸した際、海外のアマチュアの人達がその画像を合成してタイタンの地表の画像を作り、公式サイトに先駆けて発表して話題になったことがあったんです。
それに触発されて、画像処理に挑戦してみたくなりました。
以来、勉強そっちのけで(w)はまり続けてるわけなんです…
同じ話題でも、その捉え方とか楽しみ方とかは人それぞれですよね。
他のブログの関連記事を読むと、なるほどぉ~と思うことが多々あります。
ブログはそういう色んな方と情報を交換できる場なので、面白いですよね。
段々と忙しくなってきて更新もあまりできなくなりそうですが、これからも情報交換していきましょう。