まあ、ようやるなあってあきれます。
「耳袋」と言えば、江戸時代に怪異を集めて記したノンフィクション怪談本の元祖。
そして「新耳袋」は中山市朗氏と木原浩勝氏の実話怪談を集めた、とっても怖い怪談本です。なんせ本を積んでおくだけで、なんか寄って来る、なんてレビューさえ見かけるほど。
「新耳袋 殴り込み」は、その新耳袋の心霊スポットを訪ね歩くノンフィクションエッセイ。そんな所に行くだけでも、どうかと思うのに、数珠やお守り禁止で、丑三つ時にビデオ回しに行くなんて、なんという命知らず。(おまけに霊を挑発するし)
むちゃくちゃだし、面白い。すいません。人の怖がる姿ってちょっと可笑しい。
しかし一番頭が下がるのは、「怪異」に魅せられた人の執念です。説明のつかないものをこの目で見たいという気持ちわかるけど、行かへんなぁ、スポットには。たたられると嫌だもの。だから、読んでその気分を味わえます。
私も子どもの頃からの、筋金入りのオカルト好き。心霊、超常現象関係のテレビや動画を見る時が至福の時間。実話怪談本も沢山読んでいますが、心霊スポット体験記はエンターテイメントの新しいジャンルになるのでは?
新耳袋殴り込み 第一夜 (角川ホラー文庫) | |
クリエーター情報なし | |
角川書店 |
「新耳袋 殴り込み」は、第一夜から第三夜まで出ています。
第一夜と第二夜は良かったです。おもしろいながらも、ノンフィクション色?が濃くて、心霊現象やスポットに対する熱い想いが伝わります。
でも、今読んでる第三夜はいかんなぁ。飽きたわけではないです。ワンパターンでいいんです。わざと声を上げておどかすなんてバラエティーみたいな陳腐なおふざけなしでお願いしたい。ギンティーさんじゃなくても腹が立ちます。
なにも起こらなくても、怖い所に行くだけで読んでる方は楽しいのですから。